ホフマンUNI書記長、ダボス会議でメンタルヘルスについて提唱

2025年1月に開催された世界経済フォーラムのパネルディスカッション【Mind Matters: Mental Health at Work(心が問題:職場のメンタルヘルス)】で、クリスティ・ホフマンUNI書記長は、アルゴリズムやAIによる監視プログラム等のいわゆる「ボスウェア」の増加によって深刻化する危機にスポットライトを当てた。

同書記長は「以前よりもはるかに多くの人々が監視やモニタリングの対象となっている」とした上で、「これはコロナ禍で加速し、多くの労働者に多大なストレスをもたらし、職場で最大の不満となっている職場が多い。絶え間ない監視によって悪化した業務の激化により、多くの労働者が限界点にまで追い込まれている」と指摘した。

とりわけ、業務上の性質から容赦ない影響を受けているのが、コンテンツ・モデレーター、データ・ラベラー、ファクトチェッカーなど、データサプライチェーンの労働者だ。1時間に120件ものコンテンツを審査しなければならないノルマに加え、これらの労働者は、想像し得る限り最も極端で悪質なコンテンツを扱うことが多々あるとし、同書記長は「彼らは何百、何千もの動画を何時間も見続け、非常に有害で暴力的、感情に強く訴えかけるさまざまなレベルのコンテンツを目にしうる状況にある」と訴えた。

心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症する人も多く、心理的な負担は計り知れない。このような不快な素材を毎日見続けることで、眠れなくなったり、家族と上手く関われなくなったりする人もいるのだ。

早急な対策が必要であることは明らかであり、特にデータ関連の業務に従事する社員にとっては、従来のメンタルヘルスサポートだけでは不十分だ。同書記長は、「心理的なサポートが必要な場合は、いつでも対応できるスタッフを用意している」と伝えるだけでは十分ではないと指摘し、そうではなく、仕事の仕組みを根本的に変える必要があると主張した。

解決策としては、有害なコンテンツへの接触を制限するために労働者をローテーションで配置したり、仕事のペースを落としたり、メンタルヘルスに関するトレーニングやサポートを義務付けたりすることが考えられる。重要なのは、こうした対策をすべての人が確実に利用できるよう、勤務時間内に組み込む必要があるということだ。

AIがこうした労働者の仕事より良く補助できるようになることが望ましいが、このような仕事がすぐに消えてなくなることはない。安全で正確なインターネットに不可欠なこうした労働者を排除するのではなく、「労働者がよりトラウマを感じないよう、仕事を変えていく必要がある」と述べた。

またホフマン同書記長は、公平性、権利の尊重、信頼できる結果を確保するため、労働者および労働組合をテクノロジーの意思決定に含めることの必要性を説いた論文を、WEFのウェブサイトで共同執筆している。

パネルディスカッションでは他に、Pinterestのビル・レディーCEO、Hologicのティーブン・P・マクミランCEO氏、Sky News Group、Sky News – BSkyBのデビッド・ローズ会長、南アフリカのパキスヘ・アーロン・モツォアレディ保健省大臣が登壇した。