アルゼンチンの金融労組、フィンテックのオープンバンクと協約締結

アルゼンチンでは3月下旬、UNI加盟組織のラ・バンカリアが、100%デジタルのオープンバンクとの間で、画期的な協約の締結に至った。この協約により、オープンバンクの労働者は銀行の従業員として認められ、今後は銀行部門の産別労働協約18/75の適用を受けることになる。この協約は、完全なデジタル企業の従業員の職業能力を促進するため、トレーニングの継続的な実施に重点を置いている。

UNI米州金融部会議長を務める、ラ・バンカリアのセルジオ・パラッツォ書記長は、「今回の協約は、銀行事業の成長や、デジタル社会における新しい働き方に向けた労使のコミットメント、そして労働者の職業能力の向上と生活の改善に対する共通の関心を反映したものだ」と語った。

加えて、ギジェルモ・マフェオUNI米州金融部会担当部長は、「オープンバンクのような100%デジタルの銀行とラ・バンカリアの間で結ばれた協約は、フィンテック企業で働く銀行員の地位を認める大きな一歩であり、当地域における我々の取組みの中でも最も重要なものだ」と祝福した。

この協約により、アルゼンチンの全銀行に適用される産別労働協約が、オープンバンクの労働者に適用されることになる。また協約には、養子縁組のための休暇、父親休暇、性的暴力や家庭内暴力の被害者のための休暇の権利が含まれている。また、育児費用、アルゼンチン金融システムの銀行が上げた利益の分配、長期休暇のために労働者に追加の支給を行うことが規定されている。

マフェオUNI米州金融部会担当部長は、「今回締結したのは、持続可能で安定した雇用を目指す今日的な意義を持つ協約であり、将来を見据え、包摂、ジェンダーの多様性、環境への配慮に重点を置いている」と強調し、「すべてのフィンテック労働者が協約でカバーされることになり、銀行従業員としての権利が尊重されるようになると確信している」と締めくくった。