
グリーンとデジタルの双子の移行は、EUの優先課題として認識されている。「欧州社会権の柱」アクションプランの中では、「社会対話、情報、協議、そして様々なレベル(企業や産別を含む)における労働者と労働者代表の参加は、特に進行中の2つの移行と仕事の世界の変化を視野に入れ、経済の移行を形作り、職場の革新を促進する上で、重要な役割を果たす」と説明されている。
これを実現するため、UNI 欧州は、EUから資金を得た 2年間の プロジェクト「双子の移行を実現する:商業部門における2つの移行に関する社会対話の強化方法」を立ち上げた。このプロジェクトの一環として、商業部門におけるグリーンおよびデジタルの移行をどのように形成するかについて、組合に対する指針と提言を盛り込んだツールキットを作成予定である。
またこのプロジェクトは、2つの移行が、新たな雇用機会、生産性の向上、労働条件の改善、新たな業務編成など、労使に明確な利益をもたらすようにすることを目的としている。
このプロジェクトでは、イタリア、ハンガリー、スウェーデン、オランダの4つの対象国に焦点を当てているが、2024年に完成予定のツールキットは、すべての欧州加盟組織、社会パートナー、商業部門の主要ステークホルダーを対象とし、使用者、労働者とその代表者を動機付け、指針となって支えるものとなる。
2022年10月24日に開催されたプロジェクト運営グループの第 1 回会合に続いて、UNI欧州商業部会加盟組織に対するオンライン調査が間もなく開始する。調査では、2つの移行を扱う社会対話と団体協約に関するこれまでの事例、課題、戦略に関して、情報提供を求める。調査結果は、専門家の政策報告とともに、2023年春に予定されている対象国における一連の国内ワークショップにおいて、概要報告書として示される予定だ。ワークショップでは、参加者は優良事例を共有し、ツールキットの原案作成に必要な情報を提供していく。
プロジェクトの活動は、グリーンおよびデジタルの移行がもたらす仕事の世界におけるリスク、機会、課題について、使用者、労働者とその代表の意識を啓発し、理解を向上させることにつながるだろう。同時に、このプロジェクトの重要なメッセージは、今後の政策決定プロセスにおいて 社会対話は 不可欠な要素であるということだ。