持続可能な成長に向け、労働者も年金運用に関与を

2014年6月23~24日、インドネシア・ジャカルタで第17回UNI Apro金融部会委員会及びUNI Apro保険労組ネットワーク会議が開催され、田原將一損保労連委員長が初めてUNI Apro金融部会議長として委員会を采配した。日本からは、佐藤友美労済労連副委員長、西村卓洋全信連書記長、下牧祥子三菱UFJ信託銀行従組副書記長が出席した。佐藤氏は東アジア地区の女性の正委員として確認された。

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開催国インドネシアの加盟組合Aspekのサブダ書記長は、全員を歓迎し、「インドネシアの金融労組組織拡大につながるよう、皆さんと情報交換するのを楽しみにしている」と挨拶した。クリストファー・ウンUNI Apro地域書記長は、中国の影響力増大がグローバルなパワーバランスに及ぼすインパクトを想起し、ASEAN経済共同体成立を来年に控え、UNI及び労働組合の果たすべき役割の重要性を繰り返し強調した。田原議長は冒頭、日本の情勢を紹介し、金融産業の役割の重要性を述べ、UNI-LCJ金融部会として組織化を自らの課題と捉え邁進していると挨拶した。

ジャヤスリ・プリヤラルUNI Apro金融部会担当部長は、「各国での活発な活動の結果、UNI Apro金融部会は加盟組合数48となった。次期大会までに20カ国50組合、60万人を達成したい」と報告した。

モンザネ局長から、「コミュニケーション、規制、CSR、組織化の4つの作業部会を設け、各地域の加盟組合に参加してもらうことによって、UNI金融部会の運営をボトムアップしたい」との主旨説明を受け、プリヤラル部長が担当する委員/組合/国を提案した。早急に担当者/組合を確定し、作業部会毎に行動計画案を策定し、来年10月のUNI世界金融部会大会に提起する。定期的なスカイプ会議を行いながら進めていくこと等が確認された。

「女性の金融包摂を高めるために」という議題では、小川陽子UNI Apro女性担当部長の導入に続き、佐藤委員は労済労連における男女平等参画活動について、キャサリン委員はマレーシアにおけるシングルマザーへの起業支援プログラムについて、ジャスミン委員はシンガポールにおける女性の復職支援プログラムについて、シュルティ委員は男性優位なインド社会における女性の地位向上の困難さについて述べた。女性が基本的金融サービスにアクセスし、経済的地位を向上させるためには、金融教育及び機会の提供が重要であるという点で認識が一致した。

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「持続可能な成長のための年金基金」という議題では、田原議長が、日本の年金制度の概要と財政的課題を説明し、生保労連の欧州調査結果も紹介した。欧州や日本をはじめとするアジアで高齢化が進み、公的保障と私的保障の適切な組み合わせによる生活保障システムをめざした論議がなされる中、私的保障による補完・上乗せ・代替の商品を提供する「保険を含む金融機関」が果たす役割は大きく、金融機関の経営チェック機能を担っている労組の役割も大きいと強調した。

ロ二・フェブリアントKSPI広報・国際担当は、現在の社会保障制度の不公平さやカバー率の低さ、社会保障プログラムに参加しない企業にも制裁が無い等の問題点を指摘し、「KSPIは社会保障を全ての人に適用すべく闘っている」と述べた。続いて、英国の独立した年金監視団体NGO「シェアアクション」のキャサリン・ホワースCEOがスカイプビデオを通じて参加し、年金基金の責任投資を促進するための活動やキャンペーンを紹介した。西村全信連書記長は、日本の年金制度と特徴、退職金制度、企業年金制度の変遷等について説明した。キャサリン委員は、マレーシアの民間部門労働者の強制積立制度である従業員退職基金について説明し、寿命が延びる中、貯蓄額が足りるかどうか、退職後すぐ資金を使い切ってしまうケース、退職後のニーズの多様化等の課題を共有した。ナラシマン委員は、インドで2004年以降導入された確定拠出型の新年金制度(2004年以降採用の公務員は強制加入、18~60歳の国民は自営業も含め任意加入)について説明し、労働者の多くが知識不足から従来の確定給付型の復活を望んでいると述べた。ヌワン委員は、スリランカは南アジアでは社会保障のカバー率が最も高いとしながらも、確定給付型から確定拠出型へ移行したと述べ、企業拠出額の減少と従業員拠出額の増加傾向を逆転させるべく労組は闘っていると報告した。

田原議長は、年金基金の責任投資を確保するためにも、労働者の代表を基金運用及び監視に関与させる必要があるとまとめた。

 


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