4月 2026のお知らせ

日本でカスハラ対策の新法を支援する措置

日本政府は、2026年10月に施行予定の新法を支援するため、使用者が顧客によるハラスメント(カスハラ)を防止・対応するための指針を発表した。この法律は、UNI加盟組織であり、日本で最大の小売・サービス業の労働組合であるUAゼンセンが主導し、10年近くにわたる粘り強い運動の末に成立したものである。

法律を実践へ

2026年2月に発表されたこの指針は、法的義務を具体的な対策へと落とし込んだものである。これに基づき、使用者には以下が求められる:

  • カスハラ防止方針の従業員や顧客への明確な周知
  • 苦情や問い合わせ窓口の設置、適切に対応できる体制の整備
  • 事案について迅速かつ適切な対応
  • 社会的に許容される規範を超えた行動の特定と対処

重要な点として、この措置では「許容できない顧客の行動」とは具体的にどのようなものかを例示しており、使用者と労働者の双方に明確な指針を提供している。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、「UAゼンセンは、不断の取組みと継続的な提言活動を通じて達成できることを示してきた。長年にわたり根拠を積み上げ、労働者の実体験を可視化し、政府が行動せざるを得なくなるまで圧力をかけ続けた」と称賛し、「現場の第一線で働く小売業の労働者にとって、この成果は確かなもの。ハラスメントは決して仕事の一部ではないということ、そして使用者と政府には労働者を保護する責任があるという明確なメッセージを発している」と述べた。

「お客様は神様」から労働者保護へ

この新しい指針は、日本の職場文化における大きな転換の末に策定された。何十年もの間、「お客様は神様」という深く根付いた考え方が、労働者を理不尽な苦情、虐待、さらには暴力(一般にカスハラと呼ばれるもの)―にさらし続けてきた。

UAゼンセンは2017年に悪質クレーム対策運動を通じて、こうした職場文化への異議申し立てを開始し、小売業の労働者が直面するあらゆる形態の暴力やハラスメントに対処するよう、その活動を着実に拡大させてきた。労働組合の取組みとして始まったこの活動は、まもなく全国的な運動へと発展した。

初期の政治的機運

このキャンペーンは、政界でもすぐに支持を集めた。2018年、UAゼンセン政治顧問を務める田村まみ参議院議員は、カスタマーハラスメントに対する保護を強化するよう国会に働きかけた。この提言は重要な成果をもたらした。すなわち、「カスタマーハラスメントに対する企業の対策の推進」が、「70年ぶりの労働改革」とも称される「働き方改革関連法案」の付帯決議に盛り込まれたのである。

パンデミックによる圧力が行動を加速

新型コロナウイルスのパンデミックは、この問題を浮き彫りにし、さらに深刻化させた。顧客からの圧力が高まる中、現場の労働者に対する暴力やハラスメントの報告が急増した。

これを受けてUAゼンセンは2020年12月、80名以上の国会議員を含む200名以上の参加者を集める集会を開催した。このイベントは決定的な転機となり、厚生労働省はカスタマーハラスメント対策への資金拠出を約束し、2021年に1,700万円の予算を計上したほか、ガイドライン策定、研修、啓発活動のためにさらに3,000万円を割り当てた。

枠組みの構築:指針と地方条例

2022年までに厚生労働省は、カスタマーハラスメントを定義し、その実態を概説するとともに、企業に向けた8つの主要な対策を推奨する初の全国的な指針を発表した。これらは地方自治体の取り組みによって補完された。

秋田県は、多様性に満ちた社会づくり基本条例において顧客によるハラスメントを差別の一形態として認定することで、いち早く主導的な役割を果たした。だが新たな基準を打ち立てたのは東京都である。2025年4月、「カスタマーハラスメント防止条例」が施行された。これは同種の法令としては初の試みである。同条例は、行政、使用者、労働者、顧客それぞれの責任を明確に定義し、企業に対して具体的な予防措置を講じることを義務付けた。この東京都条例は波及効果をもたらし、北海道や群馬県など他の地域でも同様の規則が導入された。

そしてついに法律が制定

2025年4月に国民民主党は、立憲民主党と連携し、カスタマーハラスメント対策法案を参議院に提出した。この動きは2025年6月、国会が労働施策総合推進法の改正案を可決したことで頂点に達し、同法は2026年10月に施行されることとなった。カスタマーハラスメントは、初めて「社会的に許容される限度を超える」行為として、国の法律で正式に定義されたのである。同法は、以下の通りそれぞれに明確な責任を定めた:

  • 政府は啓発活動を主導し、実施にむけた指針を策定しなければならない
  • 使用者はハラスメントを防止し、研修を実施し、苦情処理体制を整備することが求められる
  • 労働者は職場全体で敬意ある行動を促進しなければならない
  • 顧客は責任ある行動をとり、労働者の就業環境を損なわないよう、必要な配慮をすることが期待される

UAゼンセン:キャンペーンから変革へ

継続的な提言活動による意識啓発や世論形成から、立法や政策設計への影響力行使に至るまで、この変革のあらゆる段階において中心的な役割を果たしてきたUAゼンセンは、新法とガイドラインを歓迎しつつも、その実施が鍵となると強調しており、以下を求めている:

  • 企業別労組と使用者間の対話の強化
  • 指針の継続的な改善
  • 労働当局による監督の強化
  • 警察などの機関との連携
  • 顧客を対象とした啓発キャンペーンの拡大

小売業労働者にとっての新時代

日本における「カスハラ」への取り組みは、今や新たな段階に入っている。国レベルの法整備、詳細な指針、そして地方レベルでの執行体制の強化により、日本は顧客による暴力やハラスメントに対処するための、世界でも最も包括的な枠組みの一つを構築しつつある。


韓国のメディア労働者、放送の独立性回復を求めて集会を開催

韓国のUNI加盟組織である全国メディア労組(NUMW)が、韓国の主要放送局の労働者を代表する40の労働組合のメンバーと共に、2026年3月27日に集会を開催し、放送メディア・通信委員会(BMCC)の即時発足を求めた。

NUMWは、政治権力と放送ガバナンスの間に独立した緩衝機関として機能するため、2025年9月に成立した法律に基づくBMCCの設立を完了するよう、国会に繰り返し求めてきた。しかし、国会は法律成立後、委員の指名に関する採決を少なくとも6ヶ月間先送りしていた。 この集会は、NUMWによる数ヶ月にわたるキャンペーンに続くものであった。

イ・ホーチャンNUMW委員長は、この不作為が業界全体に直接的な影響を及ぼしていると指摘し、「ジャーナリズムの正常化がこれ以上遅れることは容認できない。韓国放送後者(KBS)理事会の再編期限はすでに過ぎている。改正放送法で義務付けられている委員長指名委員会の設置と運営も、BMCCの設立が長期化しているため、未だに保留されたままだ」と苦言を呈した。

韓国の主要放送局は公的・民間の所有形態が混在しており、メディア労働者は政治的介入やガバナンスをめぐる紛争の影響に直面してきた。

主に受信料で運営される国営放送局のKBSでは、改正放送法で義務付けられた制作自主権に関する合意が未だ履行されていない。

かつて政府系資本が大きな割合を占めていたケーブルニュースチャンネルのYTNは、ユン・ソンニョル前大統領の政権下でユージングループへの株式譲渡が行われたことを受け、物議を醸した。労働組合はこの所有権の変更に反対し、編集の独立性や主要な人事任命プロセスを守るための安全策が弱体化するとの懸念を表明している。

TBS(交通放送)は最も深刻な状況に直面している。2024年1月にソウル特別市が資金提供を打ち切った後、同局は未払いの放送料や賃金未払いなど、深刻な財政難に陥っている。労働組合は資金提供の再開と労働者の復帰を求めている。運営上の重要な決定は、依然としてBMCCの設立に依存している。

継続的な圧力は成果を出し始めている。2026年3月31日、政府はついにBMCC理事7名のうち6名の指名を発表し、同委員会の活動を開始させた。新たに発足したBMCCは、改正放送法の施行規則の改正、ユージングループのYTN主要株主資格を無効とした裁判所の判決に伴う措置、TBSテレビの復旧など、いくつかの優先課題に取組むもことが期待されている。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、NUMWとその組合員への連帯を表明し、次のように述べた。「BMCCが形になりつつあることは前向きな一歩だ。しかし、韓国のメディア労働者は依然として困難な状況に直面している。メディア労働者が干渉を受けることなく業務を遂行できるよう、公共放送の独立性を守るための体制を今こそ完全に整備しなければならない。自由で独立したメディアは民主主義社会の柱です。それを支える労働者の安定と保護は当然の権利だ」


UNI欧州商業部会の報告書―ジェンダー不平等の構造が浮き彫りに

欧州全域において、女性は小売・卸売業の労働力の3分の2近くを占め、その中核を担っている。だがこの数字の裏には、女性の働きが正当に評価されていないという現実がある。根強い不平等、限られたキャリアアップの機会、そして急速に変化する業界におけるリスクの増大である。

同時に、この業界は大きな変革の真っ只中にある。デジタル化、Eコマース、環境に配慮した移行が、雇用と労働条件の両方を再構築しているが、多くの場合、保護措置は十分に講じられていない。

こうした変化をより深く理解するため、UNI欧州商業部会は、「商業部門におけるジェンダー不平等を理解する」と題する新たな報告書の作成を委託した。本報告書は、低賃金・パートタイム職から、管理職や技術職における女性の過小代表に至るまで、商業部門におけるジェンダー不平等の構造的要因を深く掘り下げている。

またこの報告書は、見過ごされがちな問題、すなわち小売現場の労働者がジェンダーに基づく暴力やハラスメントに広くさらされている実態にも光を当てている。報告書は、ジェンダーに配慮したアプローチがなければ、これらの変化が既存の不平等をさらに深刻化させるリスクがあると結論付けている。

本調査は、EUが共同出資するプロジェクト『Improving working conditions through gender perspective in commerce(ジェンダー枠組みを通じた商業部門における労働条件の改善、I’M Pinc)』の枠組みの中で実施された。同プロジェクトは、重要な研究の空白を埋め、労働組合がこれらの変化に効果的に対応するために必要なツールを提供することを目的としており、商業の未来が革新的であるだけでなく、公正なものとなるようにすることを目指している。多言語版報告書はこちらから。


韓国金融産業労組、週4.5日勤務制の導入を改めて要請

韓国金融産業労組(KFIU)は、金融業界における労働時間短縮のためのより強固な政策的基盤を求め、週4.5日勤務制の導入に向けた取組みを改めて推進し、その運動を立法の場に持ち込んだ。

2026年3月17日、ユン・ソクグKFIU委員長をはじめとする組合幹部は、国会で開かれた政策討論会に参加し、議員に対して週4.5日勤務の導入を支援する法案の提出を呼びかけた。この会合は、首都圏公共サービス労組の第3期執行部の発足式と併せて開催され、公共サービス部門の労組が一堂に会し、共通の労働政策課題を推進する場となった。

KFIUの主張は、労働者の福祉に基づいている。金融労働者は日常的に感情労働やストレスにさらされており、ワークライフバランスの回復が単なる職場の問題ではなく、より広範な社会的必要性であるとしている。

イ・ホソンKFIU戦略部長は「ワークライフバランスが崩れている構造を変えなければ、いかなる社会問題も解決できない。労働時間の短縮は、単に労働条件を改善するだけでなく、少子高齢化から若年層の失業に至るまで、我々の社会が抱える構造的危機を解決するための核心的な政策である」と力説した。

同労組は、ある衝撃的な指標を指摘している。韓国の主要銀行の従業員に生まれた子供の数は、2014年の2,688人から2023年には996人へと63%減少し、全国平均の減少率を上回っている。同労組は第一歩として金曜日の早退制度をすでに試験導入しているが、政府の指針や法的根拠がないことを理由に、使用者側は依然として消極的であると指摘している。

この新たな動きは、2025年9月のKFIUによるゼネストに続くものである。同ゼネストでは、約2万2,000人の組合員がソウルに集結し、実質賃金の引き上げ、定年年齢の引き上げ、雇用の拡大といった要求に加え、「週4.5日勤務制」を主要な要求として掲げた。

この呼びかけは、重要な時期に発せられた。アジア各地では、進行中のイラン情勢とそれに伴う世界的な石油供給の混乱に対応するため、一時的な措置として週労働時間の短縮を導入している政府もある。フィリピンやタイなどは、公務員を対象に週4日勤務制に移行した国の一つである。


データが示す、欧州の印刷・製紙業界における安全衛生

UNI 欧州印刷・パッケージング部会が発表した新しい報告書は、労働災害に関する統計をまとめ、印刷・製紙業界のすべての労働者を保護するための対策を提示している。

• 欧州内の南北格差は依然として存在しており、南欧および東欧諸国ではより高い事故率を記録している。
• データによると、2018年から2024年にかけて全体的な改善傾向が見られる。
• 労働者保護について著しい格差は依然として残っており、水準の向上に向けた結束は、欧州全体で共通の優先課題とすべき。

安全が依然として重要な産業
危険な産業と聞いて、印刷、出版、製紙業界はすぐに思い浮かぶものではないだろう。だが欧州全域でこうした産業に雇用されている数十万人の労働者にとって、職場の安全は日々の現実だ。毎年、印刷産業では数千人の労働者が業務中に負傷している。

UNI 欧州印刷・パッケージング部会は、ユーロ圏統計局(Eurostat)公式データおよびベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、イタリア、ポーランド、スロベニア、スペイン、スウェーデンの10カ国の国内統計を活用し、2018~2024年までの期間を対象に、これらの産業における労災統計について、これまでで最も包括的な国際比較データをまとめた。

データによって明らかになったこと
報告書は、業務上の非致死事故および致死事故を分析し、事故の絶対数と、労働者数を考慮した発生率の両方を検証している。この二重のアプローチは極めて重要であり、これによって同産業における雇用水準が大きく異なる国々の間でも、有意義な比較が可能になる。

特に注目すべき点は地理的要因だ。スウェーデン、デンマーク、ドイツなどの国々は一貫して低い発生率を維持しており、これはより強固な安全文化、より堅牢な規制枠組み、そしてより高いレベルの労働者代表性を反映している。対照的に、南欧および東欧では、法執行能力、職場の組織体制、社会対話における構造的な違いに起因して、より困難な状況に直面している国が複数ある。

なぜこれが重要なのか、そして何を変える必要があるのか
統計の背後に存在するのは、誰かの同僚、親、あるいは友人である労働者だ。本報告書の目的は、単に問題を記録することではなく、行動を起こす必要性を訴えることにある。UNI 欧州印刷・パッケージング部会は、同部門の社会対話プロセスの一環として、使用者、政策立案者、欧州機関と今回の分析を共有しており、明確なメッセージを発している。すなわち、安全基準の向上に向けた結束は、決して任意の選択肢ではないということだ。

またこのデータは、最も成果を挙げている国々が示しているように、より良い成果は実現可能である。必要なのは、政治的意志、労働監督のための十分な資源、安全管理への労働者の実質的な参画、そしてすべての人の安全基準を引き上げる欧州の枠組みだ。印刷・製紙業界の労働者は、もっと良い環境が与えられるべきなのだ。

「欧州印刷・パッケージング部会における2018–2024年の労働災害統計」報告書はこちらから。報告書には、調査結果の要約と政策提言が記載されている。


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