TOP LEADERS @ UNI 逢見UNI Apro地域会長

 

国内外でご活躍のUNIリーダーから、国際労働運動でのご経験や意義についてお伺いするコーナ。今回は、逢見直人UNI Apro地域会長(UAゼンセン会長)です。

 

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初めて国際労働運動に関わったきっかけは?

1976年にゼンセン同盟に入った翌年、米国の国際婦人服工組合(ILGWU)の幹部が来日し、会議から京都、岡山の教育センターまで随行したのが最初のふれあいでした。当時、日米繊維交渉、貿易摩擦といった問題があり、日米の労働組合の緊密な協議が必要だったのです。ILGWUの本部はニューヨークにありましたが、ニューヨークといえばファッションの発信基地。華やかな業界の裏に劣悪な労働条件で働く労働者がおり、彼女達の権利を守るため奮闘している労働組合の歴史や取組みを学びました。

また1981年、イスラエルのヒスタドルートが運営するアジア・アフリカ教育機関で、8月から12月まで研修を受ける機会がありました。世界の火薬庫といわれる中東では当時、エジプトのサダト大統領とイスラエルのベギン首相の間で和平協定が結ばれましたが、直後にサダト大統領が暗殺される(1981年10月)など、平和に向けた努力と緊張感を肌で感じました。日本から遠いだけでなく、状況が違うことも実感しました。例えば、水と安全は、日本人はタダで手に入ると思っていますが、中東ではコストをかけて手に入れるもの、守るものという認識なのです。また、イスラエルのことを学ぶだけでなく、アラブ村を訪ねアラブ人との交流を通じて、両者の立場を見聞することもできました。

様々なご経験から、国際労働運動の意義は?

ILO憲章に「世界の平和は社会正義を通じて達成できる。一部の貧困は、全体の繁栄にとって危険である」とあるように、社会正義がきちんと機能しないと戦争の原因になったり、貧困につながったりします。労働運動として社会正義を実践し、貧困問題も他人事ではなく自分達の問題としてとらえ改善していくことが、労働組合の役割なのです。米国の大学教授が『あなたのTシャツはどこから来たのか? 』という著書で、綿花の栽培、加工、染色、プリントといった製造から販売、古着市場に至るサイクルの中で、世界貿易の矛盾とそこで働く労働者、経済格差といった問題をどう理解すればよいのか問題提起をしています。UAゼンセンでは、身近な例で考え意識を持ってもらうよう「ボランタス(社会貢献活動)海外派遣」を通じて、例えばスリランカで紅茶はどのような環境で作られているかを体験してもらいます。そうした経験から意識も変わり、より組合活動に積極的に関わるようになった人もいます。

UAゼンセンは4つのグローバルユニオン(国際産業別労働組合組織)に加盟していますが、UNIの印象は?

UAゼンセンは、インダストリオール、IUF(国際食品労連)、BWI(国際建設・林産労連)とUNIに加盟しています。UNIは産業の幅が非常に広く、第3次産業はどの国でも雇用が拡大し続けている分野です。また、雇用が技術革新の影響を受ける産業でもあります。UNIは積極的に組織化を進め、時代の変化に敏感だと思います。また、地域組織においても、使用者との社会対話を促進し、組織を拡大し、協約を締結するなど目に見える成果に結びつく運動が展開されており、UNI Apro執行委員会で報告を聞くと、ブレイキングスルーが実感できます。

カトマンズは思い出の地だそうですが…

35年前、新婚旅行でネパールに行きました。4月の大地震により多くの犠牲者が出、世界遺産が倒壊したのを見て、大変悲しく思います。当時、人々は素朴で、経済的には貧しいながらも明るい感じを受けました。(5月の)UNI Apro(アジア太平洋地域)執行委員会は急遽、カトマンズからシンガポールに場所を変更して開催しましたが、ネパールからも代表が出席し、被害状況や組合の仲間が迅速に救援活動を始めたとの報告を受けました。ネパール支援の必要性を全員が確認しました。

最後にUNIに期待することは?

ケープタウンで「労働の未来」という中期的課題を討議し始めたところですが、実は既に現実に起こっている問題です。UNIはこれからも先頭に立ってブレイクスルーしてほしいし、加盟組合にも課された課題です。私達日本の加盟組合もUNI Aproを支え、積極的に役割を果たしていきたいと考えています。


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