UNI Apro郵便・ロジスティクス部会、石川新議長のリーダーシップの下、新しい行動計画の推進を確認

2021年9月16~17日、第6回UNI Apro郵便・ロジスティクス部会大会がオンライン開催され、13か国23組織より、90人(代議員29人、オブ15人、ゲスト46人)、来賓及びスタッフ22人が参加した。女性比率は28%、35歳以下は17%だった。JP労組からは代議員10人、オブ1人が参加し、浅香代議員が決議委員長を務めた。

大会は、2017~2021年度UNI Apro郵便・ロジスティクス部会活動報告、2021~2025年度UNI Apro郵便・ロジスティクス部会行動計画を採択した。最後に、2021~2025年度UNI Apro郵便・ロジスティクス部会委員会を選出し、議長に石川JP労組委員長を選出した。

開会式の挨拶や代議員の発言の中で、退任した増田前議長への感謝の言葉と、石川新議長への就任のお祝いが繰り返し述べられた。また、次期UPU事務局長に選出された日本郵政の目時氏への祝意と、UNIとの更なる関係強化への期待が寄せられた。

主な大会議論

セッション1「コロナ禍における公共郵便サービスの重要性

石川委員長は、行動計画No.1「郵便サービスが革新的かつ包摂的であるよう保証させるため各国政府に働きかける」上で加盟組織が取組むべき課題を提起した。またJP労組のコロナ禍における取組みも報告した。

コーネリアUNI世界郵便・ロジスティクス部会担当局長は、基調講演の中で、コロナ禍で必需品の配達量が激増したことを指摘し、郵便は社会に不可欠なエッセンシャルサービスでることを再認識し、いち早くUPUとUNIの間で労働安全衛生に関するMOUを締結した成果を強調した。また、より幅広く強力なユニバーサルサービス義務の定義の必要性や、環境への配慮を訴え、公的サービスであればこそ、全国あまねく基本的サービスを提供できるとした。シバクマールFNPO書記長は、インド郵政がコロナ禍に開始した、食料配達や農作物の運搬等の新たなサービスや、移動郵便局による年金受取等の利便性向上を報告し、公的郵便サービスの重要性を強調した。イ議長代行(KPWU委員長)も、超高齢化社会において郵便局が重要なプラットフォームと認識されており、高齢者の安否確認サービス等を紹介した。続いてネパール、パキスタンからも報告を受けた。石川委員長は、感染拡大防止に不可欠な役割を果たしながら奮闘するネパール郵便労組の仲間に敬意を表すると共に、パキスタン郵政の5つの労組の労連結成の努力を称えた。

UNI Apro郵便・ロジスティクス部会における、女性・青年の参画強化について

小川担当部長は、5月の世界部会大会で採択された女性・青年に関する2つの決議を簡単に説明した。1つは、情報・経験交流促進のための女性フォーラムを、世界・地域大会前段に開催することである。もう1つは、世界部会委員会に青年代表席を追加することである。本大会では、UNI Apro各国の女性・青年リーダー育成の経験と課題を共有した。

ツァイ・ジンファン(台湾CPWUは、台湾及び組合には男女平等は存在し、機会は公平に与えられているが、組合活動への参加時間に差があることが女性役員が少ない一因であると指摘した。また、より多くの若年層を参加させ、世代間ギャップを埋めたいとも述べた。マレーシアUPCWのモハマド書記長、ファスルニサク副委員長は共同メッセージを寄せ、コロナ禍で特に影響を受けている女性・若年労働者への支援に取組んでいることを報告した。ミヒリ(スリランカNPTWUは、女性が働きやすい環境整備やコロナ禍で増えた女性への負担軽減策、サービスの近代化に若年労働者の活用とそのための研修機会の充実を訴えた。

セッション2 サービスの多様化、デジタル化対応、環境に配慮した郵便

ジョー副議長(ニュージーランドEtu交渉担当)行動計画No.2「郵便サービスが持続可能で、環境に配慮し、コミュニティのためになり、利用者から信頼されるよう、あらゆるステークホルダーと連携し、郵便の多様化とデジタル化に積極的に対応するため」加盟組織が取組むべき課題を提起した。

APPUのリン事務局長に代わり、ユ・イエン研修部長から「デジタル経済における変革」と題する基調講演を受けた。顧客との関係性が変わりつつある中、数あるサービスから選ばれるにはどうすべきか、と提起した。これまでの経験は頼りにならず、コロナ危機により多角化、デジタル化の重要性が示された。3つの重要な傾向がある。①多くの技術を顧客が使うようになった。早く安く輸送してほしい、プロセスもコントロールしたいからだ。②新たな競合が参入、DXにより民間事業者が付加価値サービスや優れた可視化されたパーソナルサービスを提供し、シェアを奪っている。③オンラインや携帯電話を活用したサービス向上と経営効率改善。多くの国で郵便事業者は、多角化とデジタル化を加速し、エッセンシャルサービスとしてエコシステムを築き、連携を拡充していく必要がある。革新性・創造性、迅速化、パーソナル化、アクセサビリティ確保、組織の機能性強化が求められる。同時に従業員が安心して働ける健全な職場があり、収入が安定し、従業員の声が経営側に届きやすい組織でなければならない。UNI Aproは重要なパートナーであり、UNI AproとAPPUは、郵便のコミュニティを改善し、事業を拡大していくために共に貢献していこう、とまとめた。

坂根JP労組中央執行委員は、配達車両のEV車両化や、他の物流企業との協力による効率化と再配達の削減を進め、環境負荷を軽減し、物流部門の人材不足解消に努めている事例を報告した。ウー副議長(台湾CPWU委員長)は、コンビニと提携した24時間宅配、独自の通販サイト、高齢者サービス、桃園に建設したスマート物流センターやビッグデータを活用したコスト及び配送時間の削減、自前の倉庫への通販事業者誘致、Iboxという非接触型サービス等、サービスの多角化やデジタル化の事例を紹介し、DXに全ての従業員が対応できるようにしていく、と述べた。スビンダー副議長(シンガポールUTES書記長)も、環境対策として、全ての配送車両のEV化と、全照明のLED化を進めていることを報告し、組合員が試乗して改善提言を行ったり、会社に運転研修を要求していると述べた。インドネシア郵便労組のコマルディン委員長も、DXの事例と労働者にスキルアップ研修を行っていることを報告した。最後に、環境面の取組みを積極的に行っているカナダ郵便労組のキャンペーンビデオを鑑賞した。

セッション3「競争ではなく公正な郵便・ロジスティクス市場をつくるために―民間CEP(宅配・急送・小包)企業における組織化」

小川担当部長は、行動計画No.3「民間CEP企業と競争するのではなく、公正な市場を保証するため、CEP の労働者を積極的に組織化する」上で、加盟組織が取組むべき課題を提起した。ホビッグUNI Apro組織化担当部長から、UNI Apro郵便・ロジスティクス部会がターゲットとするDHL、ニンジャバン等のジオポスト/DPD子会社における組織化等の説明を受け、マレーシア、インドネシア、ネパールの参加者から、取組み状況と課題の報告を受けた。コーネリア局長は、「最賃を受容してはならない。社会的ダンピングはいずれ、郵便労働者にも波及する」と警鐘を鳴らし、DHL、DPD等の多国籍企業については、世界各国の労組間連携強化を図っていくと述べ、各国の協力をあらためて要請した。