2019年3月23日、スリランカのコロンボで、第9期UNI Apro/JP労組関東地方本部後援奨学金贈呈式が行われ、西藤勝委員長を団長に9人のJP労組関東地本代表団が出席した。来賓として、S.M.モハマド郵政・イスラム教省長官及びロハナ・アベヤラトネ大統領補佐官(前郵政長官)が立ち会い、JP労組関東地本の支援に感謝した。
UNI Apro/JP労組関東地本奨学金プロジェクトは、スリランカのUNIに加盟する3つの郵便労組(UPTO、 NPTWU及びSLPTSU)の組合員の子どもたちに月額4000スリランカルピー(大学生は5000スリランカルピー)の奨学金を2年間にわたり支給するものである。今回は69人の応募者に対し郵政研修施設での筆記試験及びグループ面接が行われ、高校生6人、大学生9人の15人が選抜された。
西藤委員長は、今回の奨学金支援プロジェクトにあたり、3万人の組合員に広く呼びかけ、奨学金プロジェクトに必要な支援金の全額を集めたことに触れた。「この支援の成果は、約20年に渡り、スリランカの仲間と育んだ絆の強さと共に、私たちが行ってきた活動が、仲間のため、国際連帯のため、さらにはスリランカのために役に立っていることの表れだ」と述べた。また、郵便労働者の子どもたちが大学等の高等教育機関で勉強を続け、地域や国の発展に貢献する優秀な人材として活躍していることを喜び、今期選抜された奨学生を激励した。そして、日々志高く勉学に励む素晴らしい子どもたちを温かく見守る家族にもエールを送った。
ジャヤスリ・プリヤラルUNI Apro金融部会担当部長は、スリランカ出身であり、奨学金運営委員会議長として、20年前から現在に至るまでの長年の支援に感謝した。この20年で奨学金制度も進化しており、当初1期あたり選抜される奨学生数は10人だったが、今では15人に増えた。また、奨学生は学業成績だけでなく、変化し続ける社会で問題を解決することができるリーダーシップを備えた人物が選抜されている。UNIスリランカ加盟協(UNI-SLAC)青年委員会は、選抜試験や面接の際に、学生たちに労働組合と社会の関わりについて説明するなど、このプロジェクトを側面から支えてきた。青年委員会からも、国際連帯を通じた分かち合いや思いやりの気持ちから創設された奨学金制度と関係者の協力に、感謝の言葉が述べられた。
新しく選抜された15人の奨学生たちは両親と共に式典に参加し、誇らしげに奨学金を受け取った。奨学生を代表し、ティリニ・パバスラ・ワルナソーリヤが、感謝の言葉と、今後一層勉学に励む決意を述べた。
また、卒業生代表として第6期(2013~2014年)のバサンタニ・ラトナラジャが感謝の言葉を述べた。彼女は大学進学直前に父を病気で亡くし、JP労組関東地本奨学金制度を通じて2年間の支援を受けた。奨学金は彼女にとって、経済的支援だけでなく、精神的支えにもなった。現在は無事に大学を卒業し、母校で講師として働いている。
奨学金授与式の午後には、UNIスリランカ加盟協(UNI-SLAC)青年委員会メンバーとの交流プログラムを行った。両国参加者は英語で自己紹介を行い、JP労組関東地本、スリランカの郵便労組と銀行労組それぞれの取組みについてプレゼンテーションを行った。その後、互いの組合活動の現状や課題について意見交換を行った。JP労組の参加者は日本の四季と伝統的な遊びを紹介した。
この他、代表団は、スリランカ郵政副長官を表敬訪問したり、郵政博物館や中央集配センターを見学したりした。また、2004年のインド洋大津波で被災したゴール郵便局を訪れ、当時、JP労組の義援金と国際ボランティア貯金の支援で設立された局舎2階のITセンター(現在は職員向け研修施設)も視察した。
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