世界選手会、競技再開に向けて科学的指針を要求

選手の健康と安全は交渉することではない

世界選手会とその加盟組織は、プロスポーツ界が新型コロナウィルス感染流行のため中断されているトレーニングと競技の再開を模索する中で、医療専門家、スポーツ医、公衆衛生の専門家、疫学者、及びその他の専門家と連携を図っていく。

UNIのブレンダン・シュワブ世界選手会担当局長は、次のように懸念を述べた。

「新型コロナウィルスの経済的影響が甚大であるため、当然ながらスポーツ界は、たとえ無観客試合でも、できるだけ早期に競技の再開を切望している。新型コロナウィルス感染がスポーツ分野に蔓延しないよう、幅広い対策が講じられている。」

「しかし、これらの対策は、感染者に及ぼす潜在的影響や、症状をどう治療するかにはあまり対処できていない。最近の研究では、アスリートは特に(特に肺と臓器障害に)脆弱である可能性があると示唆されており、非常に深刻な影響を受けたり、キャリアが終わりになったりするかもしれない。また、多くのプロスポーツでは避けられない密接な身体接触から生じるリスクにも対処するものでない。」

「科学的裏付けがなされていないと思われる医療検査や治療を、選手に課そうとするスポーツもある。」

「同時に、権利放棄書にサインさせて法的権利を奪い、新型コロナウィルス感染の法的リスクをただ選手に押し付けようとするスポーツもある。」

「全ての提案は、選手の健康と安全は妥協することはできないと明確に訴える専門家によって、冷静かつ厳密に評価を行う必要がある。」

「世界選手会は断固として、全ての選手が組合を通じて、科学的に裏付けされた最良の情報を得られるようにし、競技再開のいかなる決定も、(1)可能な限り最大限、新型コロナウィルスのリスクに対処し、(2)感染の可能性のある選手が完全に保護されるようにし、(3)スポーツ環境で常に適用されるべき最高の安全衛生基準が妥協されずに、行われるようにしていく。」

世界選手会の執行委員会は、競技再開について交渉中の選手会の指針となるような協定案を近々検討することとなっている。最も大切なことは、スポーツを再開したいという願望から、公衆衛生を損うことがあってはならないという認識である。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、次のように訴えた。

「スポーツ競技の再開に当たって、人々と選手やアスリートの安全がまず優先されなければならない。世界選手会は、パンデミックの中、選手やアスリートの懸念を訴えるグローバルな代弁者として行動しながら、組合員に明確で中立的かつ専門的なアドバイスを提供するという重要な役割を果たしている。選手やアスリートは、自身の健康とキャリアに脅威となり得る決定に発言権を持つことが極めて重要だ。」