フィリピン郵便労組との共同セミナーを開催

 

 
日本郵政事業の現状について説明
する栗原JP労組職員


USPSについて話す伊藤UNI-Apro
郵便・ロジスティクス担当部長


奨学金を受ける学生と共に

3月1日~3日、フィリピン・マニラ近郊で、JP労組の後援によるフィリピン郵便労組との共同セミナーが実施 され、1日のセミナーには、フィリピン郵便労組(KKKPおよびPEUP)の2つの組合から約40名が参加し、日本からは伊藤UNI-Apro郵便・ロジ スティクス担当部長と栗原JP労組職員の2名が参加した。

その中では、日本の郵政事業の現状について説明するとともに、世界の郵便物の約半分を配達する米国郵政公社(USPS)の経営危機等についても、日本から 説明を行い、フィリピンからは、フィリピンポストが現在抱える課題として、合理化計画について示され、フィリピンポストのデクルス総裁出席の中、活発な意 見交換が行われた。

今回の合理化が実現した場合、現在働いている約11,000名から、約2,000名が削減されることになっているが、削減対象の2,000人は管理者等で あり、また、彼らの退職後は現在の正社員から管理職を登用するとともに、さらに管理職への登用分の正社員を非正規社員から登用する計画を示されていること から、両労働組合とも、組合員への影響はないものとして、反対の立場を取ってはいない。

~パヤタス地区への視察~

3日には、「パヤタス地区」への視察を実施。

パヤタス地区は、アジア最大のフィリピンのゴミ集積場(焼却処分前)のふもとに位置している。そこに住む人びとの多くはゴミ集積場からまだ使えるものを拾 い出し、再販売等することで生活しており、衛生環境の悪さと貧困により、栄養状態が極端に悪い子ども達が非常に多く生活している。
UNIフィリピン加盟協のユースは、それらの子ども達の中でも、特に栄養状態の悪い子どもの栄養改善のため、給食プログラムを実施しているが、現在、活動 資金は乏しく、UNI-Aproでは、活動資金が不足している現状をふまえ、青年委員会が各種イベントでパヤタス地区の子どもの現状を報告するしおりを販 売し、その収益金を寄付するほか、カンパを呼びかけて寄付を行うなどの取り組みを行ってきた。

~奨学金受け取り家庭への訪問~

3日には合わせて、JP労組東京地方本部が行っている、フィリピン郵便労組組合員子女に対する奨学金プログラムを受けている学生の自宅を訪問。
母子家庭であるこの家庭では、母親がパートとして15年間にわたり、家の近郊の空港郵便処理施設に勤務している中、将来的には、フライトアテンダントを目 指しており、「お世話になったお母さんに恩返しをしたい」とのこと。そして、「奨学金がなければ学校に通うことは経済的に無理であったので、本当に感謝し ています」ということでもあり、奨学金の取り組みに、心からの感謝が寄せられた。

写真下:左から2番目の女性が奨学金を受けている学生。その右隣が母親(右端男性はパヤタス地区の支援を行っている郵便労組メンバー)


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