縮小する郵便サービスに関するグローバルな懸念

郵便規制の大幅な変更とデジタル・コミュニケーションの台頭に直面する中、ユニバーサル・サービス義務(USO)として知られる、どこに住んでいても質の高い郵便サービスを手ごろな価格で受けられる権利が脅かされている。

2024年5月にスイス・ニヨンでUNIが開催したイベントでは、USOの将来に関して、労働組合、政策決定者、郵便サービスの主要関係者が一堂に会した。この会合では、縮小していくユニバーサル郵便サービスを守り、急速に進展する状況の中でその持続可能性を確保することが喫緊の課題であることが強調された。

規制の課題と法制面の動き
2023年12月、デンマークは長年続いたUSOを廃止する最初の国となった。この決定は国際的な郵便システムの中で重要な議論を巻き起こし、郵便法改革へのバランスの取れたアプローチを緊急に求める声が高まった。

一方、新たな欧州郵便サービス指令(PSD)の提案と郵便サービス提供のための最低基準は、広範囲に影響を及ぼすものであり、2021年以降、激しい議論が繰り広げられている。

アルケ・ベシガーUNI副書記長が司会を務めたパネル討議では、欧州委員会の域内市場・産業・起業家・小規模企業総局(DG GROW)のミレーテ・クラウゼン投資担当部長の見解が紹介された。同氏は、同指令の改正に関する欧州委員会の決定に向けて現在進めている調査について報告した。

ジャン=ポール・フォースヴィルUPU郵便事業評議会議長(フランスのラポスト・グループ欧州・国際担当局長)は、郵便事業指令と全体的な規制枠組みを改正する必要性について発言した。

ポルトガルのANACOMで欧州連合担当局長を務め、ERGPの規制枠組み作業部会の共同議長を務めるリタ・フィリペ・シルバ氏は、ERGPの観点からPSDを改定する必要性、特にUSOの定義を改定し、小包に関するUSOの適用範囲を見直す必要性に焦点を当てた。また、新たな規制の枠組みは、小包配達という隣接市場を考慮すべきであり、郵便市場と隣接市場間の公平な競争条件を運用する必要性を強調した。

UPU諮問委員会のウォルター・トレゼック氏は、USOに関する議論に郵便市場の多様なステークホルダーを参加させることの重要性について訴え、国際的なEコマースが急増する中、必要不可欠な郵便サービスの将来的なレジリエンスを確保する上で、UPUが果たす役割について強調した。

英国通信労組のデーブ・ウォード氏は、USOの再定義と利用者ニーズの適応に関して英国での動きを概説すると共に、ロイヤル・メールとの交渉が続く中での組合の優先事項を表明した。

グローバルな視点
会議ではまた、USOの重要性について、さまざまな地域からの多様な視点が紹介された。ドイツから出席したウヴェ・ケプケ氏(ver.di)とアンドレ・マイヤー・セバスチャン氏(BNetzA)は、現在進められているドイツの郵便法改正と、小包配送の下請けに対する規制について議論した。

UPUのポール・シュールル氏は、 グローバルに郵便サービスの持続可能性を確保するための統合郵便開発計画(IPDP)の役割について強調した。セネガルのイブラヒマ・サールSNTPT書記長は、アフリカにおける郵便サービスがアクセシビリティとコミュニケーションの権利にとって極めて重要な役割を担っていると報告した。

アジア太平洋郵便連合(APPU)のユー・イェン氏は、アジア太平洋地域の経済的レジリエンスにとって郵便サービスが不可欠な役割を果たすことを強調し、 APPUのサンディープKP氏は、新たなテクノロジーが郵便の雇用とサービスのレジリエンスに与える影響について発言した。

チリのコレオスから出席したイグナシオ・リベルマン・ヤコニ氏は、同国の郵便サービスを維持するために必要な課題と適応について発言した。デンマークの3Fから出席したゼヴァド・ラミク氏は、同国でUSOが廃止されたことが及ぼしている郵便労働者への影響について洞察を示した。また、

ディミトリス・セオドラキスUNI世界郵便・ロジスティクス部会担当局長代行は、「郵便労働者と郵便労組は、USOに関する議論に参加しなければならない。我々は共に、郵便サービスが社会における本質的な役割を果たし続け、世界中の通信と商業におけるライフラインを提供し続けていけるようにしていこう」と締めくくった。