
世界中でホリデーシーズンの買い物需要が高まる中、商業労働者は職場で前例のないプレッシャー、虐待、暴力、嫌がらせに直面している。長時間労働、慢性的な人員不足、高まる顧客需要により、小売労働者は今シーズンも負担を背負い続けている。
このホリデーシーズンに、小売労働者と連帯しよう-世界中のUNI加盟商業労組が、顧客に対し労働者への敬意ある対応を、雇用主に対し安全な人員配置とゼロトレランス方針の確保を、政府に対し労働者を虐待から守る法整備の強化を呼びかけている。
アイルランド:マンデート労組が敬意と保護強化を要求
アイルランドのマンデート労組による最近の調査が、問題の規模を明らかにしている:
• バー・小売従業員の約3分の2(63.4%)が職場で暴言被害を経験
• 4分の1以上(28.2%)が身体的な安全に脅威を感じた。
• 8人に1人近く(11.4%)が業務中に暴行被害に遭った
同労組のジム・フューリー書記次長は、繁忙期の圧迫を強調し、「労働者は毎年クリスマスに並外れた働きをしている。使用者はより良い労働条件でこの事実を認め、政府は虐待・脅迫・暴行に対する法的保護を強化する『2025年小売業労働者保護法案』を支持すべき時だ」と述べた。
マンデート労組が求めるのは、主に以下4点だ:
• 顧客や使用者からの嫌がらせに対するゼロトレランス方針に基づく、職場における尊重。嫌がらせ行為を許す言い訳はない。
• 公正な勤務シフト-適切な休息、シフトに関する事前に十分に時間をとった通知、実質的なワークライフバランスの確保。
• 貢献の評価―小売労働者が年間を通じて、特にクリスマスに果たす不可欠な役割を評価すること。
• 安全な人員配置―過密店舗での燃え尽き症候群防止と安全衛生上のリスク低減。
オーストラリア: SDAが顧客に「会計前に自己点検を」要請
オーストラリアの店舗流通関連労組(SDA)による最新調査でも、同様に憂慮すべき結果が報告されている:
• 2025年に組合員の88%が暴言被害を経験。
• 25%が身体的暴力に直面。
• 19%がセクシャルハラスメントを報告。
• 11%がオンライン上での虐待を経験。
• 10%が唾を吐きかけられる被害を受けた。
• 31%が民族・人種・文化的背景に関連する虐待を受けた。
UNI会長を務めるジェラルド・ドワイヤーSDA書記長は、共同責任を強調し、「小売従業員への嫌がらせは決して許されない。互いの安全を守ることは全員の責任だ。クリスマスは繁忙期だが、サービスを提供する人々はあなたの体験をより良くするためにいることを忘れず、敬意を持って接してほしい。レジ(チェックアウト)に向かう前に自分の行動をチェックしてほしい。そして、『誰も叱責されるいわれはない』というスローガンを思い起こしてほしい。」と語った。
SDAはまた、繁忙期であるクリスマス・休暇シーズン中、ささいな虐待や暴力の事例もすべて、報告するよう労働者に呼びかけている。
フィンランドでは、「Let’s Be Human」キャンペーン再開
フィンランドでは、フィンランド商業連盟とUNI加盟組織のPAMの調査により以下の実態が明らかになった:
• 顧客サービス従業員の70%が嫌がらせを経験。
• 35%がセクシャルハラスメントを経験。
• 25歳未満の労働者の80%が嫌がらせを経験。
これを受けてPAMとフィンランド商業連盟は、ホリデーシーズン直前の2025年12月1日、労働者に対する思いやりのある行動を促進する「Let’s Be Human」キャンペーンを再開した。ソーシャルメディア・動画・ガイドライン・研修を通じ、顧客の行動反省を促し、労働者のウェルビーイング向上を推進することが狙いだ。
PAMの労働環境専門家エリカ・カハラ氏は、「小売業は若年層最大の雇用主であり、多くの人にとって初めて経験する職場だ。そのため、オンライン上での嫌がらせの増加を含むハラスメントに対して、特に脆弱な立場にある」と指摘する。
米国:RWDSU、労働者への圧力増大とAI起因のストレスを警告
米国では、小売・卸売・百貨店労組(RWDSU)が、ホリデーシーズンにおける小売、倉庫、Eコマース、食品サプライチェーン全体の労働者の尊厳と尊重を求めている。
RWDSU は、労働者が現在、経済の不確実性、スケジュールや在庫管理における AI の積極的活用、継続的な盗難や暴力、需要の増加にもかかわらず季節雇用が減少している事など、さまざまな課題という「最悪の状況」に直面していると警告している。
UNI商業部会議長を務めるスチュワート・アペルバウムRWDSU委員長は、「小売業界は急速に変化しており、人員配置から損失防止まで、あらゆる分野に AI が組み込まれている。だがテクノロジーは人々を搾取するのではなく、人々に役立つものでなければならない。自動化によって人間性、尊厳、安全性が奪われてならない」と述べ、「職場での暴力を防止し、労働者の権利を保護し、職場での AI を規制し、危険なノルマを制限する法律を可決し、施行することが不可欠だ。だが法律だけでは不十分。雇用者、政策立案者、買い物客のすべてが、この季節が真に思いやりに満ちたものとなるよう、それぞれの役割を果たさなければならない。その第一歩は、1 年を通して、尊厳と敬意を持って労働者に接することだ」と付言した。
スペインでは、労働者が「赤いクリスマス」に向けて行動
2025年12月18日、スペイン全土の小売業労働者が、CCOOサービス部門の呼びかけに応じて行動を起こした。「赤いクリスマス」と名付けられたこの行動は、繁忙期における労働時間の短縮、十分な休息、公正な賃金を要求するものだ。
組合はまた、過重な労働負荷を強調する印象的で皮肉をこめたSNSメッセージを共有した:
• 「クリスマス商戦の悪夢」
• 「休息時間を守れ。一日で全部は無理。君はサンタじゃない」
• 「組織化して、悪夢を雇い主に味あわせよう」
ポーランドでは、長時間労働と過重労働に抗議
ポーランドでは2025年12月18日、労働組合Solidarność が全国規模で、営業時間延長と過重労働に抗議するデモを開始した。最初の抗議行動はカトヴィツェのビエドロンカ店舗前で行われ、労働者は顧客にビラも配布した。
NSZZ Solidarność のアルフレッド・ブジャラ委員長は、従業員の負担を強調し、「一部店舗は現在午前1時まで営業しており、レジ係は1日最大1.5トンの商品を処理している。従業員は店内で平均20キロメートル歩いており、人員不足は緊張を高め、不満を持つ顧客からの嫌がらせリスクを増大させる」と指摘し、買い物客が繁忙期の小売従業員に理解と敬意を示すよう、訴えた。
尊厳と敬意を求める世界的な呼びかけ
マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、各国労働者のこうした動きについて、「仕事をしているだけで虐待や嫌がらせ、暴力に直面するようなことがあってはならない。これはホリデーシーズンに限らず、年間を通じていえることだ。使用者は安全な人員配置と公正な条件を確保し、政府は保護を強化し、顧客は『敬意を示すことに料金はかからない』ことを肝に銘じるべきだ」とまとめた。そして、「この時期に、我々は世界中の加盟組織と共に小売労働者と連帯し、労働者の権利・健康・尊厳を最優先に掲げる」と締めくくった。