女性に対する暴力の根絶

UNIは、全ての個人が、尊厳のある公平な扱いを受ける権利があると確信している。特に、職場における暴力・ハラスメントは、あらゆる人々の尊厳を脅かし、被害者の生産性や健康、労働環境が損なわれる可能性があること、そして被害者本人だけでなく家族や地域社会、経済・社会全体に対しても悪影響を及ぼすと認識している。そこで、職場や社会全体で、セクハラ等のハラスメントや暴力を根絶するには、UNIが模範を示す必要がある。そこで、「UNI諸行事におけるプロフェッショナルで礼儀正しいふるまい」という方針が採択された。

UNI世界女性委員会は、特に職場で職位が低い、または仕事上の評価が低い労働者は被害を受けやすいこと、その多くが女性であることを認識し、ビデオやポスター、ポストカード等を使った様々な意識啓発キャンペーンを展開してきた。

オーストラリアの代議員は、小売・ファストフード業界の組合員6,000人に調査したところ、85%以上が顧客から暴言や暴力を受けていることがわかり、使用者と連携し社会全体の意識を変えるための啓発キャンペーンを始めたことを紹介した。小売・ファストフード業界には、女性や若い労働者が多い。「仕事の一環だと我慢してはならない」と労働者に伝え、会社にも労働者を保護するよう、セキュリティ、人材配置等の適切な措置を要求した。ソーシャルメディア等を通じて「店舗で働く人に八つ当たりしてはならない」という強いメッセージを社会にも訴えている。業界全体の問題であるととらえ、組合だけでなく、使用者・社会を巻き込んだ多面的な取組みを行っている。

杉山真裕子代議員(全印刷)は、日本でもセクハラが連日報道される等、社会の関心は高まってきたが、2次被害を恐れたり、声をあげても改善されない現状を報告し、加害者側にセクハラをしている認識がないことが問題だと述べた。組合でも、使用者側に職場環境改善の一環として要請し、組合員との対話を通じ、ハラスメントに関する実態調査や啓発活動等を行っている。ハラスメントを受けた2人のうち1人が何も行動を起こしていないことを問題視し、働きやすい、また相談しやすい職場づくりに努めていると報告した。

この他、家庭内暴力を受けている女性労働者の精神的・経済的支援も組合の取組むべき課題であるとの意見や、リプロダクティブヘルスを含む女性の健康問題における不平等の改善(中絶の合法化、女性が自らの健康について選択する権利を持てること)等、このテーマでは20人を超えるフロア発言があった。

大会代議員は、今後も、伝統や文化的慣習の下、女性や子供に向けられるあらゆる形態の暴力をなくすため、啓発活動を継続すること、「職場における男女労働者への暴力・ハラスメント撲滅」を目指すILO条約制定に向け、各国政府や使用者にロビー活動を継続することを含む動議5を、満場一致で採択した。


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