UNI世界ICTS部会大会

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2015年6月16~17日、UNI世界ICTS部会大会が「変化する労働の世界における組織化」をスローガンに、スウェーデンのドローナセットで開催され、50カ国、76加盟組織、237人が参加した。アジア太平洋地域からは、日本(情報労連13人)、シンガポール、マレーシア、インドネシア、インド、ネパール、バングラデシュの代表が出席し、大会の討論に積極的に貢献した。

開会式では、フランシスコUNI世界ICTS部会議長(メキシコ)の開会挨拶に続き、スウェーデンの3加盟組織(ユニオネン、SEKO、エンジニア協会)代表から歓迎挨拶があった。ヘルバーグ・ユニオネン委員長は、スウェーデンの労働組合が所有する研修施設に集った世界のICTS労働者を歓迎し、意義ある戦略討議を期待した。一方で、第3の産業革命と称される急速なデジタル技術の進化により、今後20年間でスウェーデンの雇用の約半分が影響を受けるだろうとの厳しい見方を示し、「労働組合として組合員がその現実に備えることができるようにしなければならない」と述べた。ジェニングスUNI書記長は、デジタル化により世界が分断されようとしている中、労働者と資本家の「新たなグローバル・ディール」が必要だ、と力強く訴えた。

パネル討論1「ICTS部会における新しい労働の世界と組織化への影響」では、野田UNI世界ICTS部会副議長(情報労連委員長)が座長を務めた。アクターUNI世界専門職・監督職(P&M)委員会担当局長は、ケープタウン世界大会のためにUNIが行った「新たな労働の世界」に関する調査結果の概要を紹介した。続いて、ドルガスト教授(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス准教授)は、「通信産業における細分化した生産ネットワークにおける組織化」というテーマで講演し、「企業にとっては組合組織率が低く協約にカバーされていないところに、低賃金・弾力的雇用の仕事を下請けしやすい。雇用の維持に焦点を置くよりむしろ、下請け企業の組織化こそ、この産業の基準の低下を食い止めるために必要だ」と述べた。

フロアからは、レリテUNI派遣部会担当局長が、ICTS部会のコールセンターの取組みと派遣部会の取組みの連携と、UNI派遣部会がCIETT(国際人材派遣事業団体連合)と結んだ協定の更なる活用の必要性を強調した。情報労連(KDDI労組)の瀬田代議員は、非正規社員の組織化と処遇改善の取組みや今後の働き方について発言した。野田副議長は、「労働組合は、技術革新による市場変化、雇用形態の多様化、インフォーマル経済の労働者増加などの課題や状況変化に、タイムリーかつ十分にコミットしなければいけない」とまとめた。

パネル討論2「ICTS部会の主要キャンペーン」は、オクワロUNI世界ICTS部会副議長(ケニアCOWU)が座長を務め、テレノール、オレンジ、テリアソネラ、ドイツテレコム、アメリカモビル等の多国籍企業における組織化キャンペーン、労組同盟を通じた各国労組の連携、グローバル協定締結交渉・実施状況について最新状況を共有した。

パネル討論3「コンタクトセンターにおける新たな取組み」では、カセルタノUNI世界ICTS部会副議長(米CWA)が座長を務め、テイトUNI世界ICTS部会担当局長からの概要説明を受けて、モロッコ、ブラジル、ベルギー、メキシコ等における取組みを共有した。特にモロッコにおいてUMTが組合承認投票で勝利し、11社15,000人のコールセンター労働者を対象とする交渉権を勝ち取ったことは大きな成果として披露された。

パネル討論4「ICTS部会の将来をマッピング」では、サリスマディニャーUNI世界ICTS部会副議長(フランスCFDT Cadres)が座長を務め、ホグバック部会政策担当から、主要多国籍企業の国際事業展開動向と、サービスモデルの進化について概要の紹介があった。また「次の5~10年で雇用に最も影響を及ぼすものは何か?」という参加者によるリアルタイム投票では、IoT(1位)、5G(2位)、データ増(3位)という結果が出た。ソデルビスト代議員(スウェーデン)は、デジタル化が労働市場に及ぼす影響を最小化するには、団体交渉と団体協約が鍵であるとし、新世代の組合員を組織する新たな方策を考え、同時に生涯教育に向けた教育制度改革やセーフティネットの拡充も重要であると訴えた。情報労連(アイネス労組)の兵後代議員は、ユーザー視点のサービス提供のために組合員の教育が不可欠であること、幅広い発想を活かすため特に女性が活躍しやすい環境整備の重要性について、自組織の例を挙げて報告した。またフロアからは、情報労連(NTT労組)の廣瀬代議員が、企業・労働者のグローバル化が進む中、UNI加盟組織が連帯して取組みを進めることがより重要となる、共に頑張ろうと呼びかけた。

大会は、テレコム部会とIBITS部会が統合しICTS部会を結成以来4年間の活動報告を承認し、①大手多国籍ICTS企業の組織化と組合強化、②コンタクトセンターの組織化と労働基準の引上げ、③ICTS労働者の政治的影響力及び経済力の構築、④全ての取組みに「インクルーディング・ユー」の4本柱から成る2015~2019年のブレイキングスルー戦略計画を採択した。

最後に、UNI世界ICTS部会議長として、英通信労組(CWU)副書記長のアンディ・カール氏が選出され、「ICTS部会はUNIの将来を左右する重要な部会と認識している」と述べ、期待に応えられるよう任務を全うすると誓った。テイト局長は、UNI欧州ICTS部会を副議長として主導してきた同氏の世界議長就任を歓迎すると共に、退任するフランシスコ議長に感謝した。


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