UNI世界金融労組リーダーがコロナ禍における労働運動に関し意見交換

UNI世界金融部会は、2021年5月12日(水)UNI世界金融部会議長・副議長会議をオンラインで開催した。

リタ・ベルロファ UNI世界金融部会議長は開会挨拶の中で、「コロナ禍の中、残念ながら本会もオンライン開催となった。世界各国は依然として厳しい状況にあり、我々金融労働者も多くの課題に直面している。しかし、我々はそのような中でも止まることなく活動を続け、課題解決に向け取組んでいる。今こそ連帯が必要であり、この苦境を共に乗り越えていきたい。」と述べた。

続いて各地域からコロナ禍の現状報告が行われた。
米州地域報告(エドゥアルド・ネグロ 副議長)
コロナ禍の中、企業はデジタル化を急速に進めることで、コストを削減しようとしている。職場の安全衛生にとどまらず、雇用が脅かされている。南米各国で不当解雇問題が発生しており、特にコロンビアの状況は深刻である。同国において4月28日から始まったデモ等に対し、当局は暴力的な弾圧を行っている。恣意的な逮捕、性暴力も発生し、人権問題になっている。UNIの仲間の支援が必要である。

UNI Apro地域報告(境田 道正 副議長)
Apro地域ではロックダウン中でも、社会経済機能を維持し続けるために、ほとんどの金融機関は、実店舗の営業を継続した。我々金融部門労働者はエッシェンシャル・ワーカーと認知されている。一方で金融サービスのデジタル化が進んでいない、または制限されている地域では、課題が生じている。また国によって差はあるが、多くの加盟組織は、困難な状況下でも地域内で密に連携しながら立ち止まることなく団体協約を活用し、感染対策を含む職場の安全衛生、雇用と収入の安定確保に努めている。

UNI欧州地域報告(アンナ・マリア・ロマーノ副議長)
欧州地域においては、コロナ禍によってかえって連帯感が強まっており、非常に困難な状況ではあるが、成果は上がっている。主な成果は、コロナ禍を理由とした不当解雇の阻止、リモートワークとデジタルトランスフォーメーションに関する法律制定、フィンテック労働者の組織化と団体協約締結、ワークライフバランス・ガイドラインの策定及びリモートワークに関する管理職へのトレーニング等が挙げられる。

次にマイケル・ブドルフセン副議長(UNI欧州)より、UNI世界金融部会が、「国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)」の市民社会諮問機関の一員として任命された旨報告し、同副議長は「国連が、このイニシアティブを推進する上で、我々UNI金融部会(労働組合)をステークホルダーとして認めたことは大きい」と述べた。

その後、各地域の活動事例報告が行われた。
ペルーにおけるクレディ・スコシア銀行の反組合行動に関する報告
パトリシア・サラザール副議長(UNI米州)

ペルーのクレディ・スコシア銀行による不当解雇を始めとする反組合行動に関し、解決のための組合と当局の会合がなかなか実現しない中、組合は対策チームを設置し、デモ等の団体行動を行った。我々に賛同しデモに参加した閣僚が拘束されるなど、恣意的な抑圧も横行していたが、粘り強い交渉の結果、3月に復職を実現することができた。

気候変動への投資と金融の役割
ジュリア・アングリサノ副議長(UNI Apro)
現在ニュージーランド議会において画期的な法律が審議中である。投資を行う際、気候変動に関する影響及びリスクの開示を義務付けるものである。企業の投資行動に対し、気候変動への責任と透明性が求められることになる。ニュージーランドでは、既に規制が無くても金融企業自らがこの問題にコミットする動きが始まっている。反対にオーストラリアは、ESG投資の促進をはじめとして真剣に気候変動に取組もうとしていないように感じており問題である。

コロナ禍における団体交渉
ヌーメン・ガービ副議長(UNIアフリカ)

コロナ禍により、現在チュニジアをはじめ多くのアフリカ諸国は、ロックダウン中で社会対話が行える状況ではない。政府機能も停滞しており、経済面ではIMFの債務デフォルト危機も懸念される。そのような中、いくつかの加盟組織は、リモートワークに関する覚書の締結に漕ぎつけたが、そもそも労働法が現在の状況に対応できておらず、仕事中にコロナウイルス感染症に罹患しても労災扱いにならない等、様々な問題が残っている。

最後に今後のUNI世界金融部会の活動について、モーリーン・ヒックUNI世界金融部会コーディネーター代行より、「リモートワークに関する主要原則」の更なる活用と好事例の共有依頼があった。
また、アンジェロ・デクリストUNI世界金融部会担当局長は、各国・各地域の情報共有及び活動状況の共有は、重要である。ポストコロナの世界において、自由の確保、デジタル化とリモートワークへの対応には、労働組合の関与が重要である。ILOの三者構成会議は2022年に延期されたが、新しい情報を入手次第共有する。今後の活動としては、金融部門で働く女性をテーマとしたウェビナーを開催する予定である。また先ほどベルロファ議長が提案したとおり、9-10月に再度本会を開催する予定である。早く皆さんと対面で議論できる日が来ることを強く望む旨述べ、会議を締めくくった。