印刷・パッケージング部会委員会、コロナの難局を労使対話を通じて乗り越えるための知見を共有

UNI世界印刷・パッケージング部会委員会が、2020年11月3日、オンラインで開催され、委員、代理、オブ、スタッフ等約30人が出席した。UNI Aproからは、佐藤委員(印刷労連中央執行委員長、梅原委員代理)、マヘンドラ委員(ネパール)らが参加した。

委員会では、コロナ禍に見舞われた過去1年の、世界各地域・各国の印刷・パッケージング産業の動向や、コロナの影響、労働組合の取組みが報告・共有され、2021年度の活動計画が確認された。

世界の印刷・パッケージング産業の動向

各部門によって影響は異なるが、コロナによって既存の動向の進化が加速した。新聞・出版業界では、紙媒体の売上及び広告収入の激減や、民主主義への影響が懸念されている。オーストラリアのように、フェイスブックやグーグルに同国のメディア企業のコンテンツ利用に対し使用料の支払いを義務付ける法制度の導入を検討する等、メディア産業を支援する対策を取ろうとしている国もある。パッケージング業界は、特に食品包装や医療品包装を中心に需要が堅調に推移し、電子商取引(通販)の成長の恩恵を受けてきた。ティッシュ製造部門は、パンデミック当初は需要が激増した。セキュリティ印刷部門は、多くの国でデジタル決済への移行が加速し、紙幣印刷の将来的な需要が懸念されている。また、中小企業を中心に多くの企業が需要の減少に対し生存をかけて奮闘している。

UNI及び各地域の活動報告

2019年11月から2020年10月まで、殆どのUNI活動はオンラインで開催された。オンラインツールを活用し多くの加盟組織が活動を継続することができ、より多くの参加者がUNIの会議に参加することができている。この間の主な取組みは以下の通りである。

  • コロナ対策に関するUNI印刷・パッケージング部会の方針の発表。産別交渉・企業別労働協約を通じて、労働者に個人用保護具を提供し、労働条件・雇用・賃金を保護する必要性を強調している。欧州印刷事業者団体(Intergraf)及びラテンアメリカ印刷事業者団体(Conlatingraf)と共同で、「労使協力して印刷産業を促進し、社会対話と団体交渉を通じて全ての従業員の安全を優先するために努力すること」を宣言した。
  • 企業におけるコロナ対策を含めた労働組合のための安全衛生ガイドラインの発行。
  • 印刷部門全体におけるコロナの影響に関する加盟組織へのアンケート調査。
  • 国際レベルでの各種ウェビナーの開催。
    • UNI G&P/IFJ(国際ジャーナリスト連盟)共催「活字メディア/新聞部門」ウェビナー(9月21日):活字メディアが社会で果たす重要な役割と、デジタル大手企業への課税を通じた支援の必要性について、共同声明を採択。100人以上が参加。日本からは、新聞労連、日放労が参加。
    • セキュリティ印刷部門・第1回UNI欧州印刷部会セミナー(2月10~11日、ベルギー・ブリュッセル)に、欧州8か国から25人が参加。シンデックス社が報告した同部門の状況と傾向に関して議論を行い、プロジェクト実施の今後のステップについて確認。
    • セキュリティ印刷部門・第2回セミナー(10月19日)をオンラインで開催し、参加を欧州だけでなく、世界のセキュリティ印刷関連労組に呼びかけた。UNI Aproから、全印刷(梅原委員長、安部書記長)及びインドセキュリティ印刷労組が参加、日本及びインドの状況や組合の取組み等を説明した。

UNI Aproの加盟組織は、上述の、UNIが実施したコロナに関するアンケート調査や、国際ウェビナーに積極的に参加し、情報共有を行った。機関会議として以下3回の会議を行った。

  • UNI Apro印刷・パッケージング部会委員会(2019年11月19日、ネパール・カトマンズ)
  • UNI Apro印刷・パッケージング部会委員会(2020年5月28日、オンライン):コロナの事業面・雇用面への影響や組合の安全対策等を共有。2020年度の活動計画を調整。
  • UNI Apro印刷・パッケージング部会委員会(2020年9月7日、オンライン):withコロナ/コロナ後の組合戦略について共有。2020年度の進捗を確認。

各国報告

続いて、各国の加盟組織から、報告を受けた。佐藤印刷労連委員長は、日本の印刷産業及び労働者の状況、労働組合の対応等について報告し、「コロナ禍において、それぞれの企業労使がこの難局を乗り越えるために、お互いの信頼関係に基づき様々な施策に取り組んでいる」とまとめた。

2021年度の主な優先課題

①大手多国籍企業との対話の継続と、グローバルな労使対話の構築、②大手多国籍企業の各国労組間の連携強化、③セキュリティ印刷部門プロジェクトの最終会議を2021年5月か6月頃開催、④パッケージング部門及び主要事業者の動向調査実施、⑤活字メディア部門に関するIFJとの共同ウェビナーのフォローアップ会議開催、⑥各地域の組織化計画の推進、等が確認された。