UNI Apro/APPU/SEWU-THP共同セミナー開催、アジアの郵便労組の若手リーダーを育成

標記セミナーは開催地タイを含む9か国、12労組から16人の参加者(うち女性が7名)が出席し2018年7月10日~14日、バンコクのAPPU(アジア太平洋郵便連合)で開催された。JP労組からは野本美穂・信越地方本部組合員、伊藤佑真・広島北支部執行委員の2人が参加した。標記セミナーはJP労組の国際活動資金からの支援を受けて毎年開催され、アジア太平洋地域の若手郵便労組役員の育成を第一義においたセミナーである。一般の現地開催セミナーとは違い、公用語を英語とし、参加者がAPPU事務局長及び研修部長からの講義、更にタイ郵便労組との共同セミナーの全日程を英語で行う、郵便・ロジ部会では唯一のセミナーとなっている。また、リンAPPU事務局長とは、来年のセミナーについては2019年7月の開催に向け調整を行っていくことで合意した。

UNI Apro/APPUジョイントセミナー(2018年7月11~12日)

開会式ではリン・ホンリャン事務局長が「今セミナーはAPPUとUNI Aproとの間で長年開催されており、すでに長い伝統を持ち、毎年成功を収めている。2日という短期間ではあるが、効果的なプログラムを用意している。みなさんと協力してセミナーを成功させていただきたい。」と述べ、大崎部長は「UNIは皆さんのこと。皆さんが強くなれば、UNIも強くなれる。今セミナーでは郵便事業の将来や最新のイノベーションなど、事業や仕事の変化に加え、グループワークを通じたチームワークなどについて学ぶことになる。皆さん一人ひとりの能力開発を主目的としているが、参加者間のネットワーキングも重要な目的の一つ。また、英語でのコミュニケーションについても、失敗を恐れず積極的に取り組み、参加者一人ひとりが今後の組合活動においてもよい影響を与え合ってほしい。」と述べ、参加者を激励した。

セミナーでは、リン事務局長から「グローバルな郵便を取り巻く環境とUPU、APPUの役割」、アミタフ・シン研修部長から「新しい経済での郵便事業、将来のビジネスモデル」、「現代の人事管理」、「問題を解決するための議論:グループワーク」、タイポストの経営側から「タイポストの郵便・ロジスティクス戦略」、大崎部長から「UNIとUNI Aproと私たちの活動」などの講義が行われた。セミナー最終日には敷地内のラクシ・メールセンター及びバンコクEMSセンターを見学した。またセミナー中は参加者を4つのグループに分け、数字を使った問題に対し、グループで話し合いながら得点を競い合うなど、英語を使って議論し、協力を進め、チームワークを培うセッションも豊富に行った。

UNI Apro/SEWU-THPジョイントセミナー(2018年7月13~14日)

7月13~14日はUNI Apro/SEWU-THP(タイ郵便労組)の共同セミナーが同じAPPU講堂で開催された。UNI Apro/APPU共同セミナーに参加した16人及びタイ郵便労組から約40人、UNI Aproスタッフ等計60人が参加して開催された。冒頭、ウィラート・カルンサスム委員長の提案により、参加者全員で日本の豪雨災害による犠牲者に対し黙祷を行った。ウィラート委員長は開会挨拶で先頃タイ北部の洞窟で遭難した少年サッカーチームの救出に国際的な支援を多く得たことに触れ、「今回の豪雨災害によって被災された日本の皆さんに対し、お返しに私たちからも支援を行いたい」と述べた。そして休憩時間には参加者全員から被災者に向けた義援金を集めた。また、ウィラート委員長は「タイ郵便労組の挑戦」と題し、タイ郵便労組の現状と直面する課題についてUNI Apro参加者に向け報告した。委員長は、タイでは郵便事業は単一労組であるSEWU-THP労組が約70%の組織率を誇り、約13,000人を組織している。国営企業であるタイポストの経営は安定しており、毎年、利益を政府に還元している。SEWU-THP労組は利益に見合った職員の賃金アップ、有休増加、福利厚生の充実を求めている。しかし、タイでは汚職などの不正行為が多く存在している。タイポストの事業はまだまだ改善できるし、郵便事業の持続可能性を高めていくためにも、労使が真に手に手を取って改善していきたい、と語った。

今回のセミナーのテーマは各国の「労使関係」についてであった。まず、参加2カ国にインタビュー形式で、労使関係についての質問を行った。まず、マレーシアUPCWからの参加者3人に対し、「マレーシアの郵便労組について」、「労使交渉のやり方について」について、司会の大崎担当部長が各労組からの参加者にインタビューする形で行い、その後会場からの質疑応答を行った。また、先月16日間ものストライキを26ある全スリランカの郵便労組で行った。3つのスリランカの加盟組織には「どうしてストを行ったのか」、「ストで得られたもの・失ったもの」、「26の全労組がどのように協力したのか」、「ストライキの成果と課題」等について質問が多く出された。スリランカの今回の郵便ストは、職員の昇進と賃金アップを求めるものであった。スリランカでは管理職も労組加入しており、全郵便労組が協力しストライキを決行したとのことであった。午後は参加者全員を3つのグループに分け、職場や労組が取り組む課題を話し合った。それぞれタイ語-英語の通訳を配置し、タイ郵便事業の課題(機械化で職員数が減り、また若い職員の採用希望が減っており、下請け労働者が増えている等)や各国共通の課題について理解を深める場となった。大崎担当部長は、アジアの各労組は同じ方向を向いており、お互いが協力し、話し合うことでそれぞれの組合を高めることができる。今日のセミナーを突破口に、皆さんが職場に戻った後も引き続き努力を続けてほしい、とセミナーを締めくくった。


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