高齢労働者はコストではない。経験を評価せよ。

UNI Apro商業部会委員会に合わせて2012年7月1日、東京で開催された「ILO商業部門世界対話フォーラム・フォローアップ会議」には、日曜の早朝にも関わらず50名を超える参加を得た。

本会議は、2011年9月にジュネーブのILO本部で開催された「小売業における作業プロセスの変化に関連した高齢労働者のニーズに関する世界対話フォーラム」のフォローアップとして開かれた。今回のUNI Apro商業部会委員会では、高齢労働者の雇用を生み出し、高齢労働者のための適切な措置を講じた優れた事例を共有した。

ブラッドソンUNI-Apro商業部会議長による開会挨拶の後、上岡ILO駐日代表は、「高齢者の問題は今、全世界で話題になっており、グローバル化とそれに伴う競争の激化の中で、高齢労働者の問題がどのような意味を持つかについて、本日の議論に期待する」と挨拶、高齢者雇用促進法など、日本の状況についても、フォーラム結論文書の内容と関連付けて説明した。

桜田ILO労働側理事は、最近のILO活動を報告した。まず国際労働運動全体で支持したガイ・ライダー氏がILO事務局長に選出された意味を語り、続いて国際労働基準の中核的8条約の批准、基準設定及び監視というILOの基本的機能などの説明と現状、使用者側の条約勧告適用専門家委員会における攻勢などを説明した。

また、日本政府代表としてフォーラムに参加した伊澤厚生労働省大臣官房統計情報部長は、講演の中で「厚生労働省は、60歳代の雇用の確保、再就職の促進、多様な参加の三本柱を中心に推し進めている。9割以上の企業は定年後の雇用を実現しているが、継続雇用制度が適用されなかった労働者についても、例外を廃止し、雇用と年金を結びつけることが重要である。今国会で、高齢者雇用安定法改正案を提出しており、ぜひ通したいとの決意を示すことが重要」と述べた。

次に、ILO討論フォーラムの参加者が感想を述べた。
労働側代表として出席した田村UIゼンセン同盟副書記長からは、①小売商業の経営側の過度の顧客重視、②高齢者ではなく、ベテラン労働者という視点、③研修・教育・訓練システムを作る必要性、④専門店の人々にも目を向ける必要性(モールの営業時間が延びると専門店の労働者は大変である)という4点が提示された。

同じくフォーラムに参加した俣野JSD事務局次長は「高齢労働者をコストとして捉えるのではなく、熟練した戦力として捉えるべきだ。この問題は、政労使三者による働きかけが重要、その意味で日本は政労使三者が参加し、会議のイニシアチブを取ることができた。世界共通の課題であり、フォーラムの継続が重要である」と発言した。

ブラッドソンUNI Apro商業部会議長は、「今後オーストラリアでも高齢者が増えていく見込みだが、高齢労働者の多くは仕事を続けたいと考えており、彼らの労働の価値を認めなければならない。高齢労働者は、生産性、モチベーションは高く、転職の割合が低く、組織の安定化に貢献できる。何よりも企業の記憶を保持しており、顧客の多様性にも対応できる。我々には制度として、年齢差別監視コミッショナーが必要だ。ディーセントな労働を維持するしくみを考えよう」と述べた。また、シンガポール、インドネシア、香港からも経験が共有され、質疑応答時には、移民と育児についての質問が出された。

閉会にあたり、ウンUNI-Apro地域書記長は「先進国では高齢化傾向が加速しており、雇用機会を調整し、安全な労働環境を創出する必要がある。高齢労働者はコストではなく、経験ある労働者として見做されるべきだ。高齢労働者が技術の進歩についていけるよう訓練を再検討し、労働組合は商業部門の方針を打ち出すに当たり、これらのニーズを検討しなければならない」と発言し、この分野における経験を広め共有する上で日本の果たすべき役割の大きさについても強調した。

Global Dialog Forum – Singapore-J

ILO商業世界対話フォーラム報告書

MHLW-Mr. Isawa’s presentation-J

SDA Report on Valuing Older workers – J


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