コロナ禍で成長するテック企業、ゲーム開発分野、コールセンターをICTS部会の組織化の重点に

2021年10月27日、UNI世界ICTS部会委員会がオンライン開催された。アンディー・カー議長は、本年開催された米州、UNI Apro、欧州の各地域ICTS部会大会で選出された地域議長に祝意と歓迎の意を表すると共に、野田前UNI Apro ICTS議長をはじめ退任した役員の多大な貢献に感謝した。安藤UNI Apro ICTS部会議長は、UNI Apro ICTS部会大会について報告し、UNI Aproの課題解決に向けてUNI本部と連携して役割を果たしていきたい、と挨拶した。

コロナ禍中・コロナ後に関する調査

委員会に先立ちUNI世界ICTS部会は加盟組織に、パンデミック及びポストコロナの団体交渉に関する調査を行った。回答を寄せた25組織の分析結果が紹介され、未回答組織からの回答も今後追加し、優良事例や教訓を共有していくことが確認された。

コロナ禍の若年労働者の組合への期待・関心事項としては、①賃金、②勤務形態の柔軟化、③在宅勤務、④昇進、スキルアップ、⑤安定性、があげられた。アウトソースに関しては、「コロナ禍でアウトソースは拡大した」、「アウトソースに関して情報を得たり交渉することは難しい」、「中核事業や新たな仕事もアウトソースされた」、「コロナ前よりアウトソースが増えた」という回答が多かった。コロナ禍の組合員勧誘、既存組合員の動員については、「遠隔勤務の増加も影響し、難しくなった」との回答が多い。一方、オンラインツールを活用することで、組合員とのコンタクトの迅速化、オンライン調査、オンラインイベントで参加者の増加する等のメリットもある。情報労連加盟組織の事例として加入届けのウェブ化も共有された。

テック企業、ビデオゲーム分野、コンタクトセンターの組織化

テック企業(開発、技術、デザイン等のビジネスを行う企業。GAFAに代表されるIT大手から請負労働まで、雇用・勤務形態は様々)、とりわけビデオゲーム開発分野、更にコンタクトセンターは、コロナ禍で莫大な利益をあげ、今後も成長が見込まれる。しかし、正規・非正規労働者の格差が大きく、未組織労働者が多い点、遠隔勤務の普及と共にAIによる過剰な監視・プライバシー侵害等の問題が浮上している点等が共通している。引き続き、UNI ICTS部会の組織化重点ターゲットとして、オンライン組織化等を活用しながら、取組みを強化していくことが確認された。

AI及びリモートワークに関する取組み

EUにおけるAI関連法案制定プロセスに、欧州議会委員やEU委員会等へのロビー活動・AIワーキンググループへの労働側代表としての参加・意見提起を強化している。2月に、UNI金融部会と共同でウェビナーを開催し、「UNIリモートワークの主要原則」を発表した。UNIとしては、「AIの活用に関するUNIポジションペーパー」及び「UNIリモートワークの主要原則」を加盟組織だけでなく様々なステークホルダーに促進し、支持者を増やして法制定に影響力を行使していく。