商業多国籍企業に対し国際労組同盟を通じた対話と連携を

 



2009年9月30日~10月2日、アイルランド・ダブリンにおいて世界商業部会大会が開催され、日本のUIゼンセン同盟6人、自動車総連4人、サービス・流通連合7人を含め、世界36カ国52組織より、190人が出席した。
スポールディングUNI商業部会議長(米UFCW)は今大会のテーマ『より多くのよりよい雇用創出』を紹介し、主要多国籍企業に焦点をあて、労働者に便 益をもたらすことができるよう、連帯とネットワーク作りのための活発な議論を期待する、と述べた。続いて、昨年退任したフルステンボルグ前部会担当局長を 迎え、長年に渡る商業部会への献身的な活動に対し、多くの加盟組合から感謝の言葉が贈られた。
議題、議事規則の採択、大会委員会の選出に続き、本年1月より新たに就任したアルケ・ベッシガー同部会担当局長が2005~2009年の主な活動と成果 を報告した。商業企業は母国での需要減少と激化する価格競争を背景に、特に新興市場への進出を積極的に図り、寡占化とグローバル化を続けていること、金融 危機以降は消費者の低価格志向と買い控えが更に顕著化し、ディスカウント業者が隆盛を極めていること、価格競争に生き残りをかけ企業は新技術を導入し人件 費の抑制傾向に拍車がかかるなど、商業労働者へのインパクトは計り知れない。このように商業労働者を巡る厳しい状況の中で、巨大化する多国籍企業と社会対 話を通じグローバル協定を締結・実施させるためには労働者側の国際連帯、情報共有と連携が不可欠である。UNIは長崎世界大会までに50のGFA締結を目 標とし、商業部会においてもカルフール、H&M、メトロ、日本企業として初めて高島屋と締結し、今大会でインディテックスとも調印式を行う。ま た、テスコに続き、センコスッド(南米)、ショップライト(アフリカ)など地域労組同盟も結成され、今大会でもカルフール及びインディテックスの国際労組 同盟を結成する。今後は加盟組合の協力も得ながら労組間のコミュニケーションと情報収集力を更に高めていきたいと抱負を語った。
ブランドソンUNI-Apro商業部会議長は、地域の活動を総括し、マレーシア、インド、ベトナムにおける商業多国籍企業の組織化の成果と、インドネシ ア・ヒーロースーパーマーケットにおける労使パートナーシップモデルの成功を報告し、タイのテスコロータス労使やインドのメトロ労使などへの同モデルの適 用を目指して努力を続けていると述べると共に、日本の加盟組織の貢献に感謝した。

商業部門における経済危機の影響を乗り越え、いかにディーセントワークを達成するか
ILOのマイヤーズ氏は、2009年のILO総会で確認されたグローバルジョブスパクトを紹介し、経済回復には雇用創出と労働者保護を政労使一体となっ て取り組む必要があると強調した。ユーロコマース(欧州商業事業者団体)のサボイニ氏は、UNI欧州商業部会とユーロコマースの協力による中小企業強化と 自由貿易促進への貢献、フレキシビリティと労働者のセキュリティとのバランスを確保するための多様な機会及び訓練・再訓練の提供などの事例を報告し、社会 パートナー間の対話による経済危機克服の取り組みの重要性を使用者の立場からも訴えた。島田UIゼンセン同盟書記長は、日本の政権交代を報告した後、日本 においては365日24時間営業が可能であると述べ、特に商業部門における名ばかり管理職の長時間労働の実態を指摘し、UIゼンセン同盟の是正の取り組み を紹介した。アイルランド・マンデート労組のフォーブス氏は、「ケルトの虎は過去のものとなり、仕事があっても常に貧困の恐怖にさらされている。既存組合 員の既得権を守るだけでなく、未組織の労働者も組織しなければならない」と述べた。

グローバル企業、グローバルな組織化、グローバル協定
センコスッド労組同盟(南米)、ショップライト労組同盟(アフリカ)、テスコ労組同盟(グローバル)それぞれの代表から、多国籍企業労組同盟を結成する までの経緯や、情報・経験共有と使用者との対話を通じてグローバル協定の締結と各国における確実な実施・遵守を目指していく決意が語られた。
インドのグラフUNICOME(商業組織化プロジェクト)担当は、94年以降毎年7%の急成長を遂げてきた経済下、労働市場の75%以上がインフォーマ ルセクターで未組織である膨大な国において、UNICOMEは主に都市部の商業労働者の組織化に着手したと報告。ターゲットは、メトロ、ビッグバザール、 パンタローン等で、3都市にオルグを配置、マンツーマンで連絡を取りながら、新しい組合のコンセプト普及に努めている。
桜田UNI-LCJ議長は、昨年、日本で初めて締結された高島屋とのグローバル協定の背景には、労使共に社会的責任に取り組む環境と良好な労使関係が あった点を強調し、「スリーピング協定にしてはならない」との信念のもと、この1年間着実に課題を実行し、8月にはUNI本部とモニタリングを実施したこ とを報告した。

インディテックスとのグローバル協定締結
大会3日目には、カルフール及びインディテックスそれぞれのグローバル労組同盟が結成され、続いてインディテックス社CEO、UNI、スペインの2加盟 組合との間でグローバル協定が締結された。これで、来年の長崎大会までに50社とグローバル協定を締結するという目標は33社にまで達した。

行動計画、動議の採択及び選挙
資格審査委員会を代表し、村山代議員(自動車総連)は、代議員115名(女性41名、男性74名)、オブ59名、ゲスト16名、計190名、女性比率37%、青年比率6%であると報告した。
大会は行動計画を提案通り採択し、「UNI商業部会-ブレイキングスルー」と題する文書については、「各地域のニーズに従って」という文言追加など若干 の修正を含めて採択した。この他、スペイン、イタリア、ベルギーから提出された3つの連帯決議と、ジェンダー平等促進決議が採択された。
新しいUNI世界商業部会運営委員会が選出され、アジア太平洋地域(4議席)からは、オーストラリアSDA・デブリュン氏、日本UIゼンセン・橋本副書 記長、日本JSD・八野会長、シンガポールSMMEU・チュア氏が選出された。退任した島田書記長や桜田UNI-LCJ議長には感謝の意が示された。世界 議長には米UFCWのスポールディング氏が、またアジア太平洋地域選出の副議長にはデブリュン氏が再選された。予備委員と、ジェンダー平等促進決議に従い 各地区に割り当てられた女性議席については今後各地域で指名・選出することになった。
スポールディング議長は、ベッシガー局長率いる新チームの大会に向けた準備を労い、UNI商業グローバルユニオンの発展と、長崎大会で更なる成果を披露できることを期待し、閉会した。


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