コロナ禍の印刷・パッケージング部会加盟組織の取組みを共有

2021年10月19日、日本時間20:00~22:30、UNI世界印刷・パッケージング部会委員会がオンライン開催された。アジア太平洋地域からは、ロレイン・キャシン議長(オーストラリア製造労組印刷パッケージング部会書記長)、宍戸副議長(印刷労連委員長)、マヘンドラ委員(ネパール印刷情報メディア労組委員長)が出席した。

開会挨拶の中で、ホアキナ・ロドリゲスUNI世界印刷・パッケージング部会議長は、コロナ禍の1年半の加盟組織の奮闘に敬意を表した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は連帯挨拶の冒頭で、新たにメンバーに加わった宍戸印刷労連委員長を歓迎した。「欧州では徐々に対面会議ができるようになってきたが、先進国でワクチン接種が進んでいても、世界で見れば格差がある。UNIは全ての人に平等なワクチン接種の必要性を呼びかけている」と述べた。そして、食品、薬、衛生用品等、生活必需品のパッケージング製造・印刷に関わるエッセンシャルワーカーの職場の安全確保にとって、労働組合の存在は極めて重要だと強調し、加盟組織の尽力を称えた。

前回委員会以降、この1年の活動について、本部局長及び各地域担当部長/議長がそれぞれ報告を行った。

UNI Aproについては小川担当部長から、9月14日に第5回UNI Apro印刷・パッケージング部会大会を開催し、今後4年間の行動計画を採択し、役員体制を選出したこと等を報告した。

委員会では、コロナ禍の印刷・パッケージング部門における団体交渉の優良事例が報告された。

ベルギーでは、賃金の物価スライド指数、定年の年齢等は産業横断的に全国レベルで規制されている。一方、産別交渉は年2回行われ、印刷部門は、上乗せ賃金、食事手当、休暇増、自転車通勤手当、職業訓練等を交渉で勝ち取った。これらの上乗せや諸手当は、使用者が拠出する産別基金から出されるもので、これまでは使用者がその使い方を決めていた。コロナ危機を契機に、組合も拠出額の変更や、基金が労働者のためにも使われるよう交渉できるようになった。基金の残高も組合がモニターできるようになった。結果、2020~2021年に限り、産別基金への拠出額を減額したが、コロナ禍中に解雇された労働者に、通常は45歳以上に支給される「再就職支援金」を、年齢に関わらず産別基金から支給すること、コロナ禍中の休業期間も年末賞与の計算対象に含めること(使用者は産別基金から補填を受ける)、安全対策の徹底(消毒薬の提供、安全衛生問題の相談窓口の周知、感染時の手続き明確化等)を含む産別ガイドラインを労使で策定することができた。2020~2021年は政府からの企業への支援があったため、印刷会社も大きな解雇もなくコロナ禍を乗り切ることができそうだが、政府支援がなくなる2022年以降も、組合としては印刷産業使用者団体に、雇用を守り、優秀な人材を維持するためにも、産別基金を活用するよう交渉していく。

「印刷情報メディア産業に集う仲間にとって”必ずそばにいる存在”であるよう努めていく」(宍戸印刷労連委員長)

宍戸副議長は、コロナ禍の印刷労連の取組みとして、製造工場部門及び営業・企画部門それぞれの成果を報告した。製造工場部門では感染予防策を交渉し徹底すると共に、感染リスクに対する精神的ストレスを解消すべく、労使で改善に努めている。一方、営業・企画部門は出社比率の削減が求められており、5割目安でテレワーク勤務が続いているが、ニューノーマルな働き方に向けた勤務制度を労使で構築し、感染予防と業務遂行の両立を図っている。「コロナ禍で1対1の対話が信頼関係の醸成に極めて重要であることが再認識され、日々の取組みの発信が組合員一人ひとりに届き、理解・共感・参加に結びついているかを検証する機会となった。多様な生活様式や働き方が広がる中、印刷情報メディア産業に集う仲間にとって”必ずそばにいる存在”であるよう努めていく」とまとめた。

委員会は、この他、部会加盟人員と部会財政状況について事務局から報告を受けた他、今後の優先課題を確認し、コロナの感染状況次第ではあるが、徐々にハイブリッドまたは対面開催を検討しながら活動を実施していくこととした。