国内外でご活躍のUNIリーダーから、国際労働運動でのご経験や意義についてお伺いするコーナー。今回は、デニス・マクガイアUNI世界女性委員会議長(英国 プロスペクト委員長)です。
組合活動、そして国際活動に関わるようになったきっかけは?
組合に入って数か月後、支部で全国大会の話をしていた時、先輩役員が出席できなくなったというので、私は代役として行くことになりました。そこで、職場を良くしようという同じ志を持った人たちに会い、笑いあり、楽しいことありで、すぐに組合の魅力に憑りつかれてしまいました!
初めての国際労働運動への関わりは、多国籍委員会への参加でした。ある会社が世界のどこで事業を行おうとも、組合をつくって労働者を組織しようという試みでした。米国の通信労組の役員だった、モートン・バー氏やラリー・コーエン氏と知り合い、様々なことを学べたのは光栄でした。
その後、2010年に長崎で第3回UNI世界女性大会が開かれる2年ほど前に、私はUNI世界女性委員会の議長に選ばれましたが、そこから試練が始まりました。重責を担うと同時に、大会の準備に関わるようになったからです。大会でどのような課題を議論するかはもとより、大会の1年も前から休憩時間を特定せよと言われ、日本のきっちりした事前計画、時間厳守のスタイルを学びました。
日本についての印象は?
長崎大会が初めての来日でした。どこへ行っても、エネルギーを感じ、創造的で、人々は大変親切で他人を思いやる…私は日本が大好きになりました。駅でも、電車の中でも、東京の地下鉄でも、店でも、どこでも助けてもらいました。長崎では、UNI10周年記念と平和公園での式典が印象深く、また被爆者の話に心を打たれました。長崎の路面電車に乗っていた子供達は、きちんとした身なりで行儀良く、今まで見た子供達の中で一番でした。
ケープタウン世界女性大会はいかがでしたか?
2014年、ケープタウンで第4回UNI世界大会が開かれましたが、格別の経験となりました。長崎大会より良い大会にすることはできないのではないかと思っていましたが、アパルトヘイトの歴史や、それを廃止しようと闘ったリーダー達の言葉を聞いて、たとえ私のしたこと(例えばTシャツを着てデモに参加するとか、南アフリカの製品をボイコットするなど)は非常に小さな貢献でも、私もその歴史の一部だったのだと感じることができました。ケープタウン大会に日本からこれほど多くの若い女性代議員が参加してくれたのは嬉しいことでしたし、素晴らしい英語でスピーチしたのも印象的でした。
次の世界女性大会は2018年、私の国リバプールで開かれますが、レベルが日本で、そして南アフリカで上げられてしまい、大変なプレッシャーを感じています。UNIの仲間は皆、2つの大会を絶賛しており、特に長崎の「赤ジャケット」ボランティアは素晴らしかったと今でも覚えています。リバプールでも、若手組合活動家が長崎方式を再現して世界の皆さんをご案内できればと願っています。
UNIグローバルユニオンはどのような活動をしているのでしょう?
グローバルユニオンを通じて国際機関や多国籍企業に挑めば、最良の結果が得られるだろうと私は確信しています。大手多国籍企業の中には、世界の国々より経済力や影響力の大きい企業もあります。UNIグローバルユニオンは、ゲームのルールを変えたい、働く人々が安定した良い労働条件の仕事に就けるようにしたい、労働者が生み出した利益を(例えば良い賃金という形で)公平に分配してほしいと願っています。
その運動の一翼を担えるのはとても光栄なことで、私達ひとりひとりがその中で果たすべき役割があります。UNIの活動を支える、組織化・組合員勧誘を積極的に推進する、グローバル協定の締結交渉をする、ロビー活動を行う、闘争する…国を超えて一緒に行動することで、世界中の人々のために正義と平等を勝ち取ることができると思います。
グローバルな舞台で日本のUNIメンバーに期待する役割は?
日本はアジア太平洋地域だけでなく、世界でも重要な国です。日本の組合員の皆さんからの連帯によって、世界中の兄弟姉妹が助けられています。誰もが平和な世界、恐怖の無い世界、尊厳のある職場をつくるために奮闘しています。特にこれから職業人生の長い若い労働者・組合員の皆さんへ。どのような未来になってほしいかを考える絶好の機会に、是非UNI運動に参加してください。UNIを通じて皆さんの望む世界を実現していくチャンスを掴んでください。
長年、UNI運動に関わって来られた日本の役員の皆さんには、大きな感謝を申し上げます。皆さんこそ、UNIをこのように素晴らしいグローバルユニオンにしてくださったのですから!
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