UNI、新型コロナウィルス禍のLGBTI+労働者保護を訴える

2020年5月17日、UNIは、国際反ホモフォビア・トランスフォビア・バイフォビアの日を記念し、LGBTI+労働者の保護を訴えて連帯行動を行った。新型コロナウィルス危機は、LGBTI+労働者に特に深刻な打撃を与えているからである。

UNIは、他のグローバルユニオンやITUCと共に、全ての労働者の尊敬と尊厳を築くためのコミットメントを再確認する声明を発表した。現在、これらの団体と緊密に協力し、より包摂的な労働組合運動を展開するための「連帯憲章」の策定に取り組んでいる。

UNIは、労働組合向けのUNI LGBTI∔に関する手引を最新版に更新しており、UNI機会均等局は、「私は組合に参加している」運動を再び立ち上げた。このキャンペーンの狙いは、世界中のLGBTI+労働者が直面している差別について意識啓発し、いかなる形態の差別もないディーセントワークの促進に、組合がいかに不可欠であるかを説明することである。

「世界中の労働組合には、LGBTI+権利を擁護してきた長い歴史があり、今日の危機が新たな課題を生み出し、もっとしなければならないことがあると我々に教えてくれている。」とクリスティ・ホフマンUNI書記長は力を込めた。「我々は、全力で、この危機から抜け出し、誰にとってもより公平で、公正な経済を取り戻さなくてはならない。そして、それはLGBTI+権利拡大の取組みを倍増させることを明らかに意味する。」

我々が現在経験しているような危機の時、状況は悪化する。新型コロナウィルス・パンデミックは、LGBTI+労働者に更に次のような問題を投げつけた。

  • 経済的差別や職場での差別:労働の世界でLGBTI+労働者が直面する偏見(収入の格差、職場でのハラスメント、職に応募時の差別、その他不公平な扱い)がパンデミックで悪化している。LGBTI+労働者の失業率は、既に一般的な失業率よりも高く、彼らは小売り産業やクリエイティブ産業のようなパンデミックの影響を最も被った産業や部門に偏っているため、新型コロナウィルスがLGBTI+労働者の生計に影響を及ぼしている。
  • 医療サービス:LGBTI+の人々は、医療サービスを受けようとしても、通常、汚名や差別を受けており、そのため、医療へのアクセス、質、利用頻度に格差がでている。法律で同性同士の関係を犯罪にしたり、性自認や性表現を理由にトランスジェンダーを標的にしている国では、LGBTI+労働者が逮捕や暴力を恐れて医療サービスを利用しない可能性があるため、健康被害が悪化している。
  • 必要な医療サービスの優先度の低下:患者が増え、医療体制がひっ迫することにより、HIVの治療や検査、トランスジェンダーの人が受けるホルモン治療や性別適合治療等LGBTI+の人々が受けている治療が中断や後回しにされる可能性がある。
  • LGBTI+コミュニティへの非難、差別、ネット上の中傷、ヘイトスピーチ、攻撃:LGBTI+の人々は、以前から、人災、天災を問わず、災害を自分たちのせいにされ、非難を受けてきた。国連は、新型コロナウィルスの文脈においてこのような事例が起きており、ホモフォビアやトランスフォビアを表現する言葉が増えてきていると報告している。
  • 家庭内暴力と虐待:ステイホーム政策により、多くのLGBTI+の青年が理解のない家族や同居人と共に敵対的な環境に閉じ込められている。このため、暴力を受ける危険だけでなく不安や抑うつ症状までも増える。

「組合として、我々は、あらゆる形態の差別に対して声を上げ続け、全ての労働者とその権利を守るために全力を尽くすことを再確認する必要がある。全ての人のために社会正義、平等、そして保護を確保するため、我々の力でできることは全てするのが我々の職務である。実現しよう!」と、ベロニカ・フェルナンデス・メンデスUNI機会均等局長は訴えた。

それに応じて、UNIでは、パンデミック中、LGBTI+労働者の支援を目的とした労働組合のためのガイドラインを発行した。更に、困っている労働者を守るための機関を掲載し、組合が組合員の回覧用に活用できる情報も発信している。

2018年、リバプールで開催されたUNI世界大会で、UNIは、引き続き、差別に対する活動にLGBTI+問題を含めることを誓った。そして、今年5月17日、UNIはこの問題に新たな一歩を踏み出す。

30年前の1990年5月17日、世界保健機関(WHO)は、同性愛を『国際疾病分類』の精神疾患から削除した。それ以来、LGBTI+コミュニティは、生活の全ての面において、性的指向及び/または性表現に基づいたハラスメントや差別の撲滅のために取組んでいる。72の国と地域がいまだ同意のある大人同士の同性間の関係を犯罪としている。LGBTI+の人々に何らかの形態の差別に対する保護を提供しているのは、わずか63ヵ国だ。闘いは終わりにはまだ程遠い。