世界の映画・テレビ産業の安全な再開に向けて

映画・テレビ製作におけるコロナ後の対策に関するFIA/UNIメディア部会共同声明

22か国、50万人以上の実演者・撮影クルー等を代表する34組織がグローバル・ウェビナーに参集し、ワクチンが未だ開発されていない中でのコロナ後というシナリオで、映画・テレビ製作を再開するにあたり、優良事例を共有した。

かつてないほどの連帯と協力の精神をもって、国際俳優連盟(FIA)及びUNIメディア娯楽芸術部会(UNI MEI)の加盟組織は、この数週間、映画・テレビ製作が次第に再開される中、実演者・撮影クルー等のための、妥協のない科学的根拠に基づく安全衛生基準を促進するため不眠不休で取組んできた。

娯楽産業労働者の生活は新型コロナウィルス感染拡大防止のロックダウン措置によって経済的・社会的に厳しい影響を受けており、労働組合及びギルドは新しい日常に戻ることを歓迎する。しかし、同時に不要なリスク防止のため製作手順を調整する覚悟もある。この前例のない健康への恐怖は先が見えない。急いでも安全は確保できない。

世界のテレビ・映画部門の収益は毎年およそ5400億米ドル、何百万人も雇用し、多くのフリーランサーや個人事業主と契約している。3月以降、世界中のあらゆる製作は中断或いは延期された。労使で設立した連帯基金や、経済的支援プログラム、公的な失業手当等によって、仕事の中断の影響は軽減されたものの、映画・テレビ番組製作への持続可能な投資の確実性を取り戻すには、安全に製作を再開するしかない。

ウェビナーでは、オーストラリア、フランス、英国、米国の組合やギルドが交渉した4つの安全ガイドラインが示された。それらのガイドラインでは、検査から、俳優・撮影クルー・製作スタッフ等の保護、スタジオ及びロケ現場での撮影日数の調整等、製作のあらゆる行程における様々な問題の詳細が取り上げられている。

最近は、新型コロナウィルス防止の特別な対策を周知・アドバイスし、実施をモニターし徹底するための特別な安全衛生部署の設置も当然ながら不可欠となっている。中核となる実演者・撮影クルーの周囲にセキュリティの層を設置すると共に、現場で陽性の検査結果が出た者には有給病気休暇が与えられるようにすることも重要である。収入を失うことを恐れて、名乗り出ることを恐れてはならない。ウィルス感染リスクが高いと思われる者も含め、全ての年齢の実演者に公平な配役の機会を担保するよう、特別な取り決めも推奨される。

今後も、FIA及びUNI MEIは、国内及び国際レベルの同産業のステークホルダー及び関係当局と連携し、新型コロナウィルス対策として最高水準の安全手順を促進する加盟組織の取組みを支援していく。

FIA会長 フェルネ・ダウニー(カナダACTRA:俳優組合)は語る。「実演者は製作プロセスの中心におり、仕事に戻りたいと願っている。しかし、安全性が確信できるまでは戻れない。組合やギルドは、懸命に知見を共有し、現場で、最良の科学的調査に基づく最高の安全基準を促進するよう取組んでいる。これらの手順が適切に実施されれば、世界中の観客に新しいコンテンツを届けることができると信じている。UNI MEIや姉妹労組との素晴らしいコラボレーションを評価すると共に、私たちのパートナーシップを深め、前進していきたい。」

UNIメディア部会議長 マシューD.ローブ(米国IATSE:国際舞台演劇映画組合)は、「俳優や撮影クルーを最大限守り、我が産業の持続的な再開を果たすには、世界中の組合やギルドの協力が不可欠だ。FIA及びその加盟組織の仲間との連携の継続に期待している。国境を越えて定期的に情報・専門性・経験を交換することによって、どの組合も、組合員を安全に仕事に復帰させる能力を高めることができるだろう」と述べた。