韓国シャネル労組、新たな団体協約で賃上げ等を獲得

UNIに加盟するKFSU参加の韓国シャネル労組は、2021年12月21日、賃上げを勝ち取り、韓国シャネル経営陣との間で新たな団体協約を締結したと発表した。12月17日にストライキに踏み切ってから5日後にもたらされた朗報である。

従業員480人のうち390人の組合員がストに加わり、シャネルが運営する85店舗のうち60店舗が営業停止に追い込まれた。

今回の争議行動は、組合員の90%以上の賛意を得て行われた。背景には、過去2年間にわたって真摯な対応を取ってこなかった韓国シャネル経営陣に対する組合の失望がある。

新しい協約の主な条項は以下の通り。
• 会社は実店舗の事業を中核的ビジネスモデルとし、このモデルを支えるため、組合と四半期ごとに会議を行う。
• 組合は2022年より、新プロジェクト「女性にとって良い会社をつくる」に参加する。
• 労使は、免税店従業員の雇用保障を優先し、COVID-19パンデミックの脅威を克服する方法について、議論していく。
• 基本給の4.2%引き上げと、ホテルおよび百貨店の割引券という追加インセンティブ(それぞれ約20万ウォン≒168米ドル相当)を支給する。
• 会社は、法的に保証された休日労働を遵守するよう、社内規定を改訂する。
• 会社は、過去2年間の未払いの手当と、10月の3日間分の休日労働手当を遡及して支払う。
• 専任組合役員を2人から3人に増員し、組合活動を拡大する。
• 会社は、職場におけるセクシャル・ハラスメントの防止策を強化する。

新しい協約は、組合が会社側に提起していた未解決の苦情の多くに対処するものとなっている。

キム・ソヒョン韓国シャネル労組委員長は、「この勝利は、組合員の献身的な取組みによるものだ。今回、仮協定を締結し、組合員は職場に戻ることになった。後日、仮協定承認のための組合投票を実施する予定だ。 我々の闘いを全面的に支援してくれたKFSUやUNIをはじめとする多くの団体に感謝したい」と報告した。

これまで韓国シャネル労組は、団体交渉を通じて、パンデミック時の労働条件、職場における深刻なセクハラ事件の疑惑に対する不十分な対応、賃金や報奨制度の公正化・改善などについて、闘ってきた。

組合が提起してきたこれらの事案は、同社がOECD多国籍企業行動指針の基本的人権および労働に関する規定を尊重していないことを示すものだ。

組合は、世界人権デーにあたる2021年12月10日、OECD多国籍企業行動指針に関する苦情処理制度の韓国連絡窓口に、正式に同社の問題について提訴した。

組合は、新しい協約が締結しても、問題となっているセクハラ事件が満足に解決されない限り、OECDへの提訴を取り下げないと発表している。

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は、「2021年末を前に重要な勝利を収めた韓国シャネル労組に、心からの祝意を表したい。組合の成果は、全ての組合員にとって非常に喜ばしいプレゼントになった」と同労組を祝福した。また、「シャネルは、何百万人もの人々が憧れる国際的な高級ファッションブランドであり、会社は、従業員の協力と福利を促進する安全で包摂的な職場環境を作るという約束が果たされるよう、努めなければならない。そうした取組みのみが、社会における最良のものを代表するという、会社のビジョンを反映することができる」と指摘するとともに、「新しい団体協約はシャネルの取組みをよく反映したものになっている。韓国シャネル労組は、同社経営陣と協力してこれらのビジョンを実現していく最良のパートナーだと確信している」と期待を寄せた。