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アマゾン第2本社のニューヨーク進出計画断念に対する組合の反応

アマゾンは、ニューヨーク市クィーンズ区ロングアイランドシティに第2本社を建築する計画を撤回したと伝えられた。ニューヨークに誘致するためアマゾンに30億ドルの税優遇措置がオファーされたことが引き金となり、地元の議員、労働組合、活動家グループ等が抗議行動を続けた結果、アマゾンは計画を撤退した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「アマゾンは、過去2年間、利益をあげているにもかかわらず税金を払っていない。そして職場から労働組合を追い出すことを公言している。このような会社に優遇措置を与えることに反対の意を示した、ニューヨークのコミュニティグループや組合に敬意を表したい」と述べた。昨年、アマゾンの収益は倍増したにもかかわらず、連邦政府から税還付を受けた。これには怒りしか覚えない。ニューヨークの、そして世界中の組合は、アマゾンが、コミュニティや労働者からの正当な要求から逃げるのではなく、団体交渉に応じることを望んでいる。」

米国のRWDSU(小売・卸売・百貨店労組)とチームスター労組は、アマゾンに「ニューヨーク市から逃げることができても、労働者に対する責任からは逃れられない」と述べた。

スチュワート・アッペルバウムRWDSU委員長(UNI世界商業部会議長)は、「多くのニューヨーカーが懸念する問題に対応するどころか、アマゾンは“勝手にしろ、ニューヨーカーの懸念など構わない”とさえ言い放った。責任ある企業が取る態度ではない」と避難した。ニューヨーカーは、労働者やコミュニティを尊重しないアマゾンを歓迎しない、とはっきり示した。

世界の他の組合からも支援と連帯のメッセージが寄せられた。「強欲な企業に対する大きな勝利だ。」「アマゾンに対する勝利は、労働運動全体及び労働者にとっての勝利だ。」

世界中の労働組合は、アマゾンに責任を果たさせるため団結している。過去5年間、UNIは、世界中でアマゾン労働者を組織する、または代表する組合を束ねるUNIアマゾン労組同盟を指揮してきた。

 


UNI Apro/JP労組共同英語セミナー開催

2019年1月26~27日、東京でUNI Apro/JP労組共同英語セミナーが開催された。全国から集まったJP労組の29人の若手組合役員、組合員が、台湾、マレーシア、スリランカの郵便労組からリソースパーソンと共に、UNIを通じた国際連帯活動、そして各国の郵便事業や組合活動を学んだ。

開会挨拶で三村寿宏JP労組組織局次長は、本セミナーが長崎で開催されたUNI世界大会のフォローアップとして始まり、これまで約200人が本セミナーに参加してきたことに触れた。「英語力の向上や、海外の郵便事業や労組の活動を学び、JP労組の国際労働運動のこれまでの成果と今後の方向性を考える機会となっている。皆さんも今セミナーで学んだことを活かし、是非組合活動の活性化や豊富化に尽力していただきたい。」と参加者を激励した。

今回、海外の郵便労組から3人のリソースパーソン(講師)を招いた。台湾のリンCPWU国際処処長は、CPWUとJP労組の長年にわたる交流関係や、台湾の若い世代が直面する低賃金、長時間労働、高齢化社会などを報告した。マレーシアのムハンマド・ニザム・ハジルUPCW書記次長は、マレーシアの郵政事業は現在、物流への強化のみならず、金の売買等、事業の多角化経営も積極的に行っていることに触れ、「労組は伝統的な郵便サービスからニューエコノミーへと移行する際の課題にも対応していく」と述べた。スリランカのウデシカ・リヤナゲSLPTSU中央執行委員は、2018年にUNIに新規加盟したSLPTSUの組織や課題について触れ、特に青年の教育不足、組合活動へ政治が介入してくる現状、そして新しい技術やデジタル化に対応するニーズが高まっていることを説明した。 大崎佳奈子UNI Apro郵便・ロジスティクス部会担当部長は、UNIの成り立ちや組織化、能力開発のためのセミナー等の活動を紹介し、加盟組織がお互いに強くなり、国際連帯を進めていく重要性を訴えた。

参加者は4つのグループに分かれ、定年制度や組合の意義について考えるグループワークに取り組み、その議論内容を、寸劇やフリップを作成するなどわかりやすく工夫して、グループ毎に発表した。 また、2018年6月のUNI世界大会に参加した久保田昭子JP労組東京地本支部執行委員と、同年11月のUNI Apro青年大会に出席した岸野剛JP労組北陸地方本部ユースネットワーク常任幹事、金城尚紘JP労組沖縄地方本部組合員から、UNI活動を通じて得た海外の労働組合との共通課題が報告され、学んだ内容を全体で共有した。

最後に八木和子JP労組国際部長は、「2日間のセミナーで、グループが協力し、海外講師とともに英語を通して組合活動を学ぶことができた。組合のことばで『仲間の皆さん』を英語で表現すると『ブラザーズ・アンド・シスターズ』となるが、このセミナーで知り合った仲間とのネットワークを大切にし、春闘や各種の取り組み強化など今後の活動に是非活かしてほしい」と期待を寄せた。


組合のメッセージ、ダボスで声高らかに

2019年1月22~25日、世界経済フォーラム(WEF、通称ダボス会議)がスイス・ダボスで開催され、クリスティ・ホフマンUNI書記長は、他の組合リーダーと共に、「組合はWEFに強力に関わり続けていく」というメッセージを発信し続けた。

今年のダボス会議のテーマは、「グローバリゼーション4.0」。UNIからの重要なメッセージは、「グローバリゼーション4.0は、社会契約に沿ったものであるべきだ」。労働者と民主主義のための「社会契約4.0」である。ダボス会議に合わせたかのように、ILO仕事の未来世界委員会報告が発表された。その中でも、新たな労働の未来の問題に対処するために、社会契約の再活性化が必要だ、としている。

組合にとって、社会契約の重要な要素は、全ての人のための生活賃金及び社会的保護、仕事の形態に関わらずあらゆる労働者の労働基本権を普遍的に保障すること、生涯学習の権利、団体交渉の強化、企業の説明責任等である。

WEFは年次リスク報告の中で、多国間国際機関が、欧米に蔓延する国粋主義的政権やポピュリスト政権により、危機にさらされるリスクを強調した。この懸念は多くのセッションで繰り返された。CNNのリチャード・クェスト氏から受けたインタビューに、ホフマン書記長は「労働者への富の配分が減り続ける限り、全ての民主的な組織は脅威にさらされる」と答えた。ガーディアン(英紙)のラリー・エリオット氏には、「労働者は、グローバル化はエリートのためのもの、ダボス会議もエリートのためのものだと思っている。経済のグローバル化を望むなら、企業のためだけのものであってはならない」と語った。

この何年か、ダボスの主要な話題は、格差の拡大であった。今年もなんら変わりなかった。ガーディアンには、「聞こえの良い言葉ばかり並んでいるが、行動の兆しはほとんどない。犠牲の感覚が全くない。富をひとつのポケットから別のところへ移さなければならない」と語った。

ホフマン書記長は、「富豪に課税するという新たな政策と合わせて、強力な団体交渉ができなければ、格差を無くすことはできない」と強調した。

デア・シュピーゲル(独誌)とのインタビューには、「デジタル化によって、アマゾン創業者ジェフ・ベゾスのような人々の富が莫大になった一方で、2017年、西欧の実質賃金は伸びていない」と語った。

ダボスで様々なマスコミからインタビューを受けたホフマン書記長は、新しい労働の世界へと公正な移行を実現するためには、交渉の役割が重要だと繰り返した。「私たちは、新たな技術の利活用について、デジタル技術によって加速された非現実的なスケジュールについて、過度な監視について、その他多くの問題について交渉することができる。労働者に発言権がなければ、これらの技術の活用に抵抗する。私たちは、新たな技術を恐れているわけではないが、安全で公平な環境で使われなければならない。交渉こそ様々な手段の中心だ。」

スキルの向上は、ダボスのもう1つの大きなテーマであった。あらゆる産業において、社長達は、デジタル技術を利用した既存の労働者のスキル向上へのコミットメントを表明した。今後も仕事はなくならず、むしろ新しく創出される仕事の数の方が多いだろうという楽観的な感覚が広がっていた。同時に、この移行期に失職する労働者もいるだろうとの認識もあった。ガイ・ライダーILO事務局長も参加していたパネルディスカッションで、ホフマンUNI書記長は、「このような労働者が新しい仕事に公正な移行を遂げるために、政府は、理想的には新たな三者システムを通して、スキル向上を強化する必要がある」と訴えた。

シャラン・バロウITCU書記長は、組合リーダー達のダボスでの経験を総括し、「ビジネス界は、2つの陣営に分かれている」とツィートした。すなわち、組合と協力し、新たな社会契約を通して、地球を救い、格差をなくすためにルールを変えていこうとする企業がある一方、人々のことではなく利益のみ考える企業もある。ホフマン書記長は、最近UNIとグローバル枠組み協定を締結したウニクレディト(伊銀行)のように自社の労働者に責任を示す企業と協力し、アマゾンのような無責任な企業に責任を問い続けていくUNIの意志を繰り返した。

 


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