オーストラリアの介護労働者、歴史的な28.5%の賃上げを獲得

オーストラリアで高齢者介護を担う労働者にとって、大きな勝利となる画期的な決定が下された。公正労働委員会(FWC)が、高齢者介護部門全体で最大28.5%の賃上げを承認したのだ。この決定は、同部門で働く全従業員の25%の賃上げを提唱してきた医療サービス労組(HSU)が2020年11月に開始した法廷闘争を受けたものである。

HSUは、多くの場合ジェンダーに基づく偏見が原因で介護労働が歴史的に過小評価されてきたことを指摘してきたが、今回FWCはこの事実を認めた形だ。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、今回の賃上げを高齢者介護に携わる労働者の記念すべき勝利として祝福し、「今回の勝利は、単に数字だけの問題ではない。公正な報酬を求めて継続的に闘ってきた我々にとって極めて重要な瞬間であり、介護労働者が社会で果たしているかけがえのない役割を認めるものだ。介護労働者と介護専門職全体の明るい未来を祝いたい」と述べた。

2022年にFWCは、直接的に介護に従事する職員の賃金を暫定的に15%引き上げ、一定の懸念に対処したが、労働組合側は、賃金は依然として介護職員の深刻な不足を緩和するには不十分であると主張してきた。

今回の決定により、直接介護に従事する職員の時給は、従来の15%の暫定分を含め、18〜28%の引き上げに調整され、洗濯、清掃、給食などの支援サービスに携わる職員は、6.8%の賃上げとなる。これは、介護労組のキャンペーンにより、オーストラリア政府が昨年、高齢者介護に従事する労働者の賃金を15%引き上げるための公的資金を提供したことを踏まえたものである。

ユナイテッド・ワーカーズ・ユニオン(UWU)もこの決定を賞賛したが、高齢者介護部門で重要な役割を果たす支援サービスに関わる労働者の権利のために、まだやるべきことがあると強調した。

キャロライン・スミスUWU高齢者介護部門担当部長は、「高齢者介護を担う労働者が施設入居者のために質の高いケアの中核を担っており、それに見合った賃金が支払われるべきとの、今回の歴史的な認識を獲得したことを歓迎する」と述べつつ、「高齢者介護において重要な働きをしている支援サービスの従事者が十分に評価されないことは、組合員にとって非常に残念なこと。介護部門において、ケータリング、清掃、洗濯、保守管理に携わる労働者は、入居者の生活において重要な役割を果たしている」と強調した。

「高齢者介護の質と安全性に関する王立委員会」からの勧告を受けた今回の決定は、介護施設と訪問介護の両分野で働く20万人以上の介護労働者に影響を与えることが見込まれる。この委員会は、制度内での過重労働、ネグレクト、虐待を含む低賃金労働が引き起こしうる悲惨な影響について指摘している。

アンソニー・アルバニージー豪首相は、介護労働者に対する報酬改善の必要性を認め、「(オーストラリアの高齢者の)介護を担う労働者は、敬意とより良い報酬を得るべき」と強調した。同首相は、介護労働者の賃金を15%引き上げた以前の取組みと同様、政府がFWCの調査結果を見直し、対応することを約束した。