ブログアーカイブ

グローバル・ユニオン、イスラエルで働く20万人以上のパレスチナ人労働者の賃金回復を求めてILOに提訴

国際労働機関(ILO)の賃金保護条約について明確な違反があったとして、世界160カ国以上、2億700万人の労働者を代表する10のグローバル・ユニオンが、イスラエル政府を提訴した。この訴状は、イスラエルで雇用されている20万人以上のパレスチナ人労働者の賃金未払いなどの状況を是正・救済するイスラエル当局の義務を強調している。

こうした状況は、司法の救済を受けることができないパレスチナ労働者にとって、多額の収入減、深刻な経済的な不安と困窮、基本的サービスの剥奪、影響を受けた労働者とその家族に広範な苦難をもたらしている。

 ILO憲章第24条に基づいて2024年9月27日に提出されたこの共同提訴は、2023年10月7日のハマスによる攻撃当時、イスラエルで公式または非公式に雇用されていたヨルダン川西岸とガザの20万人以上のパレスチナ人労働者が直面している搾取的な状況を詳述している。こうした労働者は、労働許可証の停止と一方的な契約打ち切りにより、広範に賃金が未払いとなっている。

グローバル・ユニオンの訴えは、ガザとヨルダン川西岸で働く20万人以上の労働者が、10月7日以前に完了した労務に対する賃金を支払われておらず、それ以降も賃金を受け取っていないことを示す証拠に基づいている。ILOの推計によると、正規の労働許可証に基づいてイスラエルで雇用されたパレスチナ人労働者の平均日給は297.30シェケル(79米ドル)だった。原告の推定によると、インフォーマル経済で働く労働者の平均週給は2,100~2,600シェケル(565~700米ドル)であった。1年以上にわたり、パレスチナ人労働者は未払賃金を回収することも、返済義務を清算することもできないでいる。

訴状には、アルファベット順に、国際建設林業労働組合連盟 (BWI)、 教育インターナショナル (EI); インダストリオール・グローバルユニオン、国際ジャーナリスト連盟(IFJ)、国際労働組合総連合(ITUC)、国際運輸労連(ITF)、国際食品関連産業労働組合連合会(IUF)、国際公務労連(PSI)、OECD労働組合諮問委員会(TUAC)、UNIグローバルユニオンの各組織が署名した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は「ガザでの残忍な戦争とヨルダン川西岸での暴力の増加に加え、パレスチナの移民労働者は働く能力を奪われ、正当に得た数百万ドルの賃金を奪われている。イスラエル政府が賃金保護に関するILO条約第95号に違反したことで、何十万もの家族が、その多くがすでに不安定な状況に直面しているにもかかわらず、経済的荒廃の瀬戸際に立たされている。この深刻な不公正は、特に戦争・紛争時における国際条約の必要性と、イスラエル国家がILO加盟国としての約束を守る必要性を浮き彫りにしている」と語気を強める。

ルーク・トライアングルITUC書記長は、「今年初めにヨルダン川西岸地区を訪問した際、イスラエルで雇用されているパレスチナ人労働者の家族が経験している経済的困窮を目の当たりにした。今も、働く人々は紛争が続く中で最悪の事態に耐えている。この提訴を通じて我々は、生活苦にあえぐ労働者が切実に求めている未払いの賃金が支払われるようにしたい」と述べた。

アンベト・ユソンBWI書記長は、 「国際法は明確であり、いかなる危機も、戦争でさえも、労働者の労働権の停止や正義の否定を正当化することはできない。パレスチナの労働者の多くはイスラエ ルの建設部門で雇用されており、未払い賃金を受け取る権利がある。我々は、正当な報酬を拒否された何十万人ものパレスチナ人労働者に正義がもたらされ、停戦が実現するまで到底納得できない」とコメントした。

ステファン・コットンITF書記長は、「イスラエルによるヨルダン川西岸地区とガザ地区の不法占拠は、数十年にわたりパレスチナ経済を分裂させ、イスラエルの労働市場への過度の依存を引き起こしてきた。イスラエルで働くパレスチナ人が突然失業し、数十万人が貧困にあえいでいる。イスラエルは国際的な法的義務を遵守し、これらの労働者が賃金を受け取れるようにしなければならない。我々が永続的な和平に向けて努力する中で、イスラエルはパレスチナ人労働者に対する労働市場の再開も検討すべきだ」と主張した。

ダニエル・ベルトッサ PSI書記長は、「賃金未払いは、占領下のパレスチナ労働者が直面している最新の不当な屈辱だ。現在のガザへの砲撃と同様、この状況に正当性はない。これはパレスチナ人民に対する集団的懲罰である」と非難した。

デビッド・エドワーズEI書記長は、「我々は、パレスチナの労働者と揺るぎない連帯を築き、イスラエ ルに対し、国際法上の義務を履行し、支払うべき賃金が支払われるよう求める。さらに、ガザとヨルダン川西岸地区の教師は、2023年11月以降、給与が支払われておらず、壊滅的で非人道的な状況にもかかわらず、生徒のために教壇に立ち続けている。世界中の教育関係者は改めて、即時かつ永続的な停戦、人道援助の安全な受け入れ、すべての人質の無条件解放、パレスチナ人の権利承認、教師と生徒の安全な聖域としての学校の保護を求めていく」と述べた。

アトレ・ホーイ・インダストリオール書記長は「これは重要なILO条約に対する大規模な違反だ。20万人の労働者に賃金が支払われていない状況は、どのような形であれ許されることではない。だからこそ我々はITUCや他のGUFとともに、この提訴を行う」と、述べた。 


OECD技術フォーラムでホフマンUNI書記長「我々の望む未来を形づくるために今、行動を」

OECDの技術フォーラムで、クリスティ・ホフマンUNI書記長が発言した。労働者、労働組合、公正な経済の擁護者は、将来AIの恩恵が広く共有されるよう、いま行動しなければならないと訴え、「歴史と自身の経験の両方を踏まえ、テクノロジーの影響は、労働者がその使用について発言権を持つかどうか、規制や社会環境にかかっている」と指摘した。

パネル討議『Looking Back to Look Forward』(未来を見据えて、過去を振り返る)には、他にアーメド・N・タンタウィ・エジプト通信情報技術省上級顧問、ウェンデル・ウォラック・カーネギー国際問題倫理評議会「AIと平等イニシアチブ」共同ディレクターが参加し、司会はベン・ブレイク・ドイツ連邦デジタル・運輸省デジタル・データ政策局長が務めた。

ホフマンUNI書記長はパネルの中で、まずラッダイト運動を例に挙げて発言した。一般的には進歩の敵として理解されているラッダイト運動だが、実際には機械織機による代替から地域社会の仕事を守ることを目的とした大衆運動であった。この運動が成功しなかった理由の大部分は、労働者が政治的・組織的な力を持っていなかったからである。指導者たちは処刑され、地域社会は荒廃した。賃金は1世紀以上にわたり経済成長に遅れをとった。

しかし1980年代にホフマンUNI書記長自身が働いていた、組織化された工場に数値制御の機械が導入されたとき、同氏の経験はまったく違うものだった。

同書記長は当時を振り返り、「同僚はほとんど男性ばかりで、その多くは仕事のスキルが落ちることを恐れていましたが、私自身は肉体労働から解放されてとても嬉しかった。(…中略…)当時この技術は、今日ではほとんど存在しない状況の中で導入された。特に、UNIが代表する多くの部門を含め、AIの影響を最も受けそうな労働者にとって、状況はこれと同じではではない。私には組合があり、安全性に対するリスク、雇用保障への影響、OJTの必要性などについて交渉することができた。新しい機械が仕事を自動化するわけではないので、機械によって雇用が代替されることへの不安はなかった。機械は私の能力を高めてくれるものであり、生産性が上がれば、同僚や私の賃金も上がる。つまりこの技術をうまく導入させるたくさんの理由があり、実際、私は交渉委員会のメンバーに選ばれ、1982年に初めて新技術条項について交渉を行った。(…中略…)今日、どこの国の労働者もAIに取って代わられるのではないかと恐れている。使用者がAIによって生産性が大幅に向上すると公然と喧伝しているからだ。そして、ほとんどの労働者は集団で声を上げることができないでいる」と指摘した。

そして次のように続けた。
「労働者や社会全体は、長い目で見ればテクノロジーから常に恩恵を受けていると言われている。しかし我々は、長い道のりは実に長く、その過程で計り知れない苦しみや技術の誤用が生じ、深く取り返しのつかない損害をもたらす可能性があることを知っている。だが、苦難は避けられないものではない。我々は、労働者の尊厳とまっとうな生活を可能にする共有の利益を最大化するよう、技術の使用を形作っていくことができる。(…中略…)つまり、自動化するのではなく、我々は人間の能力を増大させるテクノロジーを支持しなければならないということだ。 AIに取って代わられる仕事にかわる、新たな仕事を生み出すテクノロジーだ。これは、資本所得に対する税金などによって賄われる賃金補助のような直接的介入を含め、多くの方法で実行可能だ。我々は、企業が労働者をリスキリングまたはスキルアップするためのインセンティブを提供しなければならないのであり、そうすることで、雇用を維持するインセンティブを高めることができる。(…中略…)例えば、共同決定や部門別交渉を通じて、団体交渉の障壁を下げ、テクノロジーの導入前に労働者代表との協議を義務付けるなど、組合結成を促進する労働政策が必要だ。これによって組合は、メンタルヘルスを含む安全衛生をめぐる交渉や、一部の業務が廃止されても他の業務を追加できるような職務の再編成、生産性向上による利益の公正な配分を交渉することができるようになる。我々は短期的な変化を過大評価しているが、職場における長期的な影響や、我々が何もしなければ富と権力のシフトが起こることを過小評価している。だから、5年後であろうと25年後であろうと、我々が望む経済社会を構築するために、我々は今、未来を形作るための取組みを始めなければならない」


AIが雇用に与える影響について議論-UNI米州とチリのメディア部会加盟組織

2024年9月4日、チリで開催された国際セミナー『人工知能と雇用への影響、公正な技術移行』の中で、人工知能(AI)が雇用に与える影響について議論が交わされた。さまざまな部門の労働組合が結集したこのイベントには、チリのジャンネット・ハラ労働・社会福祉大臣、マルシオ・モンザネUNI米州地域書記長を含む数名の講演者、産官学の専門家が参加した。

全国テレビ局労働者連盟(FETRA TV)のロレーナ・カストロ会長が強調したように、チリの労働運動は、AIがもたらす労働力への新たな機会と脅威に関する議論をリードしている。

同会長は「労働者は、新たなテクノロジーやAIがもたらす近代化に反対しているわけではないが、雇用を保護し、ディーセントで尊厳ある仕事を守る公正な技術移行を要求していかなければならない」と述べた。

モンザネUNI米州地域書記長は、2023年にフィラデルフィアで開催されたUNI世界大会にて承認された動議の1つが、公正な技術移行とデジタル変革を推進し、すべての人が利益を共有できるようにする必要性を強調している点を指摘した。そして、AIが雇用に与える影響や関連するリスク、倫理的配慮に対応する規制を各国が制定することの重要性を強調し、「デジタル技術とAIの使用と影響について議論するため、企業や組織内の交渉の席に労働者が座ることを求めていく」と語った。

同様に、ルシア・リンドナーUNI米州メディア部会担当部長は、基本的労働権と労働条件を保護するための公共政策と規制法の緊急の必要性を強調した。

『人工知能: 我々はどこにいるのか、どこへ向かうのか、そしてどのように雇用を保護するのか』と題されたパネルでは、元チリ上院議員で「未来議会」の創設者、「未来の出遭い財団」副代表であるギド・ジラルディ氏や、チリ教皇庁カトリック大学の脳神経科学者で国立人工知能センター(CENIA)の研究員であるアレクサンドラ・ガルシア博士など、国内外の専門家が参加した。

るヨハネス・ストゥディンガーUNI世界メディア部会担当局長は、AIに直面する舞台裏で働く労働者の組合結成やエンターテインメント部門の労働者の組織化に関連する経験や、米国のIATSEが主導する団体交渉のプロセスについて共有した。

セミナーでは、AIや新たなテクノロジーの公正で安全かつ透明性のある利用、法的規制、脳神経関連権の保護、雇用の擁護、労働者の参画による公正な技術移行の促進など、いくつかの重要なテーマが取り上げられた。このイベントは、FETRA TV、UNI米州、Unidad por Trabajo Digno(=ディーセントワークのための団結)、およびチリ国営テレビ労働者を代表する第2組合が主催した。


UNI、イスラエルのゼネストを支持

ガザで拘束されている人質を解放する取引に向けてイスラエル政府を動かすことを期待し、イスラエル労働総同盟(ヒスタドルート)がイスラエル経済を停止させるゼネストを呼びかけた。UNIはこの動きを歓迎する。

2024年9月2日のストライキ発表の中で、ヒスタドルートのアーノン・バー=ダビッド議長は、「一般市民は無関心でいることなく、街頭に出よう」と呼びかけた。そして「これは右か左かの問題ではなく、生と死の問題だ。治安当局の責任者全員がこの取り決めを支持しており、人質を帰国させるのは政府の責任だ。我々の子どもたちが、狭い思考や利害のために帰国しないということは到底ありえない」と付言した。

また、国中の労働者を襲っている経済危機の拡大に警鐘を鳴らし、「インフレが止まらない。イスラエル中央銀行はシェケル安を警告している。イスラエルの信用格付けがマイナスの見通しで下がっている。来年度予算についての協議がいまだに始まっていない。赤字が深刻化している。連立政権がそれのさらなる拡大を要求している。こうした憂慮すべきシグナルがすでに出ているのだ」と訴えた。

UNIはこの危機が始まって以来、ガザでの戦争を終結させ、パレスチナ人の主権と自決も保証する公正で持続可能な和平への第一歩として、停戦と全人質の即時無条件解放を要求してきた。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「全国的なストライキを呼びかけることで、ヒスタドルートの組合とイスラエルの労働者は非常に大きな重要な一歩を踏み出した。もうたくさんだ。停戦はもうずっと長いこと求められてきた。ネタニヤフ首相には、イスラエルの労働者の声に耳を傾け、いまだ拘束されている人質の家族の声に耳を傾け、国際社会の声に耳を傾け、合意に達するよう強く求める」と語気を強めた。


バングラデシュ情勢に関するUNI声明

UNIはバングラデシュで展開されている状況について警戒と懸念を強め注視している。我々は加盟組織と連絡を取り合い、労働者と家族の安全と幸せを最優先事項としている。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は「変革を求める人々の正当な声に対する前政権の残忍な対応を非難する」とし、「何百人ものデモ参加者が暴力によって死亡したことについて、その責任者が責任を問われることを求める。遺族に正義の裁きが下るよう、殺害に対する完全かつ独立した調査が行われなければならない」と語気を強める。

国際的な人権・労働基準に基づき、バングラデシュ国民の市民的自由を十分に尊重した上で、平和的デモ参加者の保護と安全が保証されなければならない。

アルケ・べシガーUNI副書記長は、「使用者は労働者に対する責任を果たす必要がある。 給与が支払われ、職場への往復という現実的な問題を含め、労働者の健康と安全が守られなければならない」とコメントし、「今は非常に憂慮すべき時だが、労働者の権利が守られ、労働組合が尊重される未来のバングラデシュには希望がある。我々は引き続き加盟組織に支援・連帯し、バングラデシュの平和で民主的な、より良い未来を築くための取組みにおいて、加盟組織と協力していく」と述べた。

UNIは、バングラデシュで新政府を樹立する人々に対し、労働組合との積極的な関与を求める。必要な改革と再建のプロセスにおいて、労働組合の声は極めて重要である。


広島を忘れない:核兵器のない世界を

広島への原爆投下から世界が79年を迎える今週、UNIは1945年に失われた14万人の命に思いをはせ、放射線と心的外傷の永続的な影響について考える。

世界情勢が不安定化する中、 UNIは、核兵器のない世界を実現するための新たな取組みを呼びかけている。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は「我々は、この厳粛な原爆の日に、命を落とした人々や永続的な苦しみを被った人々を追悼する。このような兵器が二度と使われることのないようにしなければならない」と述べ、「特にウクライナやガザでの戦争によって、世界が混乱と核の脅威に直面する中、平和と世界中の核兵器の廃絶を求める声は、これまで以上に緊急性を増している」と指摘した。

UNIは、核兵器の存在が人権と相容れないことを強調し、核兵器廃絶を長年にわたって提唱してきた。核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のメンバーとして、UNIは世界レベルの軍縮を支持し続けている。

アチャリャ地域書記長は、「我々の地域、そして世界中の安全で民主的な未来には平和が必要であり、それは核兵器の脅威によって損なわれている」と付言し、「この一週間は、追悼し、振り返り、そして被爆した家族に連帯する時だ」と訴えた。

UNI世界大会が2010年に長崎で開催されて以来、UNIは長崎市や国際平和運動との結びつきを強め、核兵器のない未来の必要性を強調してきた。


ITUC グローバル権利指数:攻撃に晒される民主的価値と労働者の権利

2024年6月に発表されたITUCのグローバル権利指数は、民主的価値と基本的権利が国際レベルで崩壊しつつあることに、緊急の警鐘を鳴らしている。

この報告書は、ILO条約や法理論から抽出された労働者の権利尊重に関する97の指標リストに対して、151か国をランク付けしている。今年版は、労働組合を組織する権利や団体交渉を行う権利など、民主主義の本質を支える基本的権利について、政府や企業が踏みにじろうとする動きが強まっていることを示している。

ルーク・トライアングルITUC書記長は、「この11年間、この指数は世界のあらゆる地域で労働者の権利が急速に低下していることを明らかにしてきた。労働者は民主主義の心臓部であり、労働者が声をあげる権利は、民主主義制度の健全性と持続可能性にとって極めて重要である。労働者の権利が侵害されれば、民主主義そのものが攻撃されているということだ。民主主義、労働組合、労働者の権利は一体であり、どれか一つでも欠けたら、他方は成立しない」と危機感を表明した。

主な調査結果は以下の通り:
●言論および集会の自由は43%の国で制限されている。
●74%の国が労働組合の登録を妨げている。
●74か国で労働者が拘束・逮捕された。
●ストライキ権は87%の国で侵害された。
●75%の国で労働者は労働組合を結成したり、加入したりする権利を否定された。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「この新しいグローバル権利指数は、労働者の権利尊重に関して、我々が前進しているのではなく、むしろ逆であることを示している。これらの権利はますます損なわれ、完全に見捨てられてすらいる。あまりにも多くの国が、団結権について口先だけ甘いことを言っているが、権利を守るために何も実行していない。労働者が直面する問題は、常態化した組合潰しから暴力、さらには労働組合員の殺害まで多岐にわたる。これは世界的な恥辱であり、企業の自主的な社会的責任プログラムやチャリティが意味をなさないことを示している。グローバルなルールが必要なのだ」と語気を強めた。


国際舞台演劇映画組合、ハリウッドのプロデューサーと新たな暫定協約

UNI加盟組織である国際舞台従業員組合(IATSE)が、全米映画テレビ製作者同盟(AMPTP)との間で暫定協約に合意した。今後、正式に締結される新協約には、人工知能に関する新たな保護措置や賃上げが含まれている。

暫定基本協約は、現行の協約が7月31日に期限切れを迎える約1カ月前に合意に至った。基本合意には、3年間で7%、4%、3.5%の賃上げが盛り込まれている。労働者は、長時間労働や週労働に対する時間外手当の増額の恩恵を受ける。

今回の協約の注目すべき点は、生成AIが雇用や雇用の質に及ぼす潜在的な悪影響に対処する点である。新たな条項には、あらゆる職種の組合員を雇用喪失から保護する文言が含まれる。

また暫定合意は、映画産業年金と健康保険における大きな資金格差に取組んでいる。この制度は、完全にフリーランスの労働者が、安全で持続可能な財源のある医療・年金保護を受けられるようにするものである。年金制度の資金繰りを安定させるため、使用者は追加の支払いを行う。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、交渉の努力と成果を称え、「賃金と労働条件の改善、人工知能の影響に対する組合員の雇用の大幅な保護を保証するIATSEのこの暫定合意に拍手を送りたい。生成AIが業界で普及するなか、この合意は世界中の娯楽産業に関わる労組の模範となるものだ」とコメントしている。

暫定合意の要旨は間もなく発表され、詳細を確認するための地方ごとの会議と複数地方でのウェビナーが予定されている。


欧州:視聴覚部門における多様で包摂的な職場の推進に向けて

2024年4 月30日、欧州の労働組合と使用者が、ドイツ・ベルリンで視聴覚部門のインクルージョン(包摂性)に関する円卓会議を開催した。この円卓会議は、EUが資金提供する2年間のプロジェクトの一環であり、多様性強化策を実施する視聴覚部門の能力向上を目的としている。

今回の会議は、2023~2024年にかけて開催された4回シリーズの最終回である。すでに実施された3回では、概念と定義、そしてダイバーシティ・モニタリング・ツールについて検討した。また、インターセクショナリティ、DEI(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)戦略、この部門に参入する上で必要な学び、スクリーン上の多様性についても議論された。

好事例
最初のパネルディスカッションでは、欧州の専門家が、優れた実践例と業界変革へのコミットメントを共有した。スペインの視聴覚メディアにおける多様性のための研究所、フランスのCollectif 50/50、ドイツの公共放送WDR、アイルランドのScreen Producersが議論に参加し、多様性強化策のさまざまな重要な側面、すなわち、障がいのある専門職やトランスジェンダーの代表性、多様性のあるニュースルーム、ステレオタイプ的な描写に対抗する必要性、多様な背景を持つ専門職のデータベースとメンタリング・プログラムの影響などを取り上げた。

第2部では、ドイツの状況に焦点が当てられた。Die Neuen deutschen Medienmacher*innen、ARD/ Degeto Film GmbH、Themis Vertrauensstelle e.V.といったメディア部門の主要組織が参加し、新たなプロトコルや働き方を採用する際に直面しがちな課題について、具体的なツールや変革のプロセスが積極的に議論された。

Produktionsallianzのビョルン・ボーニングCEOは、「ダイバーシティとインクルージョンを推進するには、差別と闘うだけでなく、他の手段も必要だ」と述べ、ダイバーシティを推進する「永続的なプロセス」の必要性を強調した。マティアス・フォン・フィンテルver.diメディア・ジャーナリズム・映画部門担当部長は、「我々は皆、よりオープンな制作と職場環境に貢献したいと考えています。(中略)視点の変化によってもたらされる、真の変化が必要」と述べた。

次なるステップは?
欧州社会パートナーは間もなく、視聴覚部門における多様性と包摂性に関する欧州行動枠組みの交渉段階に入る。その目的は、共通の目標と目的を設定し、多様性政策を実施・促進する業界の能力を向上させるための勧告を提出することである。

2024年11月19日にブリュッセルで会議が予定されており、プロジェクトをまとめ、交渉の現状が報告される。

EUが共同設立したこのプロジェクトは、視聴覚部門における欧州社会対話委員会を構成するすべての社会パートナーの共同イニシアティブである。参加しているのは以下の組織: 欧州放送連合(EBU)、欧州視聴覚制作協会(CEPI)、国際映画製作者連盟(FIAPF)、欧州ラジオ協会(AER)、欧州商業テレビ・ビデオオンデマンドサービス協会(ACT)、欧州ジャーナリスト連盟(EFJ)、国際俳優連盟(FIA)、国際音楽家連盟(FIM)、UNI欧州メディア部会。


UNI、フランスのメディア労働者のストライキに連帯

UNI世界メディア部会は、世界中のメディア産業で働く50万人の労働者を代表し、すべての公共視聴覚部門の企業を合併するというフランス政府案をめぐってストライキを準備するフランスの労働組合に連帯する。

フランスのUNI加盟組織であるCGT、FO、CFDTに加入する数千人の労働者が、2024年5月23日と24日に、フランスの公共放送機関である国立視聴覚研究所、フランス・メディアス・モンド、フランス・テレビジョン、ラジオ・フランス(合わせて約16,000人を雇用)でストライキを実施予定である。

フランス議会は、2025年初頭に持ち株会社を設立し、2026年1月1日にすべての公共メディアを1つの企業に統合できるようにする改革について議論している最中であり、今回の合同ストライキはこの計画案に反対して行われる。

過去数年間、フランスの歴代政権は公共放送部門を弱体化させてきた。2022年、フランスの労働組合はライセンス料廃止の政府計画に抗議したが、結局、代替財源の計画はないまま、ライセンス料は廃止された。

ヨハネス・ストゥディンガーUNI世界メディア部会担当局長は、「数度にわたるリストラと予算削減の結果、労働者はまたしても不安と雇用喪失に直面しているが、この新たな計画は、フランスの公共放送の財政的・編集的独立性をさらに損なう恐れがある。我々は、公共メディアを守るために闘うフランスの加盟組合に連帯する。独立した強力な公共放送を維持することは、私的所有権の集中が多様性を損ないかねないメディア状況において、すべての声がプラットフォームを確保するために極めて重要だ」とコメントした。

新しい持ち株会社の設立に伴い、既存の団体協約の再交渉が必要になる可能性があり、労働組合は、このような重要な変更に対して予定されている期限は急ぎすぎではないかと懸念している。

スト前夜に発表されたUNI世界メディア部会の連帯声明には、次のように記されている。

公共放送の弱体化は、多元的で多様、包摂的でオープンなメディア・エコシステムへのコミットメントを弱めることを意味する。公共空間を縮小し、主流派、時にはフェイクニュースや極端な言説の発展を支持する強力な多国籍企業に支配された世界において、公共放送は、我々の社会の多様性を反映する声、物語、テーマの表現のために、すべての市民がアクセスできる空間を保証する主体である。(…中略…)我々は、フランスの労働組合の要求を支持し、意思決定者に以下を要請する。
●公共放送に関するすべての持ち株および/または合併計画を撤回すること。
●公共放送サービスに持続可能かつダイナミックな資金を確保し、その独立性と多くの使命の遂行に必要な資源の両方を保証すること。
●いかなる展開においても、最低限の基礎として、従業員に対する従来の保障が継続されるようにすること。


uni logo
最近のコメント
    アーカイブ