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UNI、国際家事労働者連盟のエリザベス・タン書記長に全面的に連帯

UNIは、国際家事労働者連盟(IDWF)および世界の労働組合運動の仲間とともに、優れた組合指導者であるエリザベス・タンIDWF書記長の状況を、憂慮しつつ注視している。同書記長は、2023年3月9日、「国家の安全を脅かす」との嫌疑で香港の警察当局に逮捕され、現在は保釈中で進展を待っている。

UNIと同書記長の協力関係は、彼女が香港労働組合連盟を率い、そのエネルギッシュで若いチームが、警備員や清掃員の労働基準を引き上げる世界的なキャンペーンを積極的に支持していた20年近く前まで遡る。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、タン書記長について、「献身的な労働組合活動家であり、極めて誠実な人柄。幸運にも2000年代にタン書記長と密接に仕事をすることができたが、彼女は常に、取り残されて『見えなくされている』弱い立場の労働者に、とりわけ焦点をあててきた。彼女のアプローチは一貫して、より恵まれた環境にいる労働者だけでなく、すべての労働者の賃金と条件を引き上げなければならないというものであり、UNIの全幅の信頼を得てきた」と語った。

UNIは、世界で最も強い信念を持つ優れた労働組合活動家の女性の一人であるタン書記長に、全面的に連帯を表明する。

タン書記長は、UNIと世界中の2000万人の組合員の全面的な支持を受けている。我々は、この状況の前向きな解決と、世界中の労働者の権利促進に向けて、共に取組みを続けていく機会を待ち望んでいる。


解雇に抗してスト決行のグーグル労働者に連帯

2023年3月15日の午前中、スイス・チューリヒで約400~500人のグーグル労働者が、解雇された同僚のためにストを行い、抗議行動に参加した。同社は、前日の3月14日に解雇を発表していた。今回のストライキは、UNI加盟組織シンディコムのグーグル労働者が主催した。

労働者によると、解雇を回避するためのグーグル従業員の提案は広く支持されていたが、会社はこれを十分に検討しなかったという。従業員代表委員会は、解雇を回避するため、協議の過程でいくつかの選択肢を提示してきたが、会社側は、そのいずれも承認しなかった。例えば、チューリッヒのグーグル従業員2,500人は、労働時間を自主的に短縮することを希望していた。

今回のストに参加したグーグル従業員は、スイスをはじめ、世界中の解雇された労働者に連帯を示すとともに、不透明な手続きや、グーグルを所有するアルファベット社が、数十億ドル規模の利益を上げているにもかかわらず、社員の5%を解雇するという事実に憤慨している。同社は、解雇実施の経営上の必要性について、いまだ納得のいく説明をしていない。

シンディコムの助言を受けた従業員代表委員会は、現在、ソーシャルプランの延長を交渉するため、グーグルと協議中だ。このソーシャルプランには、影響を受ける従業員の数をさらに減らし、できるだけ早期に新たな雇用を確保するための具体的な措置が含まれていなければならない。

ベンジャミン・パートンUNI世界ICTS部会担当局長は、「グーグルは、労働者を不当かつ恣意的に扱う多くのテック企業の1つであり、今回の解雇は、世界中のテック労働者がなぜ組織化しているのかを示している。チューリッヒでは、労働者が一丸となり、実行可能な解雇の代替案を提示したが、聞き入れられなかった。我々は、今日ストに参加したシディコムの組合員、そして非情にも解雇されたグーグル労働者に連帯する。会社はもっとうまくやれるし、またそうすべきだ」と指摘した。


オーストリアのIT労働者、インフレ打破の賃上に成功

オーストリアの IT労組GPAが、ICT産業全体で大幅な賃上げを勝ち取った。

最も賃金水準の低い労働者は17%の賃上げ、部門別最低賃金を上回る賃金水準の労働者は7.7%の賃上げとなり、約65,000人の労働者が対象となる。協約は2月に締結されたが、2023年1月1日から遡及して適用される。

男女間の賃金格差を是正
この協約のもう一つの大きな改善点は、差別撤廃条項に関するものだ。以前は、使用者は最低賃金を超える賃金を受け取っている人のうち10%について、交渉による賃上を差し控える権利を持っており、そうした労働者の中には多くの女性が含まれていた。

GPAは、当該部門の労使協議会から提供された賃金データを分析し、こうした慣習がこの部門における著しい男女間賃金格差の原因となっていることを明らかにした。これを解消するために組合は、交渉による賃上げをすべての人に適用し、従来の差別的な慣行をなくすよう働きかけてきた。

これが決定打となり、マスコミの大きな注目を集めたが、報道によって使用者団体は守りの反応を示した。しかし、証拠に基づく強力な主張と明確なコミュニケーションにより、組合は非常に好意的な報道を獲得し、使用者側に世論の圧力をかけることができたのである。

バーバラ・タイバーGPA委員長は、「一般的に、IT企業の女性は男性より賃金が低いのであり、テック産業の女性にとって不利な環境が作り出されている。人手不足に陥っている今こそ、文化を変え、女性にとって魅力的な産業にする時だ」と訴えた。

強まる決意
IT 労働者は、自らの職業人生を形作る部門や会社の決定に関与することに、ますます強い関心を寄せており、この世界的な動きは、オーストリアでも影響を及ぼしている。交渉に先立ってGPAは、優先事項を決定するために労働者への調査を実施したが、非常に高い回答率となった。労使協議会の労働者代表と協力し、調査や部門のマッピングの実施も鍵となった。また、要求に対する団結の象徴として、第1回交渉の際に交渉担当者が着用したTシャツに、労働者代表全員が署名をした。

キャンペーン期間中、ソーシャルメディアでは、組合がリアルタイムでやりとりし、最新情報を受け取ったり、事務局に直接質問したりすることができたため、エンゲージメントも高まった。労働者は特に、意欲的で解決策に基づく提案によく反応を示しており、こうした積極的なやりとりは、多くの人々が参加した2回のデモに結実したのである。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「この素晴らしい協約は、前途を照らすものだ。交渉担当者が、労働者の強い支持を得ていることを確認できれば、強力な前進が可能であるということを、欧州全土で目の当たりにしている。今回、労働者は最初から、すべての段階において関与してきたことで、組合の要求を自分事として認識することができた。いざ要求を支える時がきたら、労働者はその呼びかけに応じる準備ができているのだ」と述べた。

オーストリアのIT部門には、2つの異なるタイプの使用者がいる。一方は、多国籍企業ATOSのような独立系企業で、多様な顧客を抱えている。他の27%はアウトソーシング/子会社で、他部門(通常は金融部門)の主要企業によって設立され、その企業へのサービス提供のみを目的として運営されている企業だ。例えば、ライファイゼンは、このような形で外部委託のIT企業を有している。こうして部門をマッピングすることで、GPAは使用者側の状況について洞察を得ることができただけでなく、労働者への対応に役立つ職場のダイナミクスを把握することができた。

UNI欧州は、欧州の組織化センターであるEPOCを通じて加盟組織と連携し、労働者参加と戦略的マッピングを組み合わせた戦略を構築し、団体交渉を強化している。GPAのIT部門は、2021年初頭からEPOCと連携してきた。


労働組合は、アルゴリズムについて交渉が必要

テクノロジーの発展は、我々の生活にますます強い影響を及ぼしており、それは仕事も例外ではない。正しく使えば、より効率的で魅力的な仕事につながるが、非常に多くの場合、テクノロジーによって仕事は単調で負担の大きいものになり、強い統制下に置かれている。スウェーデンでは、商業労組のHandelsが「Human-machine work」と題した報告書を発表し、新しいテクノロジー、特にアルゴリズムに基づくテクノロジーを職場でどのように導入するかを決定する際に、従業員を参加させることの重要性を明らかにしている。

この報告書には、倉庫の労働者を対象としたアンケート調査の結果が含まれており、それによると、労働者の大半は、アルゴリズム、ロボット、組み立てラインが作業を制御・監視するデジタルシステムを使用の中で働いている。システムがうまく機能すれば、従業員はスキルアップしてより高度な仕事をこなし、デジタルシステムと共に仕事を管理することができるが、うまく機能しない場合、従業員は人権侵害的な監視にさらされ、人間的な行動や思考の余地はほとんど残されていない。

問題は、新しいテクノロジーが導入される際に、従業員のニーズやスキルが必ずしも考慮されないことだ。その結果、従業員と企業の双方に利益をもたらすのでなく、労働環境が悪化してしまうのである。職場で定期的な能力開発の機会を得ている従業員はわずか17%で、10人中8人は新たな業務を遂行するための能力開発を望んでいる。

リンダ・パルメッツホーファーHandels委員長は、報告書の著者と共著の意見記事の中で「労働環境に影響を与える他の条件について交渉したいのと同様に、我々は職場のアルゴリズムやハイテクシステムについても交渉したいのだ」と、述べている。

Handelsの報告書は、職場におけるテクノロジーの発展が従業員に利益をもたらすようにするためのいくつかの方策を提案している。一点目は、アルゴリズムで管理されたシステムの導入や使用方法について、従業員に影響力を持たせるため、アルゴリズムについて交渉することだ。二つ目に、新しいシステムが導入される際には、従業員の知識と経験が活用されるようにしなければならない。そして最後に、従業員は、職場で新しいテクノロジーを使うためのスキルアップの機会を得るべきである。

同委員長は、「新しいテクノロジーは、より良い、より魅力的な仕事をもたらしうる。だが、その場合、従業員はテクノロジーが開発される時に、それがどのように使用されるかについて、関与していかなければならない」と指摘した。

Handelsによる報告書『Human-machine work』は、結びとして、職場におけるテクノロジーの発展から従業員がどのように恩恵を受けることができるかについて、洞察を示している。アルゴリズムの交渉、従業員の知識や経験の活用、スキルアップ機会の提供は、より良い職場環境へ向けた、重要なステップだ。


共に立ち上がろう!Rising Together!~第24回UNI-LCJ年次総会、記念講演、レセプション~

2023年2月17日、第24回UNI-LCJ年次総会が東京で開催された。コロナ禍により、昨年および一昨年は、会場出席者を制限したハイブリッド開催であったが、今会は3年ぶりの対面開催となった。各加盟組織より運営委員および総会代議員、オブザーバー等約60人が出席した。2022年度活動報告、会計報告の承認に続き、2023年度活動計画および予算が承認された。また今次年次総会では、2023~2027年度UNI-LCJアクションプランが採択された。

年次総会後に開催した記念講演には、UNI本部からクリスティ・ホフマンUNI書記長、UNI Aproからラジェンドラ・アチャリャ地域書記長が来賓として出席した。4年ぶりの来日となったホフマンUNI書記長は、他の友誼団体からの参加者を含めた約90人を前に、今年8月に開催される第6回UNI世界大会に向けた講演を行った。

ホフマンUNI書記長は、UNI世界大会の舞台となる米国・フィラデルフィアの歴史や、米国の労働運動が直面する課題、またUNI世界大会の動議案の概要を解説した。「これら動議は、今後の私たちUNIの活動の方向性をしっかり示すものだ。UNIの各部会はそれぞれ加盟組合の強化・育成に取組んでおり、社会的・経済的意義に対する責任をもって活動している。強い部会や地域組織なくしてUNIの成功はありえない」と熱く語り、日本の加盟組織が各部会や地域活動に多く関わり貢献していることに感謝の意を表した。

質疑応答のセッションでは、中山敬裕労済労連副中央執行委員長(UNI-LCJ運営委員)、大窄新二印刷労連中央書記長、山下茂美日放労中央執行委員(UNI-LCJ運営委員)より、以下質問があった。

Q:今年のダボス会議の印象や、会議でUNIとして訴えてきたことは何か。

A:印象的だったのは、出席していた企業代表や労働大臣が、団体交渉を通じた労働協約の重要性を訴えていたことだ。労働者に対して有効的な関係が築けていることが背景にあるからだと思うが、以前の会議とは違い、様々な姿勢や雰囲気を感じ、今年の会議は非常に特別なものになった。また、AIについての可能性が議論されたので、この会議に出席していた他のGUFやITUC代表と共に「AIが職場に及ぼす影響やAIの導入方法などの議論は、労働者の意見を聞きながら進めてもらいたい」と訴えてきた。以前と比べ、より多くの企業が労働組合にアプローチをかけてきており、労働組合と向き合う姿勢を強く感じるので、労働組合がまさにつかむべきチャンスであると考えている。

Q:人権デューデリジェンスに関して:

  • UNIが行っている投資家への働きかけの内容とは?
  • UNIが推進しているGFA(グローバル枠組み協定)は、人権デューデリジェンスを推進するのに効果的なスキームであると思うが、国連グローバルコンパクトやOECDガイドライン等と比べた違いは何か

A:投資家は、人権デューデリジェンスを遵守していない企業には投資してはならないというルールがある。具体的には投資家たちに悪質企業があるなど情報提供をしている。現在300の企業があり、場合によってはその投資家を集めて、問題になっている企業に対して行動をとることもある。具体的には、例えば介護分野においては、約4兆ドルを管理するアセットマネージャーに情報提供して取り組んでいる。また、テレパフォーマンス社においては、株価が大幅に下落したことがあったが、4年間働きかけをしてきた結果、今は助言や情報提供依頼を求められている。

 GFAには、労働者の基本的権利の尊重等の原則について関する協定であり、最も重要なのは、モニタリングと対話が組み込まれていることだ。世界中で遵守されるべきと考える。国連グローバルコンパクトは企業が一方的に宣言するもので、具体的にはモニタリングが確立されておらず、結社の自由の補償についての具体的な措置が盛り込まれていない。企業に責任を負わすことができず、現実価値のないものと考える。OECDガイドラインは、1~2年かけて紛争を解決していく場合には有効なツールであると考える。しかし、日常的な問題には実践的ではなくGFAの方が優れている。ただUNIは他の枠組みで上手く解決しない時には、このガイドラインを活用することがあり、バックアップとして有効であると考えている。

Q:リモートワークについて、日本では厚生労働省によるガイドラインはあるが法的拘束力はない。欧州は法整備が進んでいると聞くが、状況を教えてほしい。

A:欧州が進んでいるのは、コロナ禍前に「つながらない権利」についての法整備が確立していたためである。現在は、使用者側が労働者に行う監視カメラをどう制限していくかが、大きな課題となっている。監視カメラがオンでないと賃金を払わない使用者もいる。欧州では、このような行為は違法である法律で定められている。

「リモートワークの主要原則」を1年前に発表したが、リモートワークに関する労働協約を蓄積してまとめてあり、データベースはいつでも閲覧できる。例えば、イタリアの金融労組は、長期間交渉したリモートワークに関する労働協約を策定しており、このデータも閲覧することができるので、参考にしていただきたい。

レセプションでは、富田望厚生労働省大臣官房総括審議官(国際担当)から来賓挨拶を、また清水秀行連合事務局長、郷野晶子ITUC会長、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長から連帯挨拶を受けた。


スト継続中のモンテネグロのテレコム労働者に連帯支援を

モンテネグロにあるドイツテレコム子会社のツルノゴルスキ・テレコム(CT)の労働者は、3か月以上にわたってストライキを実施している。

ジェリコ・ブリッチCT労組委員長は、「CT経営陣は、我々の労働協約と法を破ったが、我々の意思まで砕くことはできない。組合を潰したいのだろうが、そうはさせない」と強固な意志を見せ、「我々は15年間、経営陣と交渉してきたが、今、CTとその親会社であるドイツテレコムは聞く耳を持たない。そのせいで、労働者の家族は苦しんでいる」と訴えた。

ストライキは2022年11月15日に始まり、それ以来、労働者は賃金を受け取っていない。 ある労働者は「我々の組合の存続を守るためにストを行っている」と語る。

モンテネグロの475人のCT従業員は、電話回線やインターネット回線の設置・修理を行う技術者が中心だ。彼らはパンデミックの間も、自国の回線を維持するために働き続けてきた。だがCTは、労働者の働きに対し、組合を潰し、雇用安定を守る労働協約の大部分を一方的に取り消すという仕打ちをしている。

ストに参加する労働者が求めるのは、以前の労働協約の雇用保護に戻すことと、30%の賃上げである。労働者は2008年以来、賃上げを受けていないが、この間にバルカン諸国のインフレ率は50%上昇し、労働者の実質賃金は切り下げられた。しかし、経営陣と株主は大きな利益を得ている。

CT労組によると、経営陣はそうして得た資金を使ってスト破りの要員を違法に雇用している。同社はまた、御用組合を設立するとともに、ストに参加した労働者には、法的に要求される社会給付を支払っていない。

さらに、経営陣は組合が会社敷地内に集まることを許可せず、組合から労働者への連絡手段も遮断している。CTによる組合潰しがあまりに過激になったため、組合はCT経営陣を刑事告発し、最高で1年の禁固刑が下る可能性がある。

ブリッチ同委員長は、「このような悲惨な状況だからこそ、我々は立ち上がった。裁判所に訴え、労働監督官を呼び、交渉の場にも出たが、今のところ会社は動かない。我々が経営側に求めるのは、交渉する意志と法律を遵守する意志だ」と述べ、「生活の維持と権利保護のために闘う我々に、国際的な連帯をお願いしたい」 と続けた。

UNIは、組合を守り、より良い労働条件を求めてストライキを決行する労働者たちの家族を支援するため、連帯基金を設立した。UNIはこの問題を、ドイツテレコムの一子会社における交渉の問題ではなく、業界の基準を維持・向上させるための闘いであると認識している。寄付の方法については、こちらをご覧ください。


ロシアのウクライナ侵攻から一年、UNIは難民支援を継続

ウクライナでの戦争開始から1年、UNIは、ユニオン・ヘルプ・レフュジーズ(UHR)プログラムを通じ、ポーランドに到着したウクライナ難民への支援を行ってきた。ワルシャワのUNI COZZ組織化センターが2022年3月に開始したこのプログラムは、はじめにヘルプラインを設置し、これまでに数千件の相談を受け、200件以上の労働者に対する搾取事案に対応してきした。

このチームは、労働者が怪我の補償や未払い賃金を獲得し、不当解雇と闘い、書面による雇用契約を確保するのを支援するだけでなく、難民が住む場所を見つけ、滞在を合法化し、権利を有する給付を受け取ることも、サポートしてきた。

UHRを通じて、難民はポーランドで活動する他の政府機関やNGOが提供する340以上の様々な種類の支援の窓口にアクセスすることができ、またすべての資料は母国語に翻訳されてきた。またUHRは、難民支援に携わる主なNGOと提携し、救済と法的支援を提供してきた。

UHRの教育プログラムは、難民として、また労働者としての権利を行使する方法について、特定の問題に関する実践的なアドバイスや、より高度な法的情報を人々に提供している。またUHRは、難民や労働者としての権利、労働組合加入によるメリットについて、短い動画や情報画像を定期的に作成し、UHRのFacebookやInstagramといったソーシャルメディアで共有している。

UHRは、難民をポーランドの労働組合に繋ぐだけでなく、今なおウクライナで働く組合員を対象に、オンラインおよび対面での組織化訓練も実施している。

ラファル・トマシアクCOZZ事務局長は、「国際連帯のおかげで、UHRのUNIチームは、何百人もの難民(そのほとんどが女性)が仕事を見つけ、搾取と戦い、不透明な状況にあっても生活を営むために自身の権利を学べるよう、支援することができている。我々は、この血なまぐさい戦争の罪なき犠牲者である難民のために最善を尽くし続け、また一年が過ぎてしまう前に、平和が訪れることを願っている」と語った。


UNI、マイクロソフトとアクティビジョンの合併が労働者に与える影響を考慮するよう、EUに要請

2023年2月下旬、欧州委員会は、懸案となっているマイクロソフトとアクティビジョン・ブリザード(ABK)の合併が競争に与える影響について、公聴会を開く予定だ。UNIは規制当局に対し、この合併が消費者だけでなく労働市場に与える影響についても考慮するよう、要請している。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「欧州委員会が、この合併による消費者への影響について注目していることは承知しているが、労働者にとってより公正なビデオゲーム労働市場を実現する上で、合併が及ぼしうる影響についても無視するわけにはいかない」と指摘し、「この業界では、労働者は長時間労働と低賃金によって押しつぶされ、セクハラや差別にさらされている。労働者保護の強化が必要な業界であり、労働者の権利に対するマイクロソフトのコミットメントは、労働者保護の強化を実現する上で、役立つだろう」と述べた。

マイクロソフトとABKの合併は、労働者に対する市場支配力を増大させ、労働独占を悪化させる可能性がある一方で、団体交渉を促進する画期的な合意は、合併後に労働者がより良い条件を獲得しうる、強い救済措置でもある。合併計画を発表して以来、マイクロソフトはABKの数千人の従業員を対象とする中立保持協定を、米国のUNI加盟組織である米国通信労組(CWA)と締結している。この協定は、テックおよびビデオゲーム業界では唯一のものであり、合併後の会社において、マイクロソフトが進んで組合を承認し、嫌がらせや脅迫のない結社の自由を尊重することを約束するものだ。マイクロソフトは、CWAとの合意以外にも、全従業員の組合加入の権利を尊重することを約束している。

2022年にUNIがビデオゲーム開発に携わる29か国の労働者を対象に行った調査では、同部門における深刻な問題が明らかになった。職場問題を報告した回答の中で、最も多く挙げられたのは低賃金(66%)であり、欧州の労働者に限ると、その割合はさらに高くなる(77%)。職場で問題があるとした女性回答者の半数近く(46%)とノンバイナリーの回答者の43%が、ジェンダーによる差別があると回答した。

ホフマンUNI書記長は、「団体交渉は、合併が労働市場に及ぼしうる悪影響を是正するための手段であり、業界に存在する問題を解決するためにも必要なもの」とその意義を強調し、「組合がもたらしうる変化は、より民主的な職場、より高い賃金、より高い平等性だ」と加えた。

米国など多くの国では、中立保持協定のない状況で組合を結成することは、ほぼ不可能である。ABKのような企業では、強力な反組合キャンペーンが行われており、経営陣が反組合のプロパガンダを広める会議に、労働者を強制的に参加させている。組合活動家や代表者は日常的に平然と解雇されており、労働者が組合加入の権利を正当に行使する選択は、困難になっている。欧州では労働者が組合を結成する際の法的保護が強化されているが、ビデオゲーム産業における深刻な職場問題にもかかわらず、労働者は今も組織化に苦労している。この地域で、ビデオゲームの会社が承認している組合は、ほんの一握りだ。

ABKでの組織化の取組みに対し、最近、経営陣は反組合キャンペーンを展開している。組合は、経営側の違法行為について、米国連邦政府に複数の告発をしている。

一方で今年に入ってから、マイクロソフトの子会社であるゼニマックス・スタジオで品質管理テスターとして働く労働者が組合を結成し、中立保持協定に基づき、組合は承認された。米国では他に組織化されたゲーム労働者はほとんど存在しない。

ホフマンUNI書記長は、「UNIは一貫して、労働者の犠牲の上に成り立つ独占と企業権力の強化に反対してきた。だが今回のケースでは、我々は労働者と労働市場に及ぶ、より大きな社会的影響を重視しており、委員会にも同様の考慮を求めている」と述べた。


テック労働者、大量解雇にストライキや組織化で対抗

広範囲に及ぶ解雇や労働条件の低さに抗して、世界中でテック労働者がストライキや抗議行動、組合結成の取組みを行っている。

米国テキサス州オースティンでは、2023年2月上旬、グーグルの持株会社アルファベットで、労働者グループが下請け従業員としては初となるストライキを決行し、新たな歴史を刻んだ。グーグルが運営するYouTube Musicの下請けであるコグニザントでストを打った労働者は最近、組合結成について投票も行った。アルファベット労組(AWU)によると、労働者の「時給はわずか19ドル」だという。

フランスでは、ユービーアイソフトの開発に携わる技術者が、同社では初となるストを決行した。経営陣が経営の見通し悪化を理由に3本のゲームの中止を発表し、同社のCEOがこれを労働者の責に帰したためだ。

スウェーデンでも、テック労働者の組合加入が大幅に増加しており、スポティファイではUnionenが中心となってキャンペーンを展開している。ドイツの組合ver.diも、スポティファイ、SAP、TikTokで労使協議会を設置するキャンペーンを行い、テック業界での存在感を高めている。 スペインでは、ツイッターのイーロン・マスクCEOが、スペイン人スタッフの8割以上を解雇する計画を発表後、労働者総同盟(UGT)と労働者委員会(CCOO)が、同社に対してスペインの労働法を尊重するよう要求した。

ペペ・アルバレスUGT書記長は、「同社は26人のスペイン人労働者をメールでの通知で解雇しようとしている。わが国では、集団解雇には協議期間を設け、15日間交渉し、労働当局に伝えることが必要だ。そうでなければ、解雇は無効だ」とツイートし、組合が傍観することはないと明言した。

こうした行動が浮き彫りにしているのは、雇用の安定、解雇が労働者の暮らしに与える影響、そして職場の多様性やテック企業が労働者を支援する責任など、より幅広い問題に対する、テック労働者の懸念の高まりだ。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「この非人道的な大量解雇の波の中で、テック労働者が世界に示しているのは、職場の公平性を促進する上で、組合は必須のツールだということ」と指摘し、「組合は、使用者の恣意的で不当な行為に対する防御壁の役割を果たし、すべての従業員に対する公正な賃金と福利厚生の確保に役立っている。労働者の権利を擁護するために団結することで、テック労働者は、すべての人にとって、より公正で公平な未来を作るために不可欠な役割を果たすことができる」と組合のもとで団結する意義を強調した。

ビデオゲームの開発に携わる労働者も近年、低賃金や不十分な福利厚生、強制残業や「クランチ」文化の蔓延、ハラスメントや差別が横行する職場風土など、業界の労働条件に対して声を上げている。また、韓国のネクソンやスマイルゲート、スウェーデンのパラドックスインタラクティブ、フランスのユービーアイソフト・スタジオ、そして最近では米国のアクティビジョン・ブリザード傘下のレイブン・ソフトウェア等で、労働者が組合を結成、加入し始めている。UNIの呼びかけにより、世界20か国のゲーム開発に関連する労働組合の代表が2022年の夏にドイツ・ベルリンに結集した。会議では、世界中で労働基準を引き上げ、安全な労働時間・労働条件を確保するグローバル・キャンペーンの展開に向け、国際的な取組みについて活発に議論がなされた。

UNIが29か国のビデオゲーム開発にかかわる労働者を対象に行った調査によると、低賃金(66%)、過剰な長時間労働(43%)、不十分な福利厚生(43%)、職場での差別やセクハラ(35%)などの仕事に関する問題が、従業員の不満や職場における組合結成を望む原動力になっていることが明らかになった。回答者の多数(79%)が、職場での組合結成について、支持または強い支持を表明している。


トルコの人々と共に

2023年2月6日未明に発生したマグニチュード7.7の壊滅的な地震を受け、UNIは 150か国の加盟組織を代表し、 トルコの人々への連帯を表明し、被災されたすべての方々に心を寄せています。

多数の人命が失われたことを悼み、負傷したり住居を失ったりした多くの人々に、心よりお見舞いを申し上げます。また、トルコの労働組合運動が迅速に対応し、必要な人々に援助や避難所を提供し、今なお瓦礫の中に残っている人々を救出するため、緊急の国際支援を求めていることを誇りに思います。

私たちは共に、復興に取組んでいきます。


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