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アチャリャUNI Apro地域書記長、就任後初のUNI Apro運営委員会を開催

2020年10月12日、第34回UNI Apro運営委員会がようやく開催された。4月にシンガポールで開催する予定だったが、コロナのため延期となり、このほどオンライン開催することとなった。ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長にとっては、昨年の第5回UNI Apro地域大会で選出されて以来、初めての運営委員会である。

野田UNI Apro会長は開会にあたり、「今この時も拡大を続ける“新型コロナウィルス感染症”により世界の経済・社会は、試練の時期を迎え、“私たちの日常”は劇的に変化している」と述べた。「アジア地域のサプライチェーンは、まさに分断の危機にある。企業活動の停止や停滞によって、地域経済は深刻な打撃を受け、その規模は、かつての“アジア経済危機”や“世界金融危機”を上回ることは明らかである。ILOからは、アジア太平洋地域においては、とりわけ青年の雇用への影響が深刻であるとの報告も示されている」と述べ、人口分布において若年層の割合が多いUNI Apro地域の重要な課題であると指摘した。“仕事の世界”においても、ニューノーマルの下での働き方が定着しつつあり、オンラインを活用したビジネスモデルも一般的になってきた。リモートワークが進む中、労働組合・労働運動のBCPも必須である。「これまでの対面を前提とした活動スタイルの抜本的見直しが必要だ。こうした中で、各国の状況や取組みは参考になる事例も多く、UNI Aproのネットワークを有効活用し先進的事例を水平展開したい」と述べた。

続いて、クリスティ・ホフマンUNI書記長が挨拶し、「厳しい状況の中でも最善を尽くそう」と呼びかけた。対面会議はできなくても、活動は進めなければならないと訴え、コロナ禍の間も、職場の安全衛生確保に重点的に取組み、加盟組織が安全な職場復帰に向けた交渉ができるよう支援してきたことを紹介した。リモートワーク、AI使用、アルゴリズム管理、Eコマースの拡大が加速しており、この動向に遅れることなく備えていかなければならないと強調した。一方、「危機によって、組合こそ違いをもたらせることが世間に知らしめられた。エッセンシャルワーカーが社会に果たす貢献が明らかになった」と、暗雲立ち込める中にも希望はあると述べた。

主な議題は、コロナの影響と各国の対応に関する情報交換、地域大会後のフォローアップ、2019年度会計報告確認、2020年度予算、2021年度暫定予算の承認、スタッフ人事及び就業規則改定案の承認、加盟申請の確認等であった。

アチャリャUNI Apro地域書記長は、昨年11月の地域大会以降、コロナ禍に見舞われた今日までの活動を次のように報告した。「対面の組織化ができない中、多くの組合がテクノロジーを活用してデジタル/リモート組織化という新たな手法を検討し、実施している。コロナ禍においてパートナーシップによる労使の連携は非常に重要になっている。安全衛生の確保、移民労働者の保護、女性・若年労働者の問題等にも力を入れている。コロナ禍における明るい兆しは、若年層が組合の意義に関心を持ち始めたことだ。どの業界で働いていても組合は大切だとの認識が深まった。」その上で、姉妹組織や他のGUFと連携しつつ、小地域(南アジア、東南アジア、東アジア、オセアニア)毎の戦略を立て、取組んでいくと述べた。

日本からは、野田UNI Apro会長、松浦UNI Apro副会長、金子UNI Apro副会長、増田UNI世界副会長、景中UNI Apro女性委員会副議長他、オブザーバーが出席した。日本のコロナの状況・影響、UAゼンセンの取組み等については、松浦UNI Apro副会長がUNI-LCJを代表して報告した。


UNI世界青年委員会、メンタルヘルス危機への対応キャンペーンを開始

10月10日の世界メンタルヘルスデーに、UNI世界青年委員会は、世界中で懸念が高まっているメンタルヘルスの問題に組合が取組むよう、新しい啓発キャンペーンを開始した。新型コロナウィルスの感染が拡大する中で、インドからブラジル、フランスから米国まで、世界各地の労働者の間に、ストレス、燃え尽き、不安、薬物乱用、憂鬱といった心の健康上の問題が生じている。

団体交渉を通じて、組合は、心の健康を保つための支援に関する適切な枠組みや方針を実施することができる。UNI世界青年委員会が推進するUNI Yeah! キャンペーンは、メンタルヘルスを重点課題として取組む加盟組織を支援するものだ。

メンタルヘルスの問題を啓発するため、ポスター、インフォグラフィックス、アニメーション等、ソーシャルメディア用キットが作成されたので活用してほしい。

新型コロナウィルスが若年労働者のメンタルヘルスへ及ぼした影響は、とりわけ深刻である。若年層の間に失業が高まり、不安定雇用や不確実性が増し、ILOが実施した世界の若年層を対象とした調査では、18~29歳の若年層の2人に1人に不安神経症や鬱病の可能性があることが示された。大規模に教育機関や職場の閉鎖が行われたことが一因だろう。世界中で若い労働者は失業したり、労働時間が短縮されたりし、かつてないほどに将来への不安を感じるようになった。

若い女性の場合、状況は更に深刻だ。ロックダウン期間中、家庭内の責任が過度に増し、家庭内暴力件数も増大した。UNI機会均等局が最近行った調査では、労働者の10%が、家事が100%増加したと答えている。子供がいる場合、44%が、勉強の手伝いをする時間を作らなければならなかったと答えている。

世界保健機関(WHO)によれば、メンタルヘルスとは精神的に満たされた状態のことであり、精神的に健康であれば個人は自身の能力を発揮し、生活上の通常のストレスに対処し、生産的に働き、コミュニティに貢献することができるという。健康にとって非常に重要で、ますます組合が取組むべき課題となっている。

何百万もの人々が在宅で働くようになり、在宅勤務が続く中、メンタルヘルスの問題も増え続けている。テレワーク、長時間労働、つながらない権利の不徹底等と相まって、不健康な働き方が恒常化し、労働者には更なる負担となっている。 UNI世界青年委員会は、若年労働者に、「彼らをサポートする強力な組合があること、職場におけるメンタルヘルス問題は組合を通じて撲滅していかなければならない」というメッセージを発信している。


ディーセントワーク世界行動デーに、世界の労働組合がエッセンシャルワーカーの権利を求めるキャンペーンを開始

10月7日のディーセントワーク世界行動デーに、世界150か国のサービス産業労働組合を代表するUNIは、エッセンシャルワーカーのための不可欠な権利を求める国際キャンペーンを開始する。

新型コロナウィルス感染拡大期に、不当に低賃金で、正当に評価されず、過小評価された労働者こそが、世界中のコミュニティが機能し続けられるよう、働いてきた。棚に食料品を並べ、病気の人や高齢者の介護をし、学校、職場、公共交通機関、公共の場等が清潔で安全に保たれるようにする労働者がいた。郵便や小包を届ける労働者もいた。人々が金融サービスを受けられるようにする労働者もいた。

危機によって、これらの仕事がどれほど人々の生活に不可欠であるかが明らかになったように、このキャンペーンでは、私達の社会はもう、このような仕事をしている人々のニーズに気づかぬふりをするわけにはいかないと主張している。

「エッセンシャルワーカーにとってディーセントな仕事とは、より良い賃金、安全な仕事、有給の病気休暇、組合があること、そしてみんなが尊敬することだ」と、クリスティ・ホフマンUNI書記長は語る。「パンデミックをきっかけに、これらの不可欠な仕事を再評価しないなら、公正な経済はあり得ない。危機の間、そして平時であっても、エッセンシャルワーカーは大変な貢献をしており、感謝の言葉だけでなく、きちんと評価されるべきだ。」

ディーセントワーク世界行動デーは、私達のグローバル経済に必要とされる抜本的な変化に目を向ける好機である。だからこそ、世界中の労働組合は、全ての エッセンシャルワーカーのために不可欠な権利を要求している。


UNI Apro、コロナ禍の移民労働者に対する責任を果たすよう、民間企業に要求

UNI Aproは、市民社会組織及び労働組合と連携し、「未払い賃金を直ちに正すよう」要求する。労働者の権利と人権の保護を目指し、企業に法的義務を果たすよう求めるものだ。

新型コロナウィルスの世界的大流行によって、労使双方が非常に大きな困難に見舞われた。感染拡大が続く中で、最終的にどれだけの影響を受けるのか、ますます予測は困難になっていくだろう。しかし、移民労働者は、この危機の間に最も大きな影響を受けたグループであることは間違いない。

COVID-19に見舞われる前、移民労働者は、企業の繁栄に貢献する等、重要な役割を果たしてきた。しかし、一方的に経費削減策を取る企業も出てきており、労働者に悪影響が及んでいる。更に、移民受け入れ国の経済状況が悪化すれば、多くの移民労働者は本国に送還されることが予想される。

UNI AproはASETUC(ASEANサービス労組協議会)と共に、移民労働者が本国に送還されるまでに、未払い賃金や諸々の権利の請求がきちんと清算されるよう、あらゆる企業に強く要請する。パンデミックは、移民労働者の貢献を却下するための理由や言い訳にはならず、対価は払われねばならない。 要請の中では、労働者を賃金未払いから守るために使用者や企業が取ることのできる14の具体的な手順が示されている。今回の要求は、7月1日と9日に続く3回目の要求である。その中では、正当な賃金や手当を受けられずに本国に送還された移民労働者の苦境を打開するための世界的なキャンペーンとして、公正な仕組み作りを要求している。既出の2回の要求は、各国政府と国連の関連機関に対し、パンデミックのために職を失い、帰国した労働者の賃金関連の苦情や請求、労働紛争に対応する、暫定的な司法メカニズムを構築するよう緊急対応を求めている。


UNIは広島、長崎への原爆投下75年にあたり犠牲者に哀悼の意を捧げる

広島及び長崎に原爆が投下されて75年を迎えるにあたり、UNIは犠牲者に哀悼の意を捧げると共に、核兵器の禁止を繰り返し要求する。

第二次世界大戦中の1945年8月6日と9日、広島及び長崎に投下された原爆はその後、何万人もの被爆者を長い間、放射線の後遺症によって苦しめている。

UNIは2010年に長崎で世界大会を開催したことで、核兵器の戦慄と破壊力について理解を深め、長崎市及び国際平和運動と強い絆を築いてきた。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は次のように述べた。「日本に原爆が投下された75年という節目の年に、このような苦しみが二度と繰り返されないよう、国際平和運動と連携して取組む決意を新たにする。とりわけ、2010年に我々を温かく迎えて下さった長崎の皆さんに心から連帯し、皆さんと一緒に犠牲者に哀悼の意を捧げると共に、核兵器の無い世界の実現を訴えていく。」

UNIの前書記長、フィリップ・ジェニングスは今、軍縮と、戦争の無い世界の構築に取組む国際平和ビューロー(IPB)の共同議長を務めている。ジェニングスIPB共同議長は、「我々は今、危険で不安定な時代に生きている。核兵器の無い世界をつくるには、労働運動の大きな力が必要だ。世界中で、1.9兆米ドルが軍事費に使われている。新型コロナウィルスが猛威を振るっているこの時に、大変な無駄遣いだ。我々には、新たな共通の安全保障が必要だ。平和と軍縮は、このパンデミックから回復するための取組みにも不可欠だ」と訴えた。

世界大会開催がきっかけで、UNI本部は長崎、広島からの平和大使の訪問を毎年歓迎し、核兵器廃絶の国際キャンペーンを支援してきた。今年は新型コロナウィルスのパンデミックのため、受入れが叶わないのは残念である。

しかし、UNIと加盟組合は、長崎と赤十字国際委員会が主催するオンラインイベントに参加することができる。8月9日、中央ヨーロッパ夏時間11:00(日本時間18:00)から、「核兵器が存在することは人類にとって何を意味するのか―コロナ危機の最中に考える」をテーマとし、2つのセッションから構成されるイベントだ。第1セッション(日本語)には、被爆者や長崎市長等がパネリストとして、第2セッション(英語で進行、日本語通訳付)には、元アイルランド大統領メアリー・ロビンソンをはじめ、核兵器廃絶キャンペーンに取組む団体の代表らが登壇する。

国際平和ビューローも、フェイスブック上で、「広島からの誓い」と題する記念映画を世界に公開する予定である。


UNI、黒人の命のためのストライキを支持

UNIは、2020年7月20日に、全米各都市で予定されている #StrikeForBlackLives (黒人の命のためのストライキ)に加わる仲間たちに連帯し、これを支持する。この全国規模のストは、「黒人の命のための運動(The Movement for Black Lives)」や、UNI加盟組織であるSEIU(全米サービス労組)やチームスターズ等、幅広いグループが結集して計画されている。

ストに加わる人々は、黒人の経済的機会や社会移動(一定の社会的地位から他の社会的地位へ移動すること)を制限している人種差別をなくすため、企業や政府に対して抜本的な改革を行うよう要求する。あらゆる人々により良い賃金、医療を、そして組合加入ができるように要求する。

「最近みんなが話題にしている“普通の”状態に戻ってもダメだ。人種差別を理由に攻撃を受けたり、経済という名目で、防護具も無く、危険手当も払われずに仕事をしろと言われたりするなんて。」空港で車椅子利用者のアテンダントとして働くグレン・ブラウンは、ストに参加する理由をこのように述べた。

ストの間、空港労働者やファーストフード店の従業員、清掃員、警備員、介護労働者をはじめ何千人もの労働者が、8分46秒間、仕事を中断する。5月にミネアポリスで警官に殺された黒人男性ジョージ・フロイドが、白人警官の膝で頸部を押さえつけられていた時間だ。このストは、今後数ヶ月の間に予定されている人種間の平等を要求する多くのアクションの皮切りとなるだろう。

ストの計画を発表するにあたり、「人種間の平等がなければ、経済的正義は実現できない」と、メアリー・ケイ・ヘンリーSEIU委員長は強調する。「今日、全国でこの問題を考えよう。労働者は米国の壊れた制度の抜本的改革を要求している。黒人が目標を達成するまで、我々のコミュニティの中で誰も目標を達成したとは言えない。」

10以上の団体がMovement for Black LiveやSEIU、チームスターズと共に街頭に出て意思表示を行う予定だ。

「制度的な人種差別は、米国だけの問題ではない。我々があらゆるコミュニティや国の中で向き合わなければならない問題だ」と、クリスティ・ホフマンUNI書記長は述べる。「歴史的な1日となるこの日に、UNIは我々の社会と経済を変革していく闘いに加わり、黒人の命が尊重される世界を創り出していく。」

スト参加者は世界中の仲間からの連帯支援を求めている。ストの詳細は以下のウェブサイトから。https://j20strikeforblacklives.org


グローバルユニオン評議会、リ・チャクヤン氏への正義と香港における人権尊重を要求

グローバルユニオン評議会(CGU)のメンバー組織としてUNIは、香港政府に対し、2019年逃亡犯条例改正案の撤回と普通選挙の実現を要求した労働運動の指導者や民主派活動家らへの刑事責任の取下げを要求する。7月1日に採択されたCGU声明では、同日に施行された極めて厳しい国家安全維持法の廃止も求めている。同法の下で、施行当日だけで370人以上の逮捕者が出ている。

「協議や透明性のない突然の国家安全維持法の強制や、恐れずに声をあげてきた労働組合員やジャーナリストその他の民主活動家に対する厳しい罰則は、我々の世界に存在してはならない。この法律が廃止され、引き続き自治が尊重され、『一国二制度』の原則が確保される日まで、我々は香港の民衆に強く連帯していく」と、クリスティ・ホフマンUNI書記長は述べた。

またCGUは、普通選挙の実現及び言論・集会・結社の自由に対する規制の撤廃を要求している。

「香港労働組合連盟(HKCTU)のリ・チャクヤン事務局長は、民主主義と労働者の権利の戦士だ。現在、人権と自由を擁護する彼と14人の献身的な活動家達は、その信念を理由に起訴されている」と、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は述べ、「このような不当な告訴は撤回され、香港の人々が投獄を恐れずに政治に参加できるようにしなければならない」と訴えた。


メンタルヘルスと若年労働者

6月29日、「メンタルヘルスと若年労働者」をテーマに、UNI世界青年委員会ウェビナー第2弾が開催された。

最初に、WHO(世界保健機関)のアイシャ・マリカ博士及びノルウェーのライフマネジメント・公衆衛生センターのイングリッド・ブルン氏から、メンタルヘルスの概要について聞いた。

アイシャ博士は、若年層は精神的に影響を受けやすく、支援も行き届かない中、コロナ禍で状況は悪化しており、若年層の自殺の半分はメンタルヘルスが原因だと述べた。「仕事との関連では、精神的に不健康な労働者は本人の生産性だけでなく職場全体にも悪影響を及ぼす。その解決には、国連やWHOが推進するような世界各国を関与させるアクションが不可欠であり、コミュニティサービスを強化したり、職場においてはメンタルヘルスへの偏見をなくす取組みを行ったり、皆それぞれにできることがある。」

イングリッド氏は、若年層の精神的苦痛の要因や、成人のメンタルヘルスとの違い、その後の人生への影響等を概説し、コロナ禍で孤立感・否定的思考が強まり、かつ適切なケアが受けにくい状況にあると指摘した。こうした若年層をメンタルヘルスから守るには、オープンなコミュニケーションとメンタルヘルスに関する正しい情報、若年層に寄り添ったサービスが重要だと述べた。

続いて、ベロニカ・フェルナンデス・メンデスUNI機会均等局長は、コロナ禍がメンタルヘルスに及ぼす影響についてジェンダーの視点から分析した。無給の家事労働の他に、登校できない子供の世話が加わり、負担が倍増するが、女性の仕事だと思い込み助けをなかなか求めない。家庭内暴力の被害者である場合、加害者から逃れられない。こうしたことから女性の方が男性より影響を受けやすく、コロナ禍で状況は悪化している。

ベルナデット・レイズUNI Apro青年委員会議長(フィリピン銀行労組)は、アジア太平洋地域の若年労働者がコロナ禍により受けている精神的ストレス(失業、仕事の不確実性、収入減、休業要請、賃金支払いの遅延等)により、恐れ、不安、鬱等に陥り、自殺に至る例もあると述べた。既に警戒すべきレベルに達しており、組合は組合員及びコミュニティを守るため手を差し伸べなければならないと主張した。

チェコの東欧組織化センターのオルグである、パブラ・ジェンコバによれば、コンタクトセンター労働者はコロナ禍のためテレワークを強いられ、オンラインアンケートでもストレスの増大やメンタルヘルスの悪化が浮き彫りになった。しかし、メンタルヘルスはタブー視されており、相談すら躊躇するため、オンラインカウンセリングを実施しても誰からも支援の要請がなかった。そこで、「メンタルヘルスの問題は異常なことではなく、誰にでも起こり得るもの」と意識を変えさせ、自由に話せる雰囲気を作ることが重要だと述べ、支援を必要とする労働者にどうアクセスし、どう支援していくかを検討していると報告した。

英国通信労組(CWU)のルーク・エルガーも、「自分が弱いから、自分に問題があるから、メンタルヘルスに異常をきたすわけではない」と述べた。CWUでは若手が主導してメンタルヘルス対策チームを設置し、700人の職場代表がこれまでメンタルヘルスの研修を受けたという。身体的健康を維持するため、自宅での運動や十分な睡眠も奨励し、「みんなで困難を克服していこう」というメッセージを発信している。研修を受けた職場代表が身近におり、組合は不安を抱える他の人の問題に耳を傾ける体制を整えている、と知らせることが重要だと述べた。

最後に、マルタ・オチョアUNI青年委員会担当局長は、コロナ禍で更に浮き彫りになったメンタルヘルスの問題は、孤立を防ぐコミュニケーションや、メンタルヘルスに関する正しい情報、タブー視や偏見をなくす努力等、組合が解決に向けて取組むことのできる課題だとまとめた。


国際労働運動は一丸となって「黒人の命は大切」を支持

国際労働運動は、「黒人の命は大切」運動を支持して、共に立ち上がるだけでなく、共に行動を起こしている。

UNIをはじめとするグローバルユニオン(国際産業別労働組織)とITUC(国際労働組合総連合)で構成されるグローバルユニオン評議会(CGU)は、世界の殆ど全ての国々の労働者を代表する。6月17日、CGUは、制度化された人種差別と闘い、米国等における刑事司法制度の再考を求める明確な要求を発表した。UNIは、本部ビルに「黒人の命は大切」のバナーをかけて支持を示している。

CGUの声明は、ブリアナ・テイラー、アマード・アーベリー、ジョージ・フロイドという3人の米黒人の殺害を受けて発表された。これらの全く不当な殺害は全米で抗議を引き起こし、やがてサンパウロからソウルまで世界中に抗議の輪は広がった。

CGUは、「余りにも長い間、人種差別と白人至上主義によって、働く人々は分断され、真の力を勝ち取る力量を弱められてきた」と述べ、「もうたくさんだ」と訴えた。

労働組合は何度でも呼びかける。「新しい世界をつくるために闘おう。みんなが黒人の命は大切だと認識する世界を!」


テレワークと、つながらない権利

世界中の若年労働者にとって2020年は、かつてない規模の失業や将来への不安に見舞われた大変厳しい年となった。将来への不確実性、失業の高まり、様々な雇用形態、これらが絡み合って世界的に若年層の危機が発生している。しかし組合にとっては、若年労働者を守り、支え、関与を働きかける好機でもある。こうした背景から、UNI世界青年委員会は、若年労働者に重要な課題について加盟組織の若手役員と意見交換を行うウェビナーを企画した。

シリーズ第1弾は6月15日、「テレワークと、つながらない権利」をテーマに開催された。

始めに、UNI世界専門職・監督職(P&M)委員会のアレックス・ホグバック担当局長から、組合がテレワークを交渉する際のポイントと「つながらない権利」という概念について説明があった。

リモートワークに関する議論

つながらない権利(平時)

つながらない権利(コロナ危機時)

欧米ではコロナ禍以前から、仕事と私生活を両立しやすいテレワークを希望する労働者が多く、UNIは加盟組織がテレワークを交渉するための参考となるようガイドラインを作成していた。コロナ禍で浮きぼりになった課題を踏まえ、最近、改訂版を出したところだ。組合としては、テレワークの選択肢は危機の時だけでなくコロナ禍が収束しても継続して与えられるべき、テレワークは義務ではなく任意であるべき、仕事の成果の測り方や評価方法について再検討すべき、プライバシーを尊重すべき、つながらない権利を確保すべき、といった点を交渉すべきだとした。

また「つながらない権利」を交渉するには、常に仕事とつながっていることの危険性を認識し、つながっていないために罰せられないこと(逆に、常につながっていることが評価につながるわけではないこと)を明確にし、通常と例外の明確な定義や、明確な方針、上司及び部下への適切な研修が必要だと強調した。

UNI Apro(UNIアジア太平洋地域)を代表し、釘本UNI Apro青年委員会副議長は、日本におけるテレワークの拡大と特に若年労働者への影響について報告した。若年労働者にはデジタルツールは比較的馴染みやすく、メリットを活かして多様な働き方を実現できるという前向きな捉え方もある一方で、労働時間管理や労働者の健康を守るためのルール作りは必要だと述べた。

欧州(スペイン)や米州(アルゼンチン)の青年委員会代表からは、テレワークのメリット/デメリット、つながらない権利を交渉した企業事例や法制化に向けた動き等が報告された。

第2弾(6月29日)ウェビナーのテーマは「メンタルヘルス」、第3弾(7月22日)のテーマは「不安定雇用」である。


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