
オーストリアの IT労組GPAが、ICT産業全体で大幅な賃上げを勝ち取った。
最も賃金水準の低い労働者は17%の賃上げ、部門別最低賃金を上回る賃金水準の労働者は7.7%の賃上げとなり、約65,000人の労働者が対象となる。協約は2月に締結されたが、2023年1月1日から遡及して適用される。
男女間の賃金格差を是正
この協約のもう一つの大きな改善点は、差別撤廃条項に関するものだ。以前は、使用者は最低賃金を超える賃金を受け取っている人のうち10%について、交渉による賃上を差し控える権利を持っており、そうした労働者の中には多くの女性が含まれていた。
GPAは、当該部門の労使協議会から提供された賃金データを分析し、こうした慣習がこの部門における著しい男女間賃金格差の原因となっていることを明らかにした。これを解消するために組合は、交渉による賃上げをすべての人に適用し、従来の差別的な慣行をなくすよう働きかけてきた。
これが決定打となり、マスコミの大きな注目を集めたが、報道によって使用者団体は守りの反応を示した。しかし、証拠に基づく強力な主張と明確なコミュニケーションにより、組合は非常に好意的な報道を獲得し、使用者側に世論の圧力をかけることができたのである。
バーバラ・タイバーGPA委員長は、「一般的に、IT企業の女性は男性より賃金が低いのであり、テック産業の女性にとって不利な環境が作り出されている。人手不足に陥っている今こそ、文化を変え、女性にとって魅力的な産業にする時だ」と訴えた。
強まる決意
IT 労働者は、自らの職業人生を形作る部門や会社の決定に関与することに、ますます強い関心を寄せており、この世界的な動きは、オーストリアでも影響を及ぼしている。交渉に先立ってGPAは、優先事項を決定するために労働者への調査を実施したが、非常に高い回答率となった。労使協議会の労働者代表と協力し、調査や部門のマッピングの実施も鍵となった。また、要求に対する団結の象徴として、第1回交渉の際に交渉担当者が着用したTシャツに、労働者代表全員が署名をした。
キャンペーン期間中、ソーシャルメディアでは、組合がリアルタイムでやりとりし、最新情報を受け取ったり、事務局に直接質問したりすることができたため、エンゲージメントも高まった。労働者は特に、意欲的で解決策に基づく提案によく反応を示しており、こうした積極的なやりとりは、多くの人々が参加した2回のデモに結実したのである。
オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「この素晴らしい協約は、前途を照らすものだ。交渉担当者が、労働者の強い支持を得ていることを確認できれば、強力な前進が可能であるということを、欧州全土で目の当たりにしている。今回、労働者は最初から、すべての段階において関与してきたことで、組合の要求を自分事として認識することができた。いざ要求を支える時がきたら、労働者はその呼びかけに応じる準備ができているのだ」と述べた。
オーストリアのIT部門には、2つの異なるタイプの使用者がいる。一方は、多国籍企業ATOSのような独立系企業で、多様な顧客を抱えている。他の27%はアウトソーシング/子会社で、他部門(通常は金融部門)の主要企業によって設立され、その企業へのサービス提供のみを目的として運営されている企業だ。例えば、ライファイゼンは、このような形で外部委託のIT企業を有している。こうして部門をマッピングすることで、GPAは使用者側の状況について洞察を得ることができただけでなく、労働者への対応に役立つ職場のダイナミクスを把握することができた。
UNI欧州は、欧州の組織化センターであるEPOCを通じて加盟組織と連携し、労働者参加と戦略的マッピングを組み合わせた戦略を構築し、団体交渉を強化している。GPAのIT部門は、2021年初頭からEPOCと連携してきた。