第7回東アジアテレコム労組フォーラム

 



第7回東アジアテレコム労組フォーラムが10月26~29日に韓国・慶州で開かれ、NTT労組から加藤委員長、野田事務局長、水野財総部長、平田企画総括、廣瀬中執、木村国際担当が出席した。
本フォーラムは、NTT労働組合、中華電信工会(台湾)、KT労働組合(韓国)の3テレコム労組が、「東アジアのテレコム労働者が抱える課題解決」を テーマに、2002年から実施しているもの。今回は、3カ国とも新体制による初のフォーラムとなったことから、各国の経済・政治情勢に対する労組の取り組 み報告に大きく時間を割いて認識を深めた。
始めに各国委員長が歓迎挨拶、その中でNTT労組・加藤委員長は、「ICT産業は、医療や教育などの社会的インフラ整備では欠かすことのできない役割を 担っており、これからの経済発展のエンジンとも言うべきリーディング産業だ。私たちは、同じ産業に働く仲間、同じ東アジア地域のテレコム労組として、 ICT産業の発展とテレコム労働者の地位向上が図られるよう、共に歩んでいきたい」と述べた。

韓国の状況報告
韓国では、今年6月、KT(固定通信会社)がKTF(携帯通信会社)を吸収合併、これに伴い労働組合も統合し新スタートを切った。しかし、来年には、従 来の一企業一労組制から一企業複数労組制へと変わり、同時にこれまで認められていた労組専従役員に対する会社からの賃金支払いが禁止されることになった。 世界的な経済停滞の影響を受け、政府および使用者側による労働組合組織を瓦解させるような動きが顕著になるなか、KT労組は大きな岐路に立たされているこ とが報告された。

台湾の状況
台湾の中華電信は、固定電話市場で圧倒的なシェアを占めているものの、携帯電話市場で競争事業者のシェアが拡大しており、政府の株放出計画や国内産業の中国移転など、市場・経済の変化を背景に、将来的に大きな事業不安を抱えていることが報告された。

NTT労組の報告
NTT労組からは、野田事務局長、水野財政総務部長がそれぞれ情勢報告。野田事務局長は、「日本は、雇用労働者の過半数が年収300万円以下であり、そ のうちワーキングプアと呼ばれる年収200万円以下の最も厳しい生活を強いられている労働者が1000万人以上も存在し、“格差解消”が連合の優先課題と なっている」と報告した。
また、水野財政総務部長は、悪化する雇用情勢に対する労働界の具体的な取り組みとして、連合の「雇用と就労・自立支援のためのカンパ活動」を紹介。NTT労組としても、退職者も共に取り組み、カンパ金を集約したことを説明した。
フォーラムは、最後に議論のまとめとして、『共同声明』を採択、参加国の委員長が『声明』に署名した。なお、次回フォーラムは、2010年4月末に台湾で開催される。

共同声明
我々は、2009年10月26~29日、「第7回東アジアテレコム労組フォーラム」を韓国・慶州で開催し、台湾・韓国・日本の通信労働者の地位と状況に ついて論議した。全世界を強打した金融危機の余波が未だ鎮まらず、新型インフルエンザの恐怖が拡散しつつある状況の中で開催された今回のフォーラムは、 「経済危機による雇用不安の解決方法」という共通テーマの下で進められ、4日間の討議を経て次のような合意を得た。
第1に、グローバルな問題として台頭した失業率と非正規職の増加は、東アジアの通信労働者にとっても決して例外ではなく、2009年、全労働者の雇用不 安は、我々に強固な連帯の力を求めている。よって、我々は、政府及び使用者側による人為的な構造調整を止め、組合員の雇用を安定的に確保することを共通の 目標とする。
特に、若年層における失業率の増加と女性の仕事の減少、通信市場に吹き荒れている構造調整や外注及び分離・分社の嵐は、もはや一国だけの問題ではなく、 全ての通信労働者の悩みとなっている。我々は東アジアテレコム労組フォーラムを中心に通信労働者の立場を公表することができる共同声明を発表する等、積極 的な歩みを展開していく。
第2に、通信インフラの先端化及び地殻変動は、通信労働者に対する専門性の要求を超えて、労働力需要の減少要因に変質しつつある。ゆえに我々は、通信産業の雇用創出のために、毎月1回以上、多様なツールを通じて国家間において情報を共有することを約束する。
また、固定と通信の融合の普及、インターネットテレビや無線インターネット市場の拡大、従来の固定電話市場の縮小による主要産業の不況は、通信市場がも はやこれ以上ドル箱産業ではないことを証明している。ただ、欧米諸国では、ICT産業を新たな成長戦略の柱に位置づける動きも顕著なところであり、我々の 積極的・能動的対応も求められている。それゆえ我々は、国家間の情報共有を通じ、グローバル通信市場の変化に注目し、通信インフラが雇用創出を導いていか れるよう、共に努力する。
第3に、長い歴史を誇る通信の労働運動の環境も経済停滞に影響され、各種の外圧に曝されており、決して安全地帯とは言えない。そこで我々は、政府及び使用者側が主張する不合理な労働運動環境要素に対抗し、労働運動の価値と評価を高めていく。
特に労働組合組織を瓦解させようとする行為や、労組役員に対する違法な権力行使などは決して座視することができず、国際労働機関(ILO)を通して絶えず明らかにしていく。
最後に、最も重要な責務である組合員の権利擁護を貫徹し、社会的連帯を拡大していくことを約束する。
第7回東アジアテレコム労組フォーラムに参集した我々は、全世界的な経済停滞が東アジアテレコム労組フォーラムの連帯をより一層成熟させたという点に同意し、上記の内容を熟知し、身をもって実践することを決意する。
また、今後も通信労働者の長期的発展と権利向上のため、情報共有と連帯強化を図り、互いに課題解決を図っていくことを、ここに宣言する。


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