
UNIがILO総会を前に2025年5月末に発表した新たな報告書は、ケア部門の正規化と労働組合の組織化の強化を緊急に求めている。今年のILO総会で非正規雇用が主要な議題となる中、報告書は、労働者の権利を保障し、産業における集団的力を構築する以外に、各国が急増するケアの需要に対応し、すべての人々に質の高い尊厳あるサービスを提供する方法はないと主張している。
『ディーセントワークの加速:在宅介護とコミュニティ・ヘルスワーカーの正規化』と題されたこの報告書は、UNIが8,700人以上の労働者から収集したデータに基づくものだ。ブラジルからネパール、米国ワシントン州までの事例研究を提示し、労働組合の組織化がケア部門における保護の強化と正規雇用への動きを促進していることを示している。
クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「ケア部門の正規化は単なる正義の問題ではない。強靭で包摂的な社会を築き、質の高いケアを提供するために不可欠だ。ケアの仕事を改善せずに、世界でケアの危機を解決することはできない」と強調する。
報告書は深刻な現実を暴露している。ネパールでは調査対象のコミュニティ・ヘルスワーカーの100%が、報酬のないボランティアとして分類されている。パキスタンでは、サービス提供中に嫌がらせや脅迫を受けたとの報告がある。コロンビアでは、家族介護者は訓練を受けたり、契約を取り交わすこともなく、福利厚生のない中で複数の仕事を兼業している。
コロンビアのケア労働者ネットワークのメンバーであるマリア・エリサ・アルファロ氏は、「私たちは愛や家族、ケアする人々への高い責任感から、在宅介護の労働者になった。政府、州、国家の公共政策が、介護を正式な職業として認めることを求めている。そして介護労働者として年金、医療保険、そして私たち自身がケアを受ける権利を求める」と述べた。
報告書は、労働組合によって得られた画期的な進展を紹介している。
●ブラジルでは、コミュニティ・ヘルスワーカーが数十年にわたる組織化活動の結果、正式な公務員として給与を支給されるようになった。
●スリランカでは、助産師が政府による研修を受け公認の公務員として認められた。
●フィリピンでは、バランガイ・ヘルスワーカー連盟とUNI加盟組織が推進する「バランガイ保健従事者基本法」が間もなく署名され、約50万人の労働者に定期的な給与、保険、研修が約束される。
●ワシントン州では、国際サービス従業員労働組合(SEIU) 775支部の取組みにより、在宅介護労働者が医療保険、年金、有給休暇を獲得した。
●ドミニカ共和国では、ほとんどの在宅介護労働者が無契約で働き、訓練や社会保護を受けていないが、FENAMUTRAなどの労組が改革を推進している。政府のイニシアチブ「Familias de Cariño」は、地域の介護労働者に手当を提供することで高齢者の介護をする労働者の正規化を支援しており、2025年までに参加者を50人から290人に拡大する計画である。
UNIは各国政府に対し、公的資金で雇用されるすべての介護労働者が正規雇用され、社会保護を受ける権利を保障するよう求めている。スリランカ、ブラジル、ワシントン州の例は、政治的意志があれば正規雇用化が可能であることを示している。現在、無報酬のボランティア制度、家族への直接支払い、不安定な雇用契約といった非正規の労働に依存している国は、介護労働者の組合と協力し、これらの役割を適切な訓練と職業基準を備えた正式雇用に移行する必要がある。新たな国家介護システムが構築される際、正規雇用化は最初から組み込まれなければならない。
またUNIは国際的な資金提供機関に対し、投資の条件として完全な正規化と訓練へのアクセスを要求するよう呼びかけている。
報告書は、政府と労働組合の双方に向けた重要な教訓を指摘している。つまり国の規制は統一基準を確保し、持続的な政治的関与が改革を実現し、訓練と認定は介護労働を正規の職業とする上で不可欠である、ということだ。
クリスティ・ホフマンUNI書記長は「この報告書は、行動を促している。介護労働者は組織化を進めている。今こそ、政府と使用者が行動を起こす時だ」と訴えた。