スウェーデンの商業労働者は、持続可能な商業部門を求めている

スウェーデンの労働組合Handelsが発表した新しい報告書によると、商業労働者は、商業部門が環境に与える悪影響を軽減するよう使用者に働きかけ、良好な労働条件を生み出す持続可能な社会に向けた公正な移行を望んでいることが明らかになった。

『労働組合の課題としての環境・気候』と題されたこの報告書は、スウェーデンの商業労組であるHandelsが、環境・気候問題への取組みを定めた大会決議を受け、2020年から2022年にかけて行った4種類の調査・報告書をまとめたものである。Handelsの組合員に対して実施した調査に照らし、気候問題に対する労働者の見解を伝えている。

●労働者は環境・気候問題に関心を持っているー回答者の88%は、環境・気候問題に十分または部分的に関心を持っているとした。
●労働者は商業の影響を懸念しているー回答者の80%が、商業部門が環境や気候に与える悪影響を懸念していると述べた。
●アマゾンは重要な関心事であるー72%の労働者が、2020年のスウェーデンへのアマゾン進出により、労働環境と環境の持続可能性が損なわれている可能性があると回答している。
●労働者は、商業部門が環境への影響を軽減することを望んでいるー調査した労働者のうち、「商業は環境と気候への影響を減らす必要がある」点に同意した労働者が71%、ある程度同意した労働者は20%となった。
●気候正義、労働条件の改善ー労働者は変化を求める一方、64%の労働者は、導入される環境対策は、良好な労働条件や職場環境と両立するものであるべきだと強調している。
●気候正義と労働者の権利は、トレードオフの関係であってはならないー労働者の約80%が、 環境や気候に関連する議論によって 、労働条件や労働者の権利を悪化させる可能性のある行動が見えなくされる可能性がある点を強調した。
●労働者が適切に訓練されていないー職場の研修やスキル開発の取組みに、環境・気候問題が含まれていると回答したのは、回答者のうち、わずか24%である。
●労働者は、会社に影響力を及ぼしたいと考えているー10 人中 9 人の労働者が、勤務する会社における環境・気候問題に対して影響力を高めることに関心を示している。労働者が影響力を行使したいと考える分野では、「スキル開発の強化」、「環境改善と良好な労働条件の組み合わせ」、「環境にやさしい職場」が上位に挙げられた。
●公正な移行を中核とすべきであるー労働者の約95%がHandelsに対し、公正な移行に重点的に取組むことを求めている。労働者は組合に対し、良好な労働条件、良好な労働環境、労働者の適切なスキル開発と両立する気候対策の促進を期待している。労働者の中心的な要求は、「誰もが持続可能な消費をできる公正な移行」である。

報告書は、労働組合が気候変動の問題に関与しなければ、気候問題を市場の勢力などに委ねることになり、労働者はより大きな代償を支払うことになるという点を強調している。また、労働組合が環境問題においてどのような変化をもたらしうるかを詳細に分析し、公正な移行を確保するための国際協力とグローバル枠組み協定の重要性も強調している。 報告では、商業部門が環境に与える悪影響を最小限にするための40以上の対策と行動を提示し、労働組合運動が連携して気候危機がもたらす課題に取組んでいくことを呼びかけている。