映画・テレビ制作におけるAI利用に関する労働協約:ドイツで初めて締結

ドイツのUNI加盟組織ver.diとドイツの俳優組合(BFFS)は、ドイツの映画製作者団体Produktionsallianzとの間で、映画製作における生成AIの使用に関する画期的な新協約の交渉に成功した。

この新協約は、俳優の演技が生成AIを使用してデジタルに複製加工、変更、置き換えられる場合に、俳優に対する明確な保護を定める。ただし、制作後に映画制作者の声や映像の録音を複製・修正するために使用されてきた従来のAI技術には適用されない。

協定の主な内容は以下の通り:
• 俳優の同意と透明性: 俳優のデジタル複製は、俳優の明確な同意なしに使用することはできない。制作者は、俳優の演技に対する生成AIの使用に関して、完全な透明性を確保しなければならない。
• 公正な報酬: 俳優には、撮影日数に相当する計算式に基づいて、AIが生成したシーンに対する報酬が支払われる。
• 使用制限: AIが生成したレプリカは、オリジナルのプロジェクト以外の作品に使用することはできない。

協定は2025年3月1日に発効し、2026年6月30日まで適用されるが、映画産業におけるAIの急速な発展に歩調を合わせるため、半年ごとに評価が行われる。

労働組合はこの協定を基礎に、生成AIが映画スタッフに与える影響に関する交渉を行う。第一段階として、生成AIが舞台裏の仕事に与える影響に関する共同研究が委託される。

ver.diのクリストフ・シュミッツ=デスレフセン執行委員は、「米国の映画労組の成功を受けて、BFFSとver.diは共に団体交渉の基準を設定してきた。AIの使用がもたらすすべての影響に対処できたわけではないが、我々は重要な保護規定、共同決定の強化、透明性に関する義務、そして金銭的補償について成果を得た」と述べた。