テレパフォーマンス従業員、年間1000万ユーロ相当の無給労働-新たな報告書が推定

3月25日にUNIが発表した報告書『働きがいのある会社ではない:テレパフォーマンスでのより良い職場作りに向けた事例』には、全世界で40万人の従業員を抱えるテレパフォーマンスのコールセンター事業における広範な労働者の権利問題が詳述されており、中でも労働者が同社のシステムにログインする際の無給の労働時間は年間推定1000万ユーロにのぼるとしている。

この調査では、11か国における無給労働、安全衛生に関する苦情、労働者に対する過度の監視、積極的な労働組合回避が報告されており、3月下旬に行われた同社主要株主との非公開会議で初めて発表された。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「この報告書は、世界中の労働者がテレパフォーマンス社の雇用改善を求めて組織化している理由を示している」と述べ、「同社の労働慣行には根本的な問題がある。同社の巨大な事業規模、グローバルな展開、仕事の未来に対する影響力の増大を考えると、組合や株主を含むすべての利害関係者が一丸となって変革を推し進めることが急務だ」と力を込めた。

英国に拠点を置くコーポレート・ガバナンスの分野で優れたコンサルティング会社PIRCが、「ソーシャル・ウォッシング」に関する調査結果を発表した1週間後に、今回の報告書『働きがいのある会社ではない』が発表された。PIRCの調査報告では、テレパフォーマンスが『働きがいのある会社』認定を労働力管理に関する主要な指標として使用していることが不適切である点が強調されている。

UNIの調査は、フランスのOECD連絡窓口が2021年8月に、結社の自由と安全衛生に関して労働慣行を改善するようテレパフォーマンスに勧告を出した後も、同社に深刻な問題が残っていることを示すものだ。これらの継続的な懸念に取組むため、UNIは社会的責任のある投資家に対し、同社への関与を強化するよう求めている。

同社の年次株主総会は4月14日に開催される予定だ。

数百万ドルの未払い労働

推定1000万ユーロ相当の無給の労働時間は、テレパフォーマンスの未払い賃金全体のごく一部であると考えられる。この数字は、同社が事業展開する80か国以上のうち、7か国でのログイン時間に対するものである。これらの国の従業員によると、業務に必要な複数のモニタリングやカスタマーサービス・プログラムへのログインは1日に10〜20分かかるが、この作業は 「勤務時間外」になるという 。

無給のログイン時間に加えて、同社では他にも数種類の無給労働が確認されている。例えば、シフト終了時刻を過ぎても通話が続く場合には賃金が支払われない、厳しいノルマを達成するために休憩時間も仕事にあてられる、インターネットや電力網が停止した場合も給与が差し引かれる在宅勤務、支払われるはずの賞与を受け取れない、無給のトイレ休憩などだ。

ポルトガルのある労働者は次のように語っている。「定時に仕事を開始できるよう、シフトの15~20分前にログインしなければならないのですが、このログイン時間には賃金が支払われません。(中略)シフトの終了時刻を過ぎても電話の応対をしている場合、その分の賃金も支払われません(中略)もちろん、これはきつい状況です。わずかな賃金しか払われていない上に、会社はこの時間外労働も支払わないので」

テレパフォーマンスで働く厳しい現実

パンデミック第一波の際のテレパフォーマンスにおける安全性の問題はよく知られているが、それに加えてこの報告書は、労働者の健康に影響を与える新たな危険、すなわち人間工学的に適切でない在宅勤務環境に関連する問題にも触れている。

テレパフォーマンスは、おそらく世界で最も多くの在宅勤務従業員を抱える企業の一つであり、UNIは、キッチンテーブルやプラスチック製の庭用家具、さらにはスーツケースを在宅勤務用に使用している労働者の事例を集めた。適切な人間工学的配慮を欠いた長時間のシフトは、手根管症候群や筋骨格系の問題、長期的な痛みを労働者に引き起こす恐れがある。

テレパフォーマンスの労働者は、過度の自宅監視によるストレスの増加や、ノンストップの仕事文化による身体的負担の増加についても報告している。ジャマイカのある労働者は、「10時間勤務で15分間の休憩すらないこともありました。(中略)会社は労働者を酷使しているし、精神的に虐待している。だって、36歳の大人の女性が、トイレで用を足しに行くのにも立ち上がれないなんて言われたら、笑えませんよね。(中略)多くの人が膀胱炎を訴えています。(中略)膀胱炎になって医者にかかると、給料がすっかり消えてしまいます」と証言している。

根強く残る組合忌避

組合による代表と団体交渉が実施されれば、労働者はこうした問題によりよく対処することができるだろう。だが、強力な組織化の取組みにもかかわらず、テレパフォーマンスが事業展開する80か国以上の国の大半で、労働者は組合に代表されていない。そして、ポーランドやアルバニア、コロンビアなどのように組織化されている場合には、報復、組合との交渉・対話の拒否、組織化に対する妨害などを経験してきた。

「OECDガイドラインに規定されている労働者の結社の自由と団体交渉の権利を尊重する」よう勧告が出ているにもかかわらず、労働者による組織化の取組みを挫き、テレパフォーマンスは従来の行動パターンを今も継続しているのである。

提言

UNIはテレパフォーマンスに対し、世界の従業員に以下の点を保証し、報告書に記載された問題に対処するよう求める。

・ ログイン時間やシフト終了後の延長時間分を含む、すべての労働時間に対する賃金の支払い 
・ 選出された労働者安全衛生委員会
・ 労働者に対する監視は、会社のセキュリティ上の必要性を超えない範囲であること
・ 在宅勤務の場合でも、労働組合を組織する結社の自由があること
・ UNIとのグローバル枠組み協定を通じ、あらゆる国で結社の自由や団体交渉の自由など、ILOの中核的労働基準を尊重し、適用すること