自由化と規制、新技術導入の課題に立ち向かう世界の郵便

UNI世界郵便・ロジスティクス部会委員会が、10月1~2日、メキシコシティにおいて開催され、JP労組から、竹内委員長、中田国際部長、栗原国際担当の3名が参加した。今回の会議には世界から約60名が集まり、「自由化と規制」、「世界経済危機」、「UNIとUPUの関係」、「多国籍企業キャンペーン」、「ニューテクノロジーと郵便会社の近代化」等の郵便を取り巻く世界情勢について議論が進められた。会議の最後には、来年に迫ったUNI長崎世界大会の概要と準備状況について竹内委員長が報告し、閉会した。
今回の会議を通して、この国際金融危機、民営化・自由化の危機を乗り切るために、一層の国際連帯と情報の共有化を図ることが合意された。

自由化と規制
<日本>
竹内委員長は、「政権交代に伴う郵政事業の今後の方向性」について報告した。その中で、総選挙の結果、英国の労働党、米国の民主党、ドイツの社会民主等のように、市民、労働者、消費者を支持基盤とする政党である民主党が勝利し、政権を担当することになり、企業の目線にたった政治から決別し、福祉や環境を重視する生活者中心の社会が実現する方向になったとした。
また郵政事業についても、選挙の争点となり、マニフェストにおいて、「持株会社」、「ゆうちょ銀行」、「かんぽ生命」の株式売却凍結、「郵政事業の4分社化」の見直し等を掲げたことから、政権与党は見直しについて検討中だ。JP労組としては、パブリックな使命を持続的に維持することを大前提に、企業として収益力を確保するための経営の自由度や3事業の一体的なサービスの確保の観点から、新たな郵政事業の発展のために制度設計に全力を挙げる旨を報告した。

<米国>
NALCのジム・サーバー氏からは、経済の縮小に伴い、郵便も減少していることが報告された。金融危機によって、ヘビーユーザーである不動産関係、銀行関係、出版関係、新聞等の広告の郵便物が大幅に減少した。またインターネットの発展に伴う危機もある。経済危機を受け、2008年に最悪の減少となった。郵便事業は4.5%減少し、28億ドルの損失を出した。その結果、ダウンサイジングが行われ、過去1年だけでも100,000の雇用喪失、3,800局が削減された。
このような状況に対応するため、インターネットにリンクした新たなビジネスモデルの構築、選挙の郵便での投票、コスト削減に寄与する環境に優しいハイブリッド車や天然ガス車を用いた配達システムの構築などを推し進めているとの報告があった。

<フランス>
民営化されたケースを見ると、サービスの低下や郵便局の閉鎖など、国民生活に支障をきたすことが多く、労働組合のみならず、国民も、フランス郵政事業の民営化を望んでいない。同国民の74%が民営化に反対、特に、小さな村や町の人々は反対している。

UNIとUPUの関係
IFS送金サービスの重要性が述べられた。経済のグローバル化に伴い、世界中の移民労働者が故国の家族へ送金する必要性が高まっている。郵便局の送金システムでは銀行よりも安い手数料で送金できるので、これを広げていく必要性がUNIから強調された。

新技術の導入
新技術は進展している。経営側はその点について敏感であるべきである。また、競争相手が新技術を導入した際には、競争に打ち勝つために郵便事業者も導入するべきである。労働者も、新技術の導入について理解する必要がある。技術は労働者の敵ではなく、雇用を脅かすのもではなく、労働を楽にするものと考えるべきである。  一方、新技術の導入に伴い、外務員は外出時間が多くなり、昼食や休憩時に一緒に過ごす時間がなくなり、組合運動的にはマイナス面があることを否定できないとの声もあった。


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