労使が心理社会的リスクに関するEU指令を強く求めている―UNI欧州委託調査で

UNI欧州が委託した調査によると、労働組合や使用者といった社会パートナーの間で、心理社会的リスクに関するEU指令を求める声が圧倒的に多いことが分かった。

COVID-19パンデミックにより、女性に対する暴力が対面でもオンライン上でも、驚くほど増加している。一方で被害を受けた女性たちは、情報を得たりや援助を受ける機会を得られないまま、著しく孤立している。家庭内暴力は、パンデミックの間に3分の1増加している。またリモートワークによって、仕事に関連したセクシャル・ハラスメントがオンライン上で蔓延していることも、明らかになっている。

この問題について規模を明確に把握するため、UNI欧州は、欧州連合(EU)が共同出資する『仕事の世界における暴力とハラスメントを撲滅する』プロジェクトの一環として、調査を依頼した。この調査は、より広範な安全衛生対策の一環として、ジェンダーに基づく暴力やハラスメント、職場に影響を及ぼす家庭内暴力、第三者による暴力の防止に共同または単独で取り組む労働組合と使用者を対象に、実施された。

228の労働組合と18の使用者が協力したこの調査によると、COVID-19パンデミック中にテレワークが増加したことが家庭内暴力に与えた最も顕著な影響は、管理職が家庭内暴力の兆候に気づきにくくなったことである(労働組合57%、使用者75%)。職場で最も蔓延している女性労働者に対する虐待の形態として、労働組合側の76%の回答者が言葉によるハラスメント、53%の回答者がセクシャル・ハラスメント、52%の回答者が脅迫または威嚇を報告している。

労使の回答ともに、職場の問題としての家庭内暴力の最も顕著な心理社会的リスクとして、恐怖、ストレス、不安を挙げている(労働組合79%、使用者88%)。心理社会的リスクを軽減するために、心理社会的リスクに関するEU指令の制定を求める声が、党派を超えて強く出ていることが分かった(労働組合91%、使用者100%)。

労働組合は、職場での暴力やハラスメントの防止における団体交渉の可能性について、概して使用者側よりもかなり熱意を示している。調査に回答した労働組合と使用者の多くが、自部門に関連する共同声明や文書の作成に立ち会っており(労働組合75%、使用者83%)、政策、協約、プロトコルやガイドラインの普及などに取組んでいる。

2023年11月に、UNI欧州と社会パートナーは、職場における暴力とハラスメン トの撲滅に関する初のガイドラインに署名している。UNI欧州は引き続き、暴力やハラスメントから労働者を保護するガイドラインの拡大・実施に尽力していく。