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UNI-LCJ/UNIフィリピン加盟協ユースワークショップ、感想(2008年3~5日、フィリピン・マニラ)

後藤KDDI労組企画部長

大田ファッション労連事務局次長(UIゼンセン同盟)

JP労組長倉さん(左)と里さん(右)

UNI-LCJ/UNIフィリピン加盟協ユースワークショップ参加者感想

サービス・流通連合(クレディセゾン労組中央執行委員) 牧田真由美
今回、UNI-LCJユース代表団の団長として参加させていただきました。出発前から、団長という責務を果たすことができるのか、緊張と不安でいっぱいでしたが、UNI-LCJの小川さんをはじめ、各組織から集まった日本人メンバーの皆さんのご協力により、無事に大役を果たすことができました。本当にありがとうございました。3日間という短い期間でしたが、貴重な体験ができ、また、様々な知識を得ることができ、世界観が広がったように感じています。
特に、ILOの石橋氏から事前にレクチャーしていただいたフィリピンの社会、経済、政治状況や労働環境等については、非常に興味深く、フィリピンの抱える事情について今まで認識していなかった内情まで、とてもよく理解できました。また、仮にも組合役員を務めている身として、国際労働運動に対する認識が薄かったと反省しました。石橋氏からのレクチャーにより、翌日からのセミナーでのフィリピンユースの活動報告やグループディスカッション等が非常に有意義なものになったのは言うまでもありません。
フィリピンが抱えている国情を考えると、組合が出来ることにも限界があるのではないか・・・と思いました。しかし、UNI-PLCのメンバーは、みんな、真剣に考え、そして今自分たちにできることを主体的に取組んでおり、活動に対する強い意志が感じられました。PLCのユース活動報告では、パヤタス地区への給食支援といった社会貢献活動を始め、教育活動、ユースの組織化に向けた活動についての報告を受け、単組の枠を超えた広い視点での取組みには学ぶべき点が多くありました。また、3日目には実際にパヤタス地区へ行き、集落の様子やゴミ捨て場近くを視察、子ども達への給食ボランティアも経験しました。給食を手渡したこどもの笑顔を見ると、何とも言えない気持ちでいっぱいになりました。しかし、決して恵まれているとは言えない環境でも、人々には悲観さは感じられず、笑顔もあり、日々精一杯生きている状況が伝わってきました。フィリピンの格差は、今日本で言われる格差社会とは違った、根深いものです。PLCのメンバー同様、できることを実行して行きたいと思いました。ここでの体験は忘れることなく、日本の多くの人に伝えていきたいです。
今回のセミナーは、ユース英語セミナーのフォローアップとして開催されたが、英語力の向上はもちろん、フィリピンユース&女性委員会のメンバーとの交流が図られ、お互いの文化、組合活動など幅広い情報を共有することができました。このセミナーで得た経験を活かし、実践することが、互いの国の労働組合を発展させることに繋がると信じ、これからの活動を推進していきたいと思います。
前回の英語セミナーから、英語力が全く向上しないまま(むしろ後退していたような・・・)参加することとなり、期間中はつたない英語+身振り手振りで何とかコミュニケーションを図りました。しかし、日本の状況や自分たちの活動について知ってもらうには、やはり自分の言葉で、きちんと伝えることが大切だと感じました。それには英語をマスターしなければ!と改めて認識させられました。忙しいとか、英語を使う機会があまりないとか、言い訳をする前に、継続して英語を勉強しようと心に決めて帰国しました。帰国後、約1週間が経過しましたが、今のところ英語の勉強は続けています。
継続は力なり! 2010年に向け、頑張りたいと思います。

損保労連 中央執行委員長 石川耕治
今回のフィリピンユースセミナーは、フィリピンの労働界で次の世代を担う若者と意思疎通ができる貴重な機会を提供したと思う。
なぜならば、日本のユースや女性がフィリピンのユースとじっくりと話し合うことは、双方に価値観の多様化と受容を促すからだ。そしてグループ論議といった実際の作業が、お互いの主張を誘導する。もちろん通訳なしで、英語だけで会話することもコミュニケーションの強化に一役買っている。
実際のところ、通常のセミナーでは、なかなか本音での論議になりにくい。
これまでも、フィリピンを訪問したことがある。しかし、当時、私は彼らには耳慣れない言葉であり、初めて聞く概念であるCSRの講師として訪問した。セミナーのセッションでは、たくさんの質問をいただいたが、それ以外でフィリピンの仲間に接する機会は限られていた。
しかし、今回は睡眠時間とホテルの個室にいる時間以外は、ずっと彼らと一緒だ。同じホテルに泊まり同じ食事をし、同じカラオケを歌い、同じダンスを踊る…実際は、踊らされるのだが。一緒に過ごす時間が多いと、必然的に、彼らの考え方がよく分かる。
もともと時間にはおおらかだが、主張もおおらかだ。自分の意見を強要することはない。ただし、質問を繰り返す中で、自己主張を反映させようとしているように感じた。
論議の中でも、生真面目で穏やかな性格が伝わってくる。
日本で聞くフィリピンのニュースは、洪水や地震などの「天災」だったり、スリや窃盗、邦人への傷害などの「事件」だったりするが、どちらかというとイメージは悪いだろう。
例えば、「貧しい国」、「街中がゴミだらけで不潔」、「犯罪が多くて治安が悪い」などである。
確かに、これらの一面もあるかもしれないが、彼らは9割以上がクリスチャンであり、キリスト教の教えに沿った堅実な生活を送っている人が多い。
今回のワークショップのテーマは、ILOのことであったり、貧困であったり、ワークライフバランスであったりと多岐にわたったが、多様な価値観や本音・本質に接することができたことが3日間のワークショップの最大の成果だと考える。彼らも日本についての認識が変わったのではないだろうか。
日本人も、歌とダンスはうまいと思われていれば、望むところなのだが。
いずれにしても、グローバル化が加速する中で、次を担う世代同士が国を超えて交流を深める必要性はますます高まる。この関係をさらに深めることが、UNIのネットワークの強化に繋がる。UNIのネットワークも改善する必要がある。
長崎世界大会に向けた取り組みの一環として踏まえる必要はあるが、本取り組みは、今後も将来的に継続するべきUNI-LCJの活動だと考える。

KDDI労組 企画部長 後藤一宏
2010年UNI長崎大会に向けたホスト国としてのホスピタリティ醸成を目的の一つとして開催してきた英語セミナーを中心とする各種取り組みへのフォローアップとしての今回のUNI-LCJ/PLCユースワークショップの開催は、大変有意義であったと感じています。
とりわけ英語力の向上に関しては、日常生活において英語を使う機会がない日本人にとって否応なく英語でコミュニケーションを取らざるを得ない状況に身を置くことで、必然的に英語力が養われたことは間違いありませんでした。一方で、思っていることを伝えるだけなら、身ぶり手ぶりで伝えることができるものの、来日する多くの外国人を相手にした場合のホスピタリティの提供や労組活動に関する意見交換を行うには、より一層の英語力の向上が必要であることも改めて痛感しました。
異文化への理解を図るという意味においても、今回のワークショップの開催は重要な意味を持ったのではないかと考えています。
ユース活動に関する両国からのレポートでは、単に活動内容を報告し合うだけではなく、それぞれの活動をユースの立場で推進する意義をどのように見出しているかについて意見交換を行うことができました。貧富の差が激しいフィリピンの社会構造にあって、労組活動に携わっているユースメンバーは富裕層に近い生活を送っていることは間違いありません。そのような彼らが、なお一層、ユースの組織力強化を謳い各種活動を重ねていることに対する率直な意見交換を行えたことは、彼らの活動を理解する上でも大変重要なことであったように思います。
ワーク・ライフ・バランスへの取り組みについての議論を持つこともできましたが、社会背景や宗教感の違いなどから、日本のワーク・ライフ・バランスを取り巻く状況(少子高齢化や長時間労働など)への理解が図り難かったのではないかと感じました。しかしながら、一つのテーマについて、両国の状況を紹介しながら意見交換したことはお互いの立場を理解し合うという意味においてはとても重要な取り組みであったと思います。言葉の壁があっても、テーマを設けて話し合いをすることは可能であり、そのような機会をもつことで本格的な国際交流が実現するのだと強く感じました。
フィリピンの国情についてもILOマニラ事務所の石橋さんから詳細なブリーフィングを受けました。率直に言って、混沌とした状況にあることは間違いないと認識しましたが、そのような中にありながらもUNI-PLCの多くの仲間が、労働組合を通じて社会の変革に携わっていることは、同じ地球人として応援していきたいと強く思います。
しかしながら、街に目を向けると路上で生活する家族や、日本で働きたいと渇望している若い女性たち、ゴミの山で暮らす人々、きれいな目を輝かせながら給食を受け取る子どもたち、ハイテク機器を駆使する人々、街を闊歩する韓国人や中国人の光景が厳然として存在しており、やはり混沌としている状況に変わりはありません。
今回のワークショップを通じ、日本人として労組活動を通じ何ができるのか、自国の労働環境に対する活動はもちろんのこと、とりわけ途上国におけるディーセントワークの実現を、日本の労働組合がどのように関わっていくべきかということを今後の労組活動における自らの命題の一つとして持つことができるきっかけになったように思います。
事前準備の段階から多岐にわたりサポートいただいたUNI-LCJの小川陽子さんへ心から感謝します。また、このような機会を設けていただいたUNI加盟組織の皆様へも感謝します。ありがとうございました。
2010年UNI長崎大会へ向けて、より一層の努力を続けて行きたいと思います。

UIゼンセン同盟(ファッション労連事務局次長) 大田光晴
2008.10.5(日)午前10:00、非常に蒸し暑く異様な臭いが鼻をつく。窓もドアもトイレもない家々の間を歩いている。地べたでたむろする大人の目、気のせいか子供達の目も我々を警戒しているようである。森の中の舗装されていない山道を少し歩くと、突然視界が開け、目の前にはなだらかな山が現れる。しかし、日本の山とは違い灰土色である。そう、この山は大量のゴミで造られている。ここはフィリピンの首都マニラから車で1時間ほどに位置するケソン市パヤタス地区、この巨大なゴミ捨て場とそのゴミ捨て場周辺に住む子供達に対する給食ボランティア活動を視察する為に、この地を訪れました。このときの正直な感想は「自分が今まで見た環境の中では最悪である、この国は一体何を考えているんだろう。」でありました。その答えはおぼろげながら現地の組合員との会話や、ワークショップを通じて自分なりに理解する事となりました。
2008.10.2(木)~10.5(木)の4日間、フィリピン・マニラにてUNI-LCJとUNIフィリピン加盟協青年・女性委員会とのユースワークショップが開催されました。私は日本からの参加者6名、事務局1名の一員としての参加となりました。2008.10.3(金)~4(土)は屋内においてフィリピンからの参加者(20名)と、国際労働基準、UNI-Aproの青年活動、長崎大会へ向けた活動やお互いの青年活動・ワークライフバランスについて、ほとんど英語によるディスカッションを行なう事となりました。準備不足のため英会話に自信のない私としては、非常に困難な時間ではありましたが、事前に配布いただいていた日本語版の資料と参加メンバー皆さんによる助けのおかげで何とか最後までついて行くことが出来ました。
今回の研修で一番印象に残ったのは、最終日に行なわれたパヤタス地区でのボランティア活動への参加でありました。現地にあるコミュニティーセンターへゴミ山の周辺で暮らす子供達が僅かな給食を受ける為に集まってくる、みんな静かに整列し、機械的、無表情に食事を受け取って行く姿を見ていると、この子供達は笑顔すら忘れてしまうような過酷な生活を強いられているのだなと痛感しました。給食の後、センターに残っている子供達に日本の童謡を披露したり、折り紙やあやとりを教えてあげると、子供達の顔に人懐っこい笑顔が帰って来ました。彼らは笑う事を忘れているのではないのだと少し安心すると同時に、現在のボランティア活動では根本的な解決は非常に困難であり、この子供達がいつも笑顔いっぱいで暮らせる社会の実現には抜本的な改革が必要であると思われました。
今回の研修を通じて、現在、フィリピンにおける貧富の差は想像以上に激しく、ほんの一握りの財閥のために政治・経済は動いているのだと確信しました。「国民はどうして怒らないのだろうか?」というのが素朴な疑問でありましたが、決して怒っていないのではなく、自分達に出来る範囲は限られていて、半ば諦めの雰囲気も感じられました。一方、フィリピンの仲間達の活動を見ていると、非常に頼もしくも感じました。
レベルは異なりますが、現在、日本もサラリーマンには暮らし辛い世の中になって来ています。我々も黙っているだけではなく行動を興し、極端な格差社会を打破し笑顔あふれる社会を目指さなければならない、そしてフィリピンで闘う仲間達へ国を変える勇気、労働組合の力を伝え、子供達に希望を持てる未来を創る事が、現実を知る我々の責任であると実感いたしました。
最後に、このような貴重な研修に参加する機会を与えていただいた、UNI-LCJ、UIゼンセン同盟、ファッション労連の皆様、そして参加メンバーの仲間に心から御礼申し上げます。
Thank you very much for your kind assistance for me especially for sis. Mayu ,sis. Fumi, sis. Hakka, sis. Yoko, bro. Hiro, bro. Koji and bro. Kazu. I’m looking forward to seeing all of you in someday !

JP労組 九州地本宮崎中央支部 宮崎県連協女性フォーラム 長倉史
今回のフィリピンセミナーには、ユースのみならず女性の活動に関わる方もおられ、大変有意義なセミナーでした。
特に女性活動の視点で気付いたこととして、女性がきちんと働ける条件を作り出すことが、その国の経済をしっかりさせる大事な要素の一つだということがありました。
日本とフィリピンの国の事情はあるにせよ、長期的な視点で雇用の確保について考えないと、何年か先には衰退の一途をたどるかもしれないこと。男性に比べて、子どもを持つということが働く上で障害になりやすいこと。
自分が実際子どもを持って働いているので、実感としてわかっているはずだったのに、フィリピンでもやはり同じで(増減の違いはあれど)、自分達女性が働くということの意味や意義を、改めて考えさせられました。産む産まないの選択をできる国にあっても、そうでない国にあっても、子どもを産むことが、社会で働くことの重荷になってはならないと思います。女性に限らず、男性が子育てをするにあたっても、同じではないでしょうか。
また、ユースについて、とても関心を持っていた活動がありました。日本でセミナーに参加したときに聞いていた、パヤタスの事です。その時、ごみの山で暮らしている人たちがいて、そこへのボランティアを行っている活動報告を見ました。実際に今回そこへ行くということで、なんとなく後ろ向きなイメージを持っていた私は、複雑な気持ちでした。
聞けば困っている人はたくさんいるとのこと、その一部を助けても焼け石に水なのではないか、一部だけ助けている事は自己満足ではないか、とずっと疑問に思っていました。イメージばかりが先行する中、行ってみると本当に手を差し伸べられるのはごく一部で、でもだからといって何もしないわけにはいかない、と言っていたフィリピンユースの人たちの言葉が、少しだけわかった気がしました。
宗教的なモチベーションの違いはあるかもしれませんが、できる事をできる範囲でやっていく姿を見ました。微力だけれど、無力ではないと痛烈に感じました。何をしなければならないか、何ができるか。組合活動にも通じてくる事だと思います。
今回のフィリピンセミナーは、漫然と組合活動をやっていた自分にとって、組合とは働く人にとって何ぞやという、自分への根本的な問いかけになりました。
たまたま私が組合活動を始めた時期が、UNIの世界大会の準備のそれと重なって、とても幸運だったと思います。英語が得意とは言いがたいですが、それを補って(勉強しなきゃ、という努力を含め)ほかの国内外を含めた組合の事を聞いたり知ったりできるのは、とても貴重な体験ではないでしょうか。
本当にユースの人々が、もっと組合活動に参加したり、興味を持ったりする機会になれば、万々歳だと思います。
最後になりましたが、UNIの小川さん、ILOマニラの石橋さん、一緒に参加した皆さん、大変お世話になりました。長崎に向けて、もっとたくさんの方々とも、貴重な体験を共有できたらと思います。では、2010年、長崎で。Let’s join us☆

JP労組 九州地本福岡かんぽサービスセンター支部 里 永
今回の研修は、とても充実していました。他業種組合の人たちとの交流もでき、温かいフィリピンの人たちと観光したり、食事に行ったりできました。一方で、パヤタスという所で、子どもたちに給食をあげるというボランティアをさせていただきました。この地域は、世界のゴミの集積所であり、地方から、首都マニラへやってきたものの職に就けず、住む場所もない人々が、ゴミを拾い、生活しています。意気消沈しかねない状況でしたが、「そんな中でも、笑顔を」というフィリピンの青年委員長の言葉が印象に残りました。


第3回UNI専門職・監督職(P&MS)世界大会(2008年3月26~28日、オーストラリア・メルボルン)

開会
ジョン・バインス議長は全員を歓迎し、有意義な議論を期待した。ジョセフ・デブリュンUNI-Apro地域会長は、昨年11月の総選挙で労働党政権を奪回したことを報告し、オーストラリアの労働運動の転換期に本大会が開催できることを喜んだ。シャラン・バロウITUC会長(ACTU会長)は、UNIの活発な活動に敬意を表すると共に、様々な取組みにおいてUNIをはじめとするグローバルユニオン(GUF)との協力を継続していきたいと述べた。

活動報告
ゲルハルド・ローデUNI P&MS担当局長がこの間の活動を報告。毎年UNIでは加盟組合の統計をとっているが、P&MSはここ数年で急成長し、370組合計130万人がP&MSメンバーだと申告されている。特筆すべき成果として、2006年、2007年に開催されたUNI-Apro P&MSフォーラム(東京)の成功が報告された。ネパールなどアジア太平洋地域におけるP&MS活動の前進に大きく貢献し、後援したNTT労組に対し感謝の意が表された。またセカンドライフにおいてイタリアIBMに対し、初のグローバルな仮想抗議活動を行った結果、CNNなどマスコミに大きく取り上げられたり、CEOが辞任したりした他、UNIは革新的なネットを活用した活動に対し贈られるNetXplorateur賞を受賞した。

「P&MSの組織化」
ハード教授(米コーネル大学)が、P&MSを組織する労働組合と職能団体の違いを説明し、専門職の組織化には職能団体の経験から学び、協力しあうことが非常に有益であろうと導入報告した。
この後、専門職を組織する加盟組合から事例報告があった。ジョン・バインス議長は、オーストラリアAPESMAの概要や、給与調査、雇用契約ビルダー(ウェブ上で自分の契約を作成したり、今ある契約と比較して問題点を検証したりすることができるソフト)、ビジネススクール運営、キャリア開発プログラムなど、専門職を惹きつける各種サービスを紹介した。
パー・クロック代議員は、デンマーク、スウェーデン、ノルウェーという北欧3カ国のエンジニア協会が、国際問題を結束して解決するために結成した、北欧エンジニア協会の事例を説明した。
クリスター・フォースランド代議員は、スウェーデンで今年1月に2労組が統合して結成されたUNIONENの活動を紹介し、伝統的な組合員(ブルーカラー)と専門職(ホワイトカラー)へのサービスのバランスをとることが今後の課題だと述べた。
セッション後の質疑応答では、NTT労組の西山代議員が、日本では男女雇用機会均等法の制定後、女性の就業率も高くなったが、専門職・技術職の成果を測ることは難しく、納得のいく評価・処遇を得られていない女性の悩みが多いことを指摘し、ワークライフバランス実現のため、処遇決定における評価指標のあり方について、新たな法整備や国際標準の制定の必要性を訴えた。

「移動する専門職労働者への支援」
ローデ局長は、IT産業における外国人労働者の急増と共に、外国人と受入国労働者との賃金格差、熟練専門職の流出といった様々な問題が出てきていると報告した。これらを解決するための手段として、加盟組合の協力を得ながら「UNIパスポート」の改善を重ねてきた。ベルギーとインドの組合間の協力協定も構築された。北欧エンジニア組織間で、外国に行ったメンバーを追跡し、赴任国でもサービスを受けられる相互協定などの事例も紹介された。

「P&MSのためのディーセントワーク」
NTT労組の渡辺代議員は、NTT研究所におけるフレックスタイム制及び裁量労働制の導入について報告した。
北欧金融労組のローン・ピーターセン代議員は、5カ国の銀行・金融・保険など8労組、16万5千人が加盟する北欧金融労組の取組みを紹介し、管理職に対する調査の結果、個人のニーズに対応していく必要性があると述べた。
シンガポールSMMWUのフローレンス・フォン代議員は、経済再構築の結果、中高年のPMET(専門職・管理職・エグゼクティブ・技術職)が直面した雇用とスキルのミスマッチ問題を解決するための政労使による取組みを紹介した。
質疑応答では、サービス・流通連合の澁谷代議員が、一般従業員と仕事は変わらない「名ばかり管理職」が社会問題化している現状を、日本マクドナルド訴訟を例に挙げながら報告し、UNI P&MSにおける管理職組織化の促進を期待した。

「P&MSのグローバルな移動-ASEANにおけるP&MSの移動」
フィリピン大学、オフレネオ教授が導入報告。ASEANの中でシンガポール、マレーシア、タイが3D職(危険、汚い、難しい)の移民労働者を受け入れ始め、続いてP&MSの移動が見られるようになった。移民労働者問題は様々あるが、法外に高い斡旋料、カルチャーショック、突然の契約変更などP&MSの問題は見えにくい。2007年にUNI-Aproは、ASEANサービス労組協議会を設置し、ソーシャルヨーロッパのようなソーシャルアジアの実現を目指して努力している。

「グローバル経済におけるP&MSの責任」
フランスCFDT-Cadresのジャンポール・ボウシェ代議員は、2000年に採択された「UNI専門職・監督職の職業上社会的倫理的責任規範」の見直しを提案した。
フィリップ・ボイヤーUNI副書記長は、プライベートエクィティ(PE)による企業買収が増えている中、PEに11の責任投資原則を認めるよう交渉するなど、UNIのPE対策を説明した。
英国コネクトのレスリー・マナセー代議員は、P&MSとのコミュニケーションとオンライン権について問題提起した。IT部門の2万人専門職の100%がパソコンとメールアドレスを所有しており、組合も若い世代が使っている新しいネットツールをもっと活用すべきだと奨励する一方、使用者の設備に頼りすぎてもいけないし、通常業務に支障をきたしてもいけないと警告した。使用者がメール、ネットの使用をモニターできるので、プライバシー問題も発生している。
ローデ局長は、海外アウトソーシングを持続可能なものとするための「オフショア管理規範」を提案し、これを本大会で議論した後、普及させていくキャンペーンを始めたいと述べた。

大会コミットメントの採択
各セッションで行われた様々な討論をもとに、大会結論をまとめた。

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グローバル経済における専門職のための組合を発展させる共同コミットメント

UNI-P&MS委員会は、UNIグローバルユニオンにおいて重要な役割を果たしている。世界及び地域レベルで、専門職及び監督職のための組合政策を支持し調整する。UNI-P&MS委員会は、実際、UNIの全ての部会において飛躍的に増加している人々を代表している。P&MSは、経済変化、技術変化、組織的変化の最先端にいる。P&MSは企業、組織及び社会において主要な役割を果たしている。労働組合にP&MSが加わることは双方に取って利益がある-P&MSはネットワークとサービスへのアクセスを得られ、組合はP&MSのプロ意識、専門知識、革新的な考え方を通して強化される。
第3回UNI世界P&MS大会において、UNI-P&MS委員会の加盟組織とUNI-P&MS委員会は、大会で確認された今後4年間の優先課題の実施に向けて、共に必要な手段を取るというコミットメントを宣言する。
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選挙
大会は、議長・副議長、運営委員会メンバーを以下の通り選出した。
議長  スウェーデンUNIONEN  クリスター・フォースランド
副議長  シンガポールSMMWU  ジョン・デペイバ
アジア太平洋  日本NTT労組  渡辺保
日本サービス・流通連合  澁谷稔
米州  調整中
アフリカ  UNIアフリカ地域書記長代行  ザカリ・コドグ
欧州  フランスCFDT-Cadres  ジャンポール・ボウシェ
ポルトガルSBSI  マリア・テレサ・シーブラ

なお、本大会で議長を退任するジョン・バインス氏の長年のUNI P&MS委員会への多大な功績に対し、フォースランド新議長はじめ多くの代議員から感謝の言葉が贈られた。


第2回UNI-Apro専門職・監督職(P&MS)大会(2008年3月29日、オーストラリア・メルボルン)

開会
ジョン・デペイバUNI-AproP&MS議長は、2日間の世界大会を総括した後、アジア太平洋地域でも、伝統的な労働組合には入りたくないと考えているP&MSを組織するために、何か革新的なことをしなければならないと訴えた。シンガポールでは、「Labor Movement 2011」というキャンペーンの中で、組合員と呼ばれたくないP&MSを「ゴールドカラー」と呼ぶこととし、2011年までにこうした人々を組織する目標を立てた。
続いて、ジョセフ・デブリュンUNI-Apro地域会長、ゲルハルド・ローデUNI P&MS担当局長、フィリップ・ボイヤーUNI副書記長が連帯挨拶を行った。クリスター・フォースランド世界P&MS新議長はまず、2006年、2007年に開催されたUNI-AproP&MSフォーラムの成功を称え、その後ネパールでP&MS協議会が設置され、活動が始められたことを高く評価した。P&MSの組織化については、ダイバーシティーマネジメント(使用者にもジェンダー平等などを理解させること)、生涯学習、ワークライフバランスの重要性を指摘した。

活動報告
ジャヤスリ・プリヤラルUNI-AproP&MS担当部長は、2001年の第1回大会以降の活動を報告。中心となった活動は、NTT労組の後援を受けた2回のUNI-AproP&MSフォーラムであり、森嶋委員長はじめNTT労組の協力と支援に感謝が述べられた。また、難しいと言われていたインドのIT専門職の組織化にも成功し、今では6つの協約を締結している。現在、インドネシア中央銀行の従業員協議会や、インドの銀行従業員協議会、インドのテレコム上級職協議会、スリランカの労組、シンガポールの金融労組などにもコンタクトをとっている。他の国にも、潜在性はあるのにP&MSの組織化ができていないところがまだ多い。今後も、P&MSの組織化という我々の取組みをもっと広く普及させていかなければならない。

「P&MSのためのディーセントワーク」
フィリピン大学オフレネオ教授は、アジアの労使関係に欠けている中間管理職のためのディーセントワークというテーマで講演した。企業のウォルマート化が蔓延し、労働集約化が図られているのに、対価が追いついていない。トップ経営者と部下との間に挟まれ、双方からプレッシャーを受ける。部下に解雇を伝える役目を追うだけでなく、自らも解雇の憂き目に遭うことがある。ほとんどの国で、こうしたP&MSの立場を明確にし保護するような法制度がない。海外に職を求めて移住する。P&MSにとってのディーセントワークを確保するためには、産業、国、地域、国際レベルで、深く戦略を練り、組織化し、意識を高める必要がある。
NTT労組の古賀代議員は、「NTTでもウォルマート化が進み、評価者との面接において、いかに公正な業績評価を得るかが問題。組合は、業績評価の苦情を減らし満足度を上げるために努力している。海外の企業・労組で良い経験があれば聞きたい」とコメントした。ジョン・バインス代議員は、「若い人は上司からきちんと評価してほしい、企業がどう対応しているかを知りたいと思っている。この要望に応えAPESMAは若い人に研修を行い、その企業が働くにふさわしいかどうか判断できるようにしている。企業も選ばれるということだ。労働者が会社についてどう思っているかを交渉の場に持ち込むことができる」と答えた。ジョン・デペイバ議長は、「シンガポールでもKPI(主要業績評価指標)を設定する企業が増えてきた、組合もこれを支持しているが、KPIを高く設定するなら高い報酬を交渉する権利がある。組合員が評価に不満を持っているなら、組合は積極的に関わるべきだ」と答えた。
サービス・流通連合(JSD)の澁谷代議員は、「ダウンサイジングで残された労働者の負担が増える。例えばスーパーの店長は、店舗売上管理の他、顧客クレーム対応などもあり、長時間労働に陥る反面、それをカバーする時間外手当も得られず、その多くは組合員ではないため、使用者に何も言えない。JSDは管理職の組織化を進め、ディーセントワークを担保していかなければならないと考える」と報告した。

パネルディスカッション「P&MSの組織化」
プリヤラル部長は、P&MSの組合に関する認識とニーズを分析することにより、組合にとってもP&MS組織化の機会はあると問題提起した。
オーストラリアAPESMAのアーリン・ウッド代議員は、「プロフェッショナリズムの役割」と題して、若い専門職への調査から、キャリア開発ができるような団体に所属したいというニーズが多いと報告した。そのためのサービスの例として、メンター制度(グループメンター、女性メンター、Eメンターなど)、キャリア指導、就職斡旋などがある」と報告した。
シンガポールSMMWUのフローレンス・フォン代議員は、就業者にはスキル開発プログラムなど継続教育を提供、失業者にはウェブサイトによる就職斡旋広告やジョブサーチのワークショップへの参加を促進するなどの、生涯学習プログラムの取組みを紹介した。
オーストラリア金融労組のレオン・カーター代議員は、「ダイバーシティーマネジメントの役割」と題して、宗教や文化、性別など様々な違いを包含するものとし、ダイバーシティ議論は使用者だけに任せていては解決できないと述べた。例えばオーストラリアの金融産業における40%という男女間賃金格差を是正するためには、組合も積極的に交渉するべきだと訴えた。
NTT労組の森嶋代議員は、“長時間労働やメンタルヘルスの悪化”に象徴される日本の情報サービス産業は、良い人材を確保し長く働いてもらうことが難しいとし、特に女性が仕事と家庭を両立できるように、NTT労組は諸制度の創設と、利用しやすい環境を作るための意識改革に取り組んでいることを報告した。
パネリストの講演後の質疑応答では、JSDの川橋代議員は、2007年12月に「ワークライフバランス憲章」及び「仕事と生活の調和のための行動指針」が策定され、ワークライフバランスを国民的な取組みとすることが確認されたと報告し、特に管理職の働き方の改善には、管理職を組織化し、労使協議の環境を作った上で働き方を見直すべきだと訴えた。

UNI-Apro P&MS委員会の優先課題
大会は以下の優先課題を採択した。

◆◆◆◆◆◆◆◆

UNI-Apro P&MSの優先課題(2008~2012年)

前進するために、
●新しい経済において、ウェブを活用した新しい組織化戦略を立てて促進し、P&MSに連絡が取れるようコミュニケーションチャンネルを確立する
●変化に遅れを取らないようP&MSのための学習のネットワークを作り、新しいスキルや能力を身につける支援を行う
●新しい経済が専門職・監督職に及ぼすインパクトを調査する(例えば、新しい福利制度、利益共有、ストックオプションなど)
●統合されつつある地域経済におけるP&MSの報酬のベンチマーク。P&MS雇用の最低基準。企業が最低遵守すべき採用、配置、労働基準。P&MS自身がそうした雇用基準に同意するかどうか、について検討する。
●ジェンダー平等を促進し、女性が専門職・監督職に就くことを支援する
●ワークライフバランスの新しいコンセプトを発展させ促進する
●P&MSの専門的、社会的、倫理的責任規範を促進する
●必要に応じ、P&MSの労働組合権を擁護し、ディーセントワークを確保できるよう支援する
●現存のUNI-Apro連絡協議会に、各国のP&MSの状況を調査させ、未組織の専門職と接触し、彼らの権益を促進するため、国毎にP&MS協議会を結成する
●ASEANサービス枠組み協定の進展をモニターし、外国人専門職・監督職のサービスを送り出す国と受け入れる国の間の相互認証協定について、加盟組織に最新情報を周知する

◆◆◆◆◆◆◆◆

選挙
大会は、役員及び委員会メンバーを以下の通り選出した。
議長        シンガポールSMMWU        ジョン・デペイバ
副議長        日本NTT労組            渡辺保

東アジア    日本NTT労組            渡辺保
日本サービス・流通連合        澁谷稔
東南アジア    シンガポールSMMWU        ジョン・デペイバ
マレーシア加盟協        調整中
南アジア    インドUNITES            カルティック・シェカール
オセアニア    オーストラリアAPESMA        調整中


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