2014年9月24日、UNI-LCJは西浦昭雄創価大学教授(学士課程教育機構副機構長)を講師に迎え、南アフリカの労使関係について講演を受けた。今回が2回目となるアフリカ講座には、70人以上が参加し、南アフリカの現状、アパルトヘイト時代から民主化以降労使関係がどのように変化してきたのかなどを学んだ。
アパルトヘイト時代、アフリカ人男性は「employee」の定義から除外され、団体交渉権を与えられなかった。しかし、シャープビル事件(1960年)、ソウェト蜂起(1976年)等の差別強化やそれに対する解放闘争が国際的にも報道されるようになり、1970年代に転機が訪れる。ストライキの権利が与えられ、アフリカ人労組の結成、団体交渉が可能となった。1980年代、労働組合は反アパルトヘイト運動の中核を担い、1994年の民主化後は、最大労組連合組織(COSATU)が政権与党と同盟を結び、多くの大臣・議員を輩出したり、政労使の意見調整機関であるNEDLACを通じて経済・労働政策への影響力を高めた。さらに黒人の経済力向上を目指したBlack Economic Empowerment (BEE) 政策を進める中、黒人も経営者となり、黒人使用者と黒人労働者という新たな労使関係が浮上してきている。
最後に、相原UNI-LCJ議長は「南アフリカの課題=アフリカ全体の課題とはとらえられないだろう。雇用につながる支援とは何か。我々はどのようなことが出来るのか。」と質問した。それに対し、西浦教授は「生産性向上のための日本の経験、すなわち労使協力して競争力を高め、待遇の向上につなげる取り組みには関心を持っている。アフリカの様々な課題が凝縮しているのが南アフリカである。」と答え、閉会した。
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