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ホフマンUNI書記長、「組合は重要なデジタル・ガードレール」

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、2023年5月初旬にオンラインで開催されたパネルディスカッション『データ・オン・パーパス2023:労働者のためのテック・ワークを実現する』の中で、新たなテクノロジーが仕事を変えていく中で、労働者の権利を守る上で、強力な組合と団体交渉が不可欠であると語った。

ホフマン書記長は、ミーラ・ジョシュ・ニューヨーク市副市長、オックスフォード大学フェアワーク・プロジェクトのカビタ・ダッタニ博士研究員 とともに、パネルディスカッション『労働者のためのデジタル・ガードレールの構築』の中で講演した。

特にアルゴリズム管理システムなど、テクノロジーを使った職場におけるデータ収集範囲や人権侵害はここ数年で急速に変化しているが、同書記長は、テクノロジーが労働者に及ぼす多くの課題は、既存の解決策で根本的に解決できると訴えた。

「労働組合は何十年も前からテクノロジーをめぐる交渉を行ってきた。例えば、製造業では1980年代にロボットが導入され始めたが、その頃からの重要な原則(通知、リスク評価、実施と影響に関する交渉)の多くは、現代においても有効だ。(中略)例えば、ドイツでは、労使協議会が、アルゴリズム管理システムによって収集された個人データの使用を制限し、日単位や時間単位の個人指標としてではなく、チームレベルの実績を長期的に評価するためにのみ使用できるようにしてきた。」

また、コールセンターにおける全米通信労組(CWA)の協定について紹介し、モニタリングは毎月特定の時間に限定すること、モニタリングが行われる際には労働者に通知すること、モニタリングは懲戒ではなくフィードバックを目的とすることを求めていると述べた。

さらに、UNIが最近、大手コールセンター企業と締結したグローバル協定で、業務上の監視が業務上の必要性と比較して「不釣り合い」であってはならない旨を定めている点も例に挙げ、 「勤務時間中ずっとカメラで監視されているようなことを、受け入れるべきではない」と強調した。

また、こうした監視によって労働者は心理社会的ストレスにさらされ、また身体的なダメージにつながる可能性もあり、極端な監視で労働者の生産ペースを押し上げているアマゾンでは、負傷率が高くなっている。人間離れした目標を達成しなければならないというプレッシャーから、労働者は法律で義務付けられている休憩をとれなくなることもある。

企業によるこうした行き過ぎた行為を組合が止められるよう、UNIは今後数週間以内に、世界中の労働者が集団の力を使ってテック・ワークをどのように自らにとってより良いものにしてきたかについて、詳述した資料を発行する予定だ。

最後にホフマン書記長は、「企業がビジネスのやり方を変える際は、労働者と話をしなければならない。組合と対話を行い、新しいツールを適切に導入し、発生した問題を解決するために、強力で独立した安全衛生委員会、あるいは技術委員会が設置される必要がある」とまとめた。


国際労働災害犠牲者追悼日: 安全衛生委員会を通じ、より安全な仕事に向けた組織化を

世界中の組合が昨年、安全衛生をILOの基本的権利とすることに成功した。そして今、労働者はより安全な仕事を求めて組織化し、特に安全衛生委員会を設置し、苦労して得た成果を現実のものとしている。

UNIは、4月28日の国際労働災害犠牲者追悼日(労働安全衛生世界デー)に、職場で命を落とした人々を追悼し、負傷した人々を見舞うとともに、仕事における被害を防止するための取組みをさらに強化していく。安全衛生委員会は、危険な労働環境に対する第一の防衛線である。

安全衛生委員会は、パンデミック以降、かつてなく重要性を増している。パンデミックのピークが過ぎ去ったとはいえ、個人用保護具の不足、第三者による暴力の増加、長時間労働、過酷な労働ペース、労働者のメンタルヘルスへの負荷の増大は、根深く深刻な問題となっている。

しかし、労働者は反撃に転じおり、労働組合を通じ、自らの仕事をより安全なものにしようと取組んでいる。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「生活費の危機は、ストライキや職場での行動に拍車をかけたが、それと同じくらい重要なのは、パンデミックが安全衛生をめぐる組織化を再活性化させたことだ」と述べ、「職場でウイルスに感染したために、数え切れないほどの労働者が死亡し、また長期に及ぶ影響を受けたりしている。しかし、労働者が直面している深刻なリスクはOCVID-19だけではない。労働者は、より少ない時間と賃金で、より高い生産性を求める使用者によって、限界まで追い込まれている。このような厳しい状況は、労働者の身体に負担をかけるとともに、精神衛生もむしばんでいる」と指摘した。そして、「我々が世界中の労働組合とともに、仕事をより安全なものにし、安全衛生委員会を強化するために立ち上がっているのは、そのためだ。仕事は尊厳とエンパワーメントの源であるべきで、被害や病気、死をもたらすものであってはならない。負傷者も死亡者も、たった一人であっても、望ましくない」と語気を強めた。

昨年UNIは、アウトソーシング顧客サービス大手のテレパフォーマンスと画期的なグローバル枠組み協定に合意した。この協定には、職場で働く労働者とリモートワーカーの双方の従業員の問題に対処する、選挙で選ばれた組合の安全衛生委員会の設立が含まれている。また、安全衛生委員に対する研修や、職場のあらゆる危険を特定し改善するためのプロセスも規定されている。

また協定では、心理社会的リスクに対処するため、業務上の監視について「業務上の必要性に応じて」、「労働者のプライバシー権を尊重する」として、これを制限している。テレパフォーマンスは、カメラやAIモニタリングなどの監視ツールを会社がどのように使用するか、また、そのデータをどのように実績評価に使用するかについて、労働者に通知することになっている。

UNIは、より安全な仕事とより強力な組合のために組織化能力を高めている世界中の加盟組織とともに歩んできた。例えば、ネパールのUniPHINに支援を行ってきたが、安全衛生委員会が病院労働者の組織化において重要な役割を果たすようになっている。UniPHINは、パンデミックのピーク時である2021年に、労働者の安全衛生に関する研修を開始した。この研修を通じて、組合は安全衛生委員会を創設し、労働者は個人防護具、メンタルヘルス支援、休暇を得られるようになった。

オルグも務めるプラティマ・バッタUniPHIN財務部長は、「多くの労働者にとって、UniPHINは希望の源であり、困難な時期にも新しい組合員を組織することができた」と述べる。

ペルーのトトゥス・ハイパーマーケット労組は、2016年から同社の従業員に対し、自らの安全衛生代表を選ぶ権利について教育するキャンペーンを行ってきた。その結果、会社側からの干渉にもかかわらず、組合代表が安全衛生委員会に十分に参画できるようになった。同労組は、労働安全衛生の課題をめぐって労働者の訓練と組織化に投資したことで、負傷者が減少し、また組合も強化された。

労働安全衛生の取組みによって刺激を受けた若い組合員が、全国のトトゥス店舗で座り込みを行い、組合の力が発揮された。新協約の交渉で会社に譲歩を迫った結果、大幅な賃上げが実現したのである。組合員が連帯し決意を示した結果、安全衛生委員会が労災を防ぐだけでなく、他の問題をめぐって組織化できるということを示したのである。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「労働安全衛生は基本的権利であるが、組合がなければ、労働者の権利が軽視されることを我々は目の当たりにしてきた。国際労働災害犠牲者追悼日にあたり、我々は世界中の組合と協力し、組織化を通じて安全な仕事を確保し、安全衛生委員会の重要性を強調したい」と力を込めた。

ITUCの国際労働災害犠牲者追悼日の資料はこちらから。


日本のUNI加盟組織、賃上げを要求し歴史的な動きを牽引

日本のUNI加盟組織が、4月の新年度を前に、予想を上回る賃上げ要求で国内のアナリストや観測筋を驚かせている。

毎年2月~3月にかけて行われる年次賃金交渉(「春闘」と呼ばれる)では、これまで日本の労働組合は控えめな賃金要求を選択していたため、今回の要求は波紋を広げている。

これまでの春闘は、1990年代後半の日本のデフレ経済に端を発したものである。2022年の世界的なインフレによって日本の消費者と家計がコスト増に見舞われるようになり、ここ最近の数か月まで、その傾向は続いていた。

日本では、コアインフレ率(食費を除く)は4%を超え、中央銀行の目標値を超え、41年ぶりの高水準に達している。この状況は多くの日本の労働者にとって、給与がインフレに追いつかない場合、実質賃金が目減りする危険性があることを意味する。

政府は、インフレに連動した賃上げを企業側に公然と求めており、国民感情も、家計が生活費の上昇を乗り切れるような措置を望んでいる。日本の労働組合、特に主要なサービス産業部門を抱えるUNI加盟組織は、30年近く続いた賃金の横ばいサイクルを断ち切るための機会と捉えている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、2月に開催された日本UNI加盟組織連絡協議会の年次総会で日本の加盟組織と会談し、春闘交渉を前にした前向きな姿勢に感銘を受け、次のように語った。「日本の加盟組織が力を示し、労働者の賃金・労働条件の歴史的な改善を実現するためのこの好機を捉えていることは非常に素晴らしい。特に、ここ数十年で日本が経験したことのない高い賃上げを率先して求めて闘った加盟組織を誇りに思う。」

日本の加盟組織はすでに成果を上げており、例えばUAゼンセンは過去10年で最大となる4.56%の賃上げを獲得した(3月16日時点)。多くの流通・サービス加盟組合の交渉が集中回答日に先行して要求のほぼ満額で妥結しており、全体の賃金闘争を牽引している。とりわけ短時間(パートタイム)組合員の処遇については、UNIがGFAを結んでいる髙島屋労組で5.64%、イオンリテールワーカーズユニオンでは7%、と高い水準での賃上げを達成し、雇用形態間格差是正の流れが加速している。

自動車総連も、組織化する製造部門において例年にない高水準での妥結が進んでおり、続いて販売部門も魅力向上と人材確保に向けて交渉を続けている。

JP労組は、正社員に関し、定期昇給と社員一人当たり4,800円のベースアップを勝ち取った。なお、ベースアップは新卒初任賃金・若年層の賃金改善に傾斜配分し、これにより初任賃金は1万円以上改善となる。一時金年間は4.3月。また、全社員に、特別一時金70,000円の回答を引き出した。


インフレ時の団体交渉:労働組合の対応

UNI欧州の新たな調査報告、『すべてが上がる – 欧州の団体協約における自動賃上げ』は、高いインフレ率の時代に、労働組合がどのように交渉するかについて、焦点を当てるものだ。

欧州では2021年以降、生活費の急激な高騰に見舞われている。COVID-19パンデミックによるサプライチェーンの混乱、ウクライナ紛争後のエネルギー価格の上昇、企業収益の増加などが原因となり、インフレ率は多くの地域で2桁に達した。こうした状況が労働者の購買力に大きな影響を及ぼしているため、団体交渉の主要なテーマとなっている。

従来、労働組合は定率の賃上げを交渉の対象としている。しかし、予測不可能な高インフレの時代には、このアプローチは困難に直面する。解決策の1つとして、インフレ率に連動した(半)自動賃上げの実施が考えられる。このような方式は、「賃金の物価スライド」または「生活費調整(COLA)」と呼ばれる。

団体協約にこうした条項を盛り込むことで、将来のインフレ率に合わせて賃金が調整され、実質的な賃金保障と名目的な柔軟性がもたらされる。高インフレ下でも、労働者の購買力は保証される。同時に、交渉当事者は、交渉期間中に賃金がどれだけ上昇するか正確に知ることはできない。インフレ率が高い時期には、概して賃金の物価スライドやCOLA条項が好まれる。

報告書ではまず、多くの国で現在、労働組合がこうした条項を導入していることを紹介している。同時に、賃金をインフレに連動させる範囲と方法の両方において、かなりの多様性がみられる。だが、賃金連動方式は以前考えられていたよりも広範囲に普及している一方で、社会パートナーが団体協約にこのような条項を盛り込むことに反対している多くの国々では、依然としてこの方式は存在しない。

本報告書は、高インフレの影響と闘う上で、団体交渉がどのように貢献しうるのか、具体な事例を示すことで労働組合を支援することを目的としている。
報告書(英文)は、こちらから


UNI、反ファシズムの労働組合ネットワークに参加

UNIとUNI欧州が、反ファシズム労働組合の国際ネットワークのマニフェストに署名した。マニフェストは、集団的な行動を通じて、社会正義の推進、人権の擁護、民主主義の強化に取組むものだ。

近年、世界各地で、強権化、反対派の弾圧、民主主義制度の弱体化を目論む指導者を擁する、危険な権威主義体制の台頭が憂慮されている。また欧州では、極右グループややファシスト組織の脅威が高まっており、暴力やヘイトスピーチを用いて過激な主張を推進するグループもある。

ネットワークは、イタリア労働総同盟(CGIL)が、ファシストによるローマ本部への襲撃事件から1年を機に発足させたものだ。民主主義の擁護、人権の促進、あらゆる形態の人種主義、性差別、差別との闘いに取組んでいく。ネットワークの参加組織は、極右イデオロギーの拡散に対する連携した対応と、民主的価値を保護する必要性を強調している。

ローマでネットワークの結成に参加したオリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「労働組合は民主主義の拠り所だ。ファシストが組合運動を嫌うのは、そのためだ。排除を説き、最も弱い立場の者を責め立てようとする者は、働く人々の間に分断の種をまこうとするものであり、我々の友人ではない。彼らは、排除と不平等を生み出している真の責任者から、人々の注意をそらそうとしている。我々の答えは、常に民主主義を支持し強化するということだ。職場における民主主義と社会における民主主義は、同じコインの表裏の関係にある。団体交渉はポピュリズムに対する解毒剤だ」と訴えた。

UNI 欧州は昨年、「民主主義の支持と強化」をテーマに、欧州の組合が一堂に会する会議を開催し、職場やそれ以外の場所でこの目標に向かってどのように取組んでいるか、意見交換を行った。


UNI、国際家事労働者連盟のエリザベス・タン書記長に全面的に連帯

UNIは、国際家事労働者連盟(IDWF)および世界の労働組合運動の仲間とともに、優れた組合指導者であるエリザベス・タンIDWF書記長の状況を、憂慮しつつ注視している。同書記長は、2023年3月9日、「国家の安全を脅かす」との嫌疑で香港の警察当局に逮捕され、現在は保釈中で進展を待っている。

UNIと同書記長の協力関係は、彼女が香港労働組合連盟を率い、そのエネルギッシュで若いチームが、警備員や清掃員の労働基準を引き上げる世界的なキャンペーンを積極的に支持していた20年近く前まで遡る。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、タン書記長について、「献身的な労働組合活動家であり、極めて誠実な人柄。幸運にも2000年代にタン書記長と密接に仕事をすることができたが、彼女は常に、取り残されて『見えなくされている』弱い立場の労働者に、とりわけ焦点をあててきた。彼女のアプローチは一貫して、より恵まれた環境にいる労働者だけでなく、すべての労働者の賃金と条件を引き上げなければならないというものであり、UNIの全幅の信頼を得てきた」と語った。

UNIは、世界で最も強い信念を持つ優れた労働組合活動家の女性の一人であるタン書記長に、全面的に連帯を表明する。

タン書記長は、UNIと世界中の2000万人の組合員の全面的な支持を受けている。我々は、この状況の前向きな解決と、世界中の労働者の権利促進に向けて、共に取組みを続けていく機会を待ち望んでいる。


労働組合は、アルゴリズムについて交渉が必要

テクノロジーの発展は、我々の生活にますます強い影響を及ぼしており、それは仕事も例外ではない。正しく使えば、より効率的で魅力的な仕事につながるが、非常に多くの場合、テクノロジーによって仕事は単調で負担の大きいものになり、強い統制下に置かれている。スウェーデンでは、商業労組のHandelsが「Human-machine work」と題した報告書を発表し、新しいテクノロジー、特にアルゴリズムに基づくテクノロジーを職場でどのように導入するかを決定する際に、従業員を参加させることの重要性を明らかにしている。

この報告書には、倉庫の労働者を対象としたアンケート調査の結果が含まれており、それによると、労働者の大半は、アルゴリズム、ロボット、組み立てラインが作業を制御・監視するデジタルシステムを使用の中で働いている。システムがうまく機能すれば、従業員はスキルアップしてより高度な仕事をこなし、デジタルシステムと共に仕事を管理することができるが、うまく機能しない場合、従業員は人権侵害的な監視にさらされ、人間的な行動や思考の余地はほとんど残されていない。

問題は、新しいテクノロジーが導入される際に、従業員のニーズやスキルが必ずしも考慮されないことだ。その結果、従業員と企業の双方に利益をもたらすのでなく、労働環境が悪化してしまうのである。職場で定期的な能力開発の機会を得ている従業員はわずか17%で、10人中8人は新たな業務を遂行するための能力開発を望んでいる。

リンダ・パルメッツホーファーHandels委員長は、報告書の著者と共著の意見記事の中で「労働環境に影響を与える他の条件について交渉したいのと同様に、我々は職場のアルゴリズムやハイテクシステムについても交渉したいのだ」と、述べている。

Handelsの報告書は、職場におけるテクノロジーの発展が従業員に利益をもたらすようにするためのいくつかの方策を提案している。一点目は、アルゴリズムで管理されたシステムの導入や使用方法について、従業員に影響力を持たせるため、アルゴリズムについて交渉することだ。二つ目に、新しいシステムが導入される際には、従業員の知識と経験が活用されるようにしなければならない。そして最後に、従業員は、職場で新しいテクノロジーを使うためのスキルアップの機会を得るべきである。

同委員長は、「新しいテクノロジーは、より良い、より魅力的な仕事をもたらしうる。だが、その場合、従業員はテクノロジーが開発される時に、それがどのように使用されるかについて、関与していかなければならない」と指摘した。

Handelsによる報告書『Human-machine work』は、結びとして、職場におけるテクノロジーの発展から従業員がどのように恩恵を受けることができるかについて、洞察を示している。アルゴリズムの交渉、従業員の知識や経験の活用、スキルアップ機会の提供は、より良い職場環境へ向けた、重要なステップだ。


共に立ち上がろう!Rising Together!~第24回UNI-LCJ年次総会、記念講演、レセプション~

2023年2月17日、第24回UNI-LCJ年次総会が東京で開催された。コロナ禍により、昨年および一昨年は、会場出席者を制限したハイブリッド開催であったが、今会は3年ぶりの対面開催となった。各加盟組織より運営委員および総会代議員、オブザーバー等約60人が出席した。2022年度活動報告、会計報告の承認に続き、2023年度活動計画および予算が承認された。また今次年次総会では、2023~2027年度UNI-LCJアクションプランが採択された。

年次総会後に開催した記念講演には、UNI本部からクリスティ・ホフマンUNI書記長、UNI Aproからラジェンドラ・アチャリャ地域書記長が来賓として出席した。4年ぶりの来日となったホフマンUNI書記長は、他の友誼団体からの参加者を含めた約90人を前に、今年8月に開催される第6回UNI世界大会に向けた講演を行った。

ホフマンUNI書記長は、UNI世界大会の舞台となる米国・フィラデルフィアの歴史や、米国の労働運動が直面する課題、またUNI世界大会の動議案の概要を解説した。「これら動議は、今後の私たちUNIの活動の方向性をしっかり示すものだ。UNIの各部会はそれぞれ加盟組合の強化・育成に取組んでおり、社会的・経済的意義に対する責任をもって活動している。強い部会や地域組織なくしてUNIの成功はありえない」と熱く語り、日本の加盟組織が各部会や地域活動に多く関わり貢献していることに感謝の意を表した。

質疑応答のセッションでは、中山敬裕労済労連副中央執行委員長(UNI-LCJ運営委員)、大窄新二印刷労連中央書記長、山下茂美日放労中央執行委員(UNI-LCJ運営委員)より、以下質問があった。

Q:今年のダボス会議の印象や、会議でUNIとして訴えてきたことは何か。

A:印象的だったのは、出席していた企業代表や労働大臣が、団体交渉を通じた労働協約の重要性を訴えていたことだ。労働者に対して有効的な関係が築けていることが背景にあるからだと思うが、以前の会議とは違い、様々な姿勢や雰囲気を感じ、今年の会議は非常に特別なものになった。また、AIについての可能性が議論されたので、この会議に出席していた他のGUFやITUC代表と共に「AIが職場に及ぼす影響やAIの導入方法などの議論は、労働者の意見を聞きながら進めてもらいたい」と訴えてきた。以前と比べ、より多くの企業が労働組合にアプローチをかけてきており、労働組合と向き合う姿勢を強く感じるので、労働組合がまさにつかむべきチャンスであると考えている。

Q:人権デューデリジェンスに関して:

  • UNIが行っている投資家への働きかけの内容とは?
  • UNIが推進しているGFA(グローバル枠組み協定)は、人権デューデリジェンスを推進するのに効果的なスキームであると思うが、国連グローバルコンパクトやOECDガイドライン等と比べた違いは何か

A:投資家は、人権デューデリジェンスを遵守していない企業には投資してはならないというルールがある。具体的には投資家たちに悪質企業があるなど情報提供をしている。現在300の企業があり、場合によってはその投資家を集めて、問題になっている企業に対して行動をとることもある。具体的には、例えば介護分野においては、約4兆ドルを管理するアセットマネージャーに情報提供して取り組んでいる。また、テレパフォーマンス社においては、株価が大幅に下落したことがあったが、4年間働きかけをしてきた結果、今は助言や情報提供依頼を求められている。

 GFAには、労働者の基本的権利の尊重等の原則について関する協定であり、最も重要なのは、モニタリングと対話が組み込まれていることだ。世界中で遵守されるべきと考える。国連グローバルコンパクトは企業が一方的に宣言するもので、具体的にはモニタリングが確立されておらず、結社の自由の補償についての具体的な措置が盛り込まれていない。企業に責任を負わすことができず、現実価値のないものと考える。OECDガイドラインは、1~2年かけて紛争を解決していく場合には有効なツールであると考える。しかし、日常的な問題には実践的ではなくGFAの方が優れている。ただUNIは他の枠組みで上手く解決しない時には、このガイドラインを活用することがあり、バックアップとして有効であると考えている。

Q:リモートワークについて、日本では厚生労働省によるガイドラインはあるが法的拘束力はない。欧州は法整備が進んでいると聞くが、状況を教えてほしい。

A:欧州が進んでいるのは、コロナ禍前に「つながらない権利」についての法整備が確立していたためである。現在は、使用者側が労働者に行う監視カメラをどう制限していくかが、大きな課題となっている。監視カメラがオンでないと賃金を払わない使用者もいる。欧州では、このような行為は違法である法律で定められている。

「リモートワークの主要原則」を1年前に発表したが、リモートワークに関する労働協約を蓄積してまとめてあり、データベースはいつでも閲覧できる。例えば、イタリアの金融労組は、長期間交渉したリモートワークに関する労働協約を策定しており、このデータも閲覧することができるので、参考にしていただきたい。

レセプションでは、富田望厚生労働省大臣官房総括審議官(国際担当)から来賓挨拶を、また清水秀行連合事務局長、郷野晶子ITUC会長、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長から連帯挨拶を受けた。


ロシアのウクライナ侵攻から一年、UNIは難民支援を継続

ウクライナでの戦争開始から1年、UNIは、ユニオン・ヘルプ・レフュジーズ(UHR)プログラムを通じ、ポーランドに到着したウクライナ難民への支援を行ってきた。ワルシャワのUNI COZZ組織化センターが2022年3月に開始したこのプログラムは、はじめにヘルプラインを設置し、これまでに数千件の相談を受け、200件以上の労働者に対する搾取事案に対応してきした。

このチームは、労働者が怪我の補償や未払い賃金を獲得し、不当解雇と闘い、書面による雇用契約を確保するのを支援するだけでなく、難民が住む場所を見つけ、滞在を合法化し、権利を有する給付を受け取ることも、サポートしてきた。

UHRを通じて、難民はポーランドで活動する他の政府機関やNGOが提供する340以上の様々な種類の支援の窓口にアクセスすることができ、またすべての資料は母国語に翻訳されてきた。またUHRは、難民支援に携わる主なNGOと提携し、救済と法的支援を提供してきた。

UHRの教育プログラムは、難民として、また労働者としての権利を行使する方法について、特定の問題に関する実践的なアドバイスや、より高度な法的情報を人々に提供している。またUHRは、難民や労働者としての権利、労働組合加入によるメリットについて、短い動画や情報画像を定期的に作成し、UHRのFacebookやInstagramといったソーシャルメディアで共有している。

UHRは、難民をポーランドの労働組合に繋ぐだけでなく、今なおウクライナで働く組合員を対象に、オンラインおよび対面での組織化訓練も実施している。

ラファル・トマシアクCOZZ事務局長は、「国際連帯のおかげで、UHRのUNIチームは、何百人もの難民(そのほとんどが女性)が仕事を見つけ、搾取と戦い、不透明な状況にあっても生活を営むために自身の権利を学べるよう、支援することができている。我々は、この血なまぐさい戦争の罪なき犠牲者である難民のために最善を尽くし続け、また一年が過ぎてしまう前に、平和が訪れることを願っている」と語った。


トルコの人々と共に

2023年2月6日未明に発生したマグニチュード7.7の壊滅的な地震を受け、UNIは 150か国の加盟組織を代表し、 トルコの人々への連帯を表明し、被災されたすべての方々に心を寄せています。

多数の人命が失われたことを悼み、負傷したり住居を失ったりした多くの人々に、心よりお見舞いを申し上げます。また、トルコの労働組合運動が迅速に対応し、必要な人々に援助や避難所を提供し、今なお瓦礫の中に残っている人々を救出するため、緊急の国際支援を求めていることを誇りに思います。

私たちは共に、復興に取組んでいきます。


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