UNI Apro金融部会委員会

UNI Apro金融部会委員会が、2015年12月5日、マレーシア・クアラルンプールで開催された。

田原UNI Apro金融部会議長は、UNI世界金融部会大会を振り返り、大手銀行の実体経済への投資額が資本の20%に満たないことを「投機的投資業務が中心となっている」と批判、実体経済への投資を行っている割合によって銀行を分類し、その上で実体経済へ投資している商業銀行に対し、投機が中心の投資銀行よりも税制面において優遇すべきではないかとのUNIの提言を支持した。続いて日本の現状についても触れ、地域密着型経営が特徴で、地域経済の活性化が本来の役割である地銀が、規模や拠点を拡大することに奔走している現状に疑問を呈した。AECの発足にあたり、今後、労使関係をどのように構築していくかが非常に重要になってきていると述べた。また、ブラジル・コントラフのリタ氏のUNI世界金融部会議長への就任を祝福し、参加を歓迎した。

活動報告

プリヤラル部長は次のように述べた。「一番大きな課題は組織化であるが、アクシス銀行労組のUNI加盟に成功する等、特にインドの民間銀行の組織化で良い成果をあげることができた。ABUC(ASEAN銀行労組協議会)も昨年マニラでの会議に続き行動を開始している。インドの成功を踏まえて、SAFSUC(南アジア金融労組協議会)会議を早急に開催したい。アジア開発銀行年次総会でも良い仕事をした。ADB総裁は我々のスタンス支持している。AIBBにも対話の申し入れを行った。」

ソーシャル・コンパクト

リタUNI世界金融部会議長がソーシャル・コンパクトの意義を述べた。「金融部門の規制とモニタリングの強化を軸に、投資銀行業務の転換を図る。例えば、取締役会議に労働者代表を入れること等が考えられる。持続可能な金融システムの促進、金融システムの多様性の促進、販売とアドバイス、顧客のセキュリティー強化等を実現し、金融産業の内外でディーセントな雇用を創出することができる。ソーシャル・コンパクトを実現するためには何が必要かを今後考えていくが、できるところから始めたい。」これを受けてプリヤラル部長は、「UNI Apro金融部会にとっても重要な提起である。地域大会に提出する動議No.3の中に文言を追加したい」と提案し、UNI Apro執行委員会の中で提起することとなった。

ASEAN地域社会対話

ジャカルタで8月に開催されたILOアジア太平洋地域金融部門三者構成会議について、討論が行われた。田原議長は次のように報告した。「ILOはASEANの、特に金融部門に注目している。ILOのセンダニョエ氏は、ディーセントワークの実現のためには社会対話が不可欠だと述べ、政労使三者対話の促進を強調した。その中で、モデルとしてフィリピンの銀行産業三者対話の好事例が紹介された。資本主義は本質的に不安定であり、金融危機を阻止することは実際には不可能だとしても、社会対話を推進していくことは重要であることが認識された。」

ウマリ委員(フィリピン)からは、ABUC(ASEAN銀行労組協議会)を拡大していきたいという希望が表明された。

キャサリン委員(マレーシア)は、「HSBCのグローバル労組アライアンスを作ることで合意した。ABUCの下で様々な行動を検討していく必要がある。来年、我が労組(サバ銀行労組)も、サラワク銀行労組も50周年を迎える。その記念行事と合わせてABUC会議を開催してはどうか。サラワク銀行労組は9月17日、サバ銀行労組は9月22日を予定している」とABUC会議の受入れを申し出た。

オブ参加した渡邊全信連中央委員は、「社会対話を行う上で重要なことは、社会対話の目的を全員が意識すること、そして政府、企業、労働者が単に自分たちの利益だけを主張、追求するのではなく、目指すべき方向性を広い視野で見定め、健全な発展に寄与するための対話を考える必要がある」と意見を述べた。

活動計画と優先課題

プリヤラル部長からは、「パキスタンで青年と女性の組織化を目的とした会議を開催したい。パキスタンではテロ活動等のため、組合員を失いつつある。この問題を克服していかなければならない。生命保険業界労組は一つの委員会を作る決定を行い、組織のマッピングを行った。20社以上あるが、統一に向けて努力したい」と、主に南アジアの金融部門組織化に向けての提起があった。バングラデシュからも、「銀行が労働基本権侵害を行っていると申し立てを行った」と報告があった。その他インド、フィージー、スリランカからも報告があった。最後にルーク委員から、「保険部門の組織化が進んでいることを嬉しく思う。ぜひこの動きを広げて欲しい」と感謝の言葉が述べられた。


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