世界の指導者たちへ:公正な経済復興と多国間主義の再構築に、労働組合は不可欠だ

マルティン・グズマン・アルゼンチン経済相、エンリコ・レッタ元イタリア首相を招き11月9日に開催されたUNI主催ウェビナーで、「COVID-19復興プログラムを公正なものとし、米国と欧州の間の環大西洋協力の再構築を支える上で、労働組合は重要な役割を担っている」との見解が表明された。

持続可能な金融システムの確保に向けた高度な議論は、ノーベル経済学賞受賞者のジョセフ・スティグリッツ教授による9月の講演に続き、UNI世界金融部会が中心となって企画した。

司会を務めたクリスティ・ホフマンUNI書記長は「回復とレジリエンスは世界中で合言葉となっている」と述べ、「2008年の金融危機の時、数十億ドルの公的資金を使って銀行は救済されたが、人々は10年間の緊縮財政に苦しんだ。過去を繰り返さないために、必要なことは何でもしなければならないということは明らかだ」と続けた。

「労働組合として、今回の復興資金には社会的保証が伴っていることを確認しなければならない。つまり、実体経済に投資し、労働組合の権利や団体交渉、グリーンで持続可能な雇用を支援する企業に財政支援を与えるということだ」

今年、アルゼンチンの公的債務650億ドルの繰り延べについて交渉を成功に導いたグズマン大臣は、公的債務に苦しむ国々を支援するために国際的構造改革が喫緊に必要だと強調した。

大臣は「多くの場合、社会発展の見通しを損なうことなく各国が返済を行うことは、どうしても不可能だ」とし、「公的債務危機に対処するには時間がかかりすぎ、多くの場合、窮地に陥った国を支援するのに十分な解決策ではない」と主張した。

グズマン大臣はまた、特にアルゼンチンなど長期におよぶ不安定な歴史を持っている国に対しては、債務や外貨に関して責任ある借入の必要性を強調した。

これに関連して大臣は、「今週アルゼンチンの議会に提出される新しい法案は、政府が外貨を借りる前には議会の承認を得なければならないようにするものであり、この法案が通れば今後、IMFとアルゼンチンの間で行われるプログラムはすべて、国会の承認を得なければならなくなる」と説明した。

UNIは中南米で国有銀行を支援するキャンペーンを行っており、大臣は、生産を押し上げ、雇用を創出するプロジェクトの資金調達を支える公的銀行の重要性を説明するとともに、「アルゼンチンの公的銀行は、COVID-19の影響に対処する社会を支えるサービスを提供する上で、非常に重要な役割を果たしてきた」と付け加えた。また、パンデミック中の安定性、雇用、経済活動の維持に役立ったアルゼンチンの労働組合の役割を称えた。

パリ政治学院の国際関係学部長であるエンリコ・レッタ氏は、「EUはCOVID-19危機に迅速に対応しており、7,500億ユーロの欧州復興基金(次世代EU)に合意するまで、わずか4ヶ月しかかかっていない」ことに触れ、「EUは、欧州安定メカニズム(ESM)を通じた復興計画の策定に4カ月ではなく4年もの歳月を要した2008年の金融危機から教訓を得た」と述べ、「当時この遅れによって欧州の経済・社会的な『災害』がもたらされ、失業率が高まり、ポピュリズムの台頭を招いた」と主張した。

さらに、「今回、EUは連帯という社会的な柱に基づく革命的な対応を行った」と述べ、「ある国が他国に資金を提供するのではなく、欧州委員会が債券を通じて資金を調達し、金融支援は、力ではなくニーズに基づいて各国に配分されることになった」と説明した。また、次世代EUの資金調達のあらゆる段階で、実施やチェックを含め労働組合が役割を果たす必要があると力説した。

レッタ氏は、米国の選挙結果を歓迎し「バイデン氏が、金融レベルを含め多国間・環大西洋の協力の必要性を信奉している人物であることを考えれば、我々はこの新しいバイデン時代の勢いと機会を生かさなければならない」と述べ、欧州や世界の労働組合運動は、多国間主義の改善を支えていく中で重要な役割を果たすことができると付け加えた。

レッタ氏はまた、G20の再開を呼びかけた。G20の再開は、ルールや成功事例を共有し、特に巨大テック企業、闇経済、タックスヘイブンに関連し、税金について重要な決定を下すという点で、大きな影響を与えうる。

アンジェロ・デクリストUNI世界金融部会担当局長は「労働組合は永続的で持続可能な金融部門の実現に向けて重要な役割を担っているのであり、2人の講演者が組合運動の重要性を強調したことを歓迎したい」とし、「我々は共に取組んで初めて、より公正な社会を実現することができる」と締めくくった。