UNI Apro/情報労連青年ワークショップ(2015年10月9~12日、マニラ)の参加者は、ミッシェル・ベリーノUNI Apro青年委員会議長にインタビューを行なった。
聞き手(情報労連・後藤) 「議長を務めるに至った経緯は?」
ミッシェル議長 「もとは企業別組合(BDO労組)で青年委員会の一委員でした。2004年、UNI Aproの活動に積極的に取り組んでいた関係でUNI-PLC青年委員会書記に選出されました。やがて前任を引継ぐ形でUNI Apro青年委員会副議長となり、その後、議長に選出されました。」
聞き手(情報労連・山口) 「最初に労働組合に関心を持つようになったきっかけは?」
ミッシェル議長 「フィリピンの銀行業界は企業別組合で、試用期間が終わると自動的に組合員になります。そのため、青年委員になった当初は組合に対する理解が未熟で、半ば趣味として務めていました。その当時から特に注力している活動が主に2つあります。1つはパヤタス(ゴミ集積場付近の貧困層が多く住む地域)の児童支援プログラム、もう1つはキャンパス活動です。キャンパス活動とは、大学と提携して、就職する前に「組合とは何か」を知ってもらう活動です。対外的には、寄付金を募るためにパヤタスの活動を大きく発信していますが、キャンパス活動も同じ比重で現在も取り組んでいます。この活動を通じて、労働者の権利を知ることが重要だと改めて感じました。また、労働組合を担っていく人を増やす、という側面でもとても意義があります。」
山口 「日本でも入社後には説明の機会がありますが、学生までには裾野を広げられていません。ぜひ持ち帰って実践したいです。」
ミッシェル議長 「キャンパス活動は地方自治体と連携できた点からも、うまく機能しています。連携できた地域内の学校では、授業として組合を理解する場が設けられています。」
後藤 「日本もフィリピンと同様に、組合員の中で組合に対する理解がなかなか広がらないという課題を抱えています。役員を務めていない一般組合員の関心度を高めるコツは?」
ミッシェル議長 「継続して参加を呼びかけていくことが大切です。報告を聞いてもらうだけでは巻き込めません。例えば情報労連で行っている平和活動は参加型ですし、とても効果的だと思います。少人数でも実際に参加してもらうことが大切です。」
後藤 「機関紙の発行なども、読んだその場で終わってしまい、なかなか次の行動につながりにくい現状があります。」
ミッシェル議長 「パヤタス活動も、当初はパンフレットなどを作成していましたが、同じ状況でした。今は広報にあてていた分を寄付に回しています。また、青年委員会ではメンバーの誕生日を祝う代わりに、パヤタスへの寄付金にしています。みんなで食事に出かけるとそれなりの出費があります。それならば、4分の1の額でもいいから寄付に回そう、ということです。青年委員に限らず一般組合員へも呼びかけています。フィリピンでの活動経験を日本に持ち帰ってもらえたら嬉しいです。」
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