UNI-Apro商業部会、アジア太平洋地域に労使パートナーシップ関係を


開会式には、トゥワン・ハジ・マレーシア経営者連盟事務局長が招待され、マレーシアでも協調型労使関係が重視されつつあることが伺えた。日本からは、19人が参加した。

弾力化するアジア太平洋地域の商業労組のエンパワーメント
自動車総連の村山代議員は、加盟組織の具体的組織化方法等を紹介。日本のものづくり産業への人気を回復しようと、初の試みとして東京モーターショーに出展したことも報告した。
 UIゼンセン同盟の藤吉副会長は冒頭、2009年は日本の労使関係が改善されて50周年という記念すべき年だとして、生産性三原則など日 本の労働運動の概略を説明した。続いて流通部会が最も注力するパートタイマーの組織化について報告。組織率が約90%に達したダイエー労組の成功例を参加 者と共有した。
インドネシアのヒーロースーパーマーケットは、インドネシア最大かつ最も長い歴史を持つスーパー(407店舗)だが、以前は団体交渉においても問題が多 く、労使紛争が頻発していた。ウンUNI-Apro地域書記長、デブリュンUNI-Apro会長をはじめとするUNI-Aproの仲介により、協調型労使 関係の確立に成功。生産性が向上した結果、企業業績も大幅に上昇した。ジャカルタ市内には、「ジャラン・ヒーローユニオン」、「ジャラン・ユニ・グローバ ル」と名付けられた通りが誕生。ウン地域書記長の元には、成果を知って同社のような労使関係を構築したいと数多くの企業から、会談の要請が入っているとい う。一企業の枠を超えて、行政、地域社会にも組合が広く受け入れられた特筆すべき成功例であり、その過程に関わった全ての人々に参加者から大きな拍手が送 られた。ヒーロー労組代議員からは、UNI-Apro、オーストラリアSDA、日本のUIゼンセンに感謝の意が示された。

ディーセントワークとジェンダー平等の強化
オーストラリアSDAのブライアント代議員は、労働組合における女性の参画を進めるためSDAで行っている19項目を紹介した。「女性組合員にその希望 と何を達成したいのか聞いてみる」、「全役員を対象に、男女共同参画に関する研修を行う」「組合員に女性の味方になってくれるよう依頼する」等ユニークで ありながらも、あらゆる組合で共有できる手法が多く、非常に参考になった。
JSDの石黒代議員は、「均等・均衡待遇の推進と男女共同参画の実現に向けて」と題して、日本の労働市場の現状を交えながら発表した。JSDにおける均 等・均衡待遇の概念、パートタイマーの時間給についての春の交渉方針などは、非正規労働者の増加という同じ課題に直面する他国労組も高い関心を寄せてい た。また、組合の男女共同参画を進めるには、「トップの意識改革が最重要課題。もし改革が進まないなら、トップを変えるしかない」との発言で締めくくり、 会場は大いに沸いた。

組織化及びグローバル枠組み協定
UNI-MLCのシャフィー議長がマレーシアの状況を報告。北欧のドナー団体から支援を受けて小売部門の組織化に着手し、大手流通企業12社の約2万人の組織化に成功した。発表の中で伊勢丹労働組合の組織化に協力した八野JSD会長に謝辞を述べた。
続いてアジア地域初のグローバル枠組み協定締結企業である髙島屋の取組みについて、JSDの八野会長が発表。「スリーピング協定にしてはならない」との 思いのもとに作成された詳細な検証項目、労使が互いの実施状況を確認しあう独自のモニタリングシステムを含め、「生きた協定」にするための努力を説明し た。
JSDの扇谷代議員はフロアから発言し、日本に進出している多国籍小売企業のうち、UNIとグローバル協定を結んでいる企業にターゲットを絞り、本部と連携を取りながら積極的に組織化を進める決意を表明した。
UIゼンセン同盟の伊藤代議員は、グローバル枠組み協定をより効果的なものとするために、UNIと枠組み協定を締結している多国籍企業とUNI- Aproの関係組合間で、「健全な労使関係を構築するためのソーシャル・パートナーシップ」に関する会議を開催すること、また必要に応じ関係GUFと連携 を取ることを提案した。
UNI-LCJを代表し、村山代議員が、長崎世界大会の準備状況について報告した。
アジア太平洋地域には日本型の協調的労使関係がふさわしいというウン地域書記長の持論が、大きく実を結びつつある。日本の加盟組合は、今後も同地域で先進的な役割を果たしていくと同時に、UNIと連携しながら国内の多国籍企業組織化を進めることが求められている。


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