ICTSは新たな労働の世界の原動力

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2016年5月24~25日、スイス・ニヨンで、UNI世界ICTS部会委員会が開催され、19カ国から32人が参加した。UNI世界ICTS部会大会(2015年6月、スウェーデン)で採択した戦略計画を踏まえ、4つのテーマに基づいて各地域・国の状況を報告、課題認識を共有するとともに、UNI世界ICTS部会としての年間活動計画を策定した。日本からは、野田三七生情報労連中央執行委員長、後藤一宏情報労連副委員長(KDDI労組委員長)、柴原准二KDDI労組副委員長、木村富美子情報労連国際担当部長が出席した。

ジェニングス書記長は開会挨拶を行い、英国、ブラジル、米国等において見られる右派勢力の台頭に対する懸念や難民問題、中東の政治状況等に触れ、世界の労働者を取り巻く環境が変化する中で、労働組合が「新たな労働の世界」へ対応していく重要性について述べた。

「アウトソーシング」の議題では、テイト局長が「IT・通信業務のアウトソーシングが増加しているが、業務が細分化し組織化が難しくなっている。アクセンチュア、アルカテル、ノキア、IBM、エリクソン等は『アウトソーシング/業務請負会社』であり、業務量が増加しており、ICTS業界で主要な地位を占めるようになったが、組織化が遅れている」と報告した。また、4月にエリクソン労組アライアンスが結成されたことを紹介し、アウトソーシング労働者の組織化に向けた取組みを進めていくと述べた。スワンICTS政策担当は欧州のICT企業におけるアウトソーシング調査の中間報告を行い、「今や、どのような仕事でもアウトソーシングの対象になっている」と指摘し、早急に対策すべきだと述べた。プリヤント氏(インドネシア・ASPEK)はインドネシア・ファーウェイ組織化の事例を紹介し、「XLアクシアタからの業務委託を受けているファーウェイの組合組織率は82.5%まで上昇し、現在は初の協約締結に向けて交渉を強化している」と報告した。座長を務めた野田UNI Apro ICTS部会議長は、「IoT、ビッグデータ等の技術進展により、ICTS労働者の雇用や処遇形態は今後も影響を受け続けるだろう。アウトソーシング労働者の組織化には新しい形での取組みも必要であり、国を超えた労働者同士の連携が重要である。めざす目標は組織化であり、それぞれの地域や組織で努力していこう」とまとめた。

「新たな労働の世界」の議題では、ホグバックICTS部会調査担当が、「ICTSは新たな労働の世界の原動力であり、部門内では新しい形態の雇用が増加している。技術革新に伴い仕事が細分化されるケースも増えている。では、新たな労働の世界における組織化はどうあるべきか」と問題提起した。ボーセジュー氏(フランス・CGT)は、オンライン上で個人請負業務を行う労働者の組織化の難しさを指摘した。テイト局長は、「2017年1月に開催予定のグローバルIT労働者組織化会議で、これら労働者を組織化していく方法について意見交換したい」と述べた。またカスティーロ氏(米国・CWA)は個人請負労働者のオンラインでの組織化の可能性について触れ、特にコンタクトセンター労働者については有効な方法だと述べた。座長のヘルブルグ氏(スウェーデン・UNIONEN)は「技術革新に歯止めをかけることは出来ない、適応することが大切だ」とした上で、「クラウドやプラットフォーム上で業務を管理されるフリーランス労働者が増加しており、労働組合にとっての新たな課題である」と指摘した。

「コンタクトセンター」の議題では、テイト局長がコンタクトセンター問題への対応の重要性を説明し、ICTS以外の部門と連携し、特にUNI米州地域での取組みを強化していきたいと提起した。参加者から「部門別にアプローチすべきか、または企業ごとに行うのか等の見分けも必要である」、「コンタクトセンターがある国の法的側面も見てアプローチすべき」等の意見が出された。さらに、世界最大のコンタクトセンター業務受注国であるフィリピンへの対応を検討するため、UNIとして継続調査するとの方向性が示された。

「多国籍企業」の議題では、テイト局長が「エリクソンやリバティグローバル等の企業が台頭してきており、対応が必要である」と問題提起した。同時に、既存通信事業者の労組同盟の継続、ひいてはグローバル協定の締結と確実な実行について意思統一した。

閉会にあたり、カー世界議長は「ICTS部会は急速に変化しているが、私達は遅れることなく歩みを共にしてきた。数年前には会議の話題にものぼらなかった会社が、今は重点政策の対象となっている。仕事の中身はこれからも変化していくだろう。私達の活動をますます充実・発展させていかなければならない」と述べ、会議を終了した。


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