欧州の労働組合、ミャンマーにおける徴用反対をEUに要請

2024年 2月10日、ミャンマーの軍事政権が徴兵制の開始を発表した。欧州労働組合連盟(ETUC)とUNI欧州をはじめとする欧州の労働組合組織は、この衝撃的な発表に全面的に反対している。ミャンマーの労働者・労働組合とその国際的な労働組合を代表し、3月1日に送付した書簡の中で、EU加盟国に対し「可能な限り早期にEUの緊急行動に合意する」よう求めた。

軍事政権の発表は、すでに3年以上にわたって軍政の恐怖支配下で暮らしてきたミャンマーの労働者や市民の生活をさらに危険にさらすものだ。現地からの報告は憂慮すべきものだ。すでに工業地帯の近くのホステルや、大都市や村の家族の家に住んでいる若い労働者たちは、すべての村や町で軍や民兵による誘拐や逮捕の危険にさらされている。1,300万人以上の若者が、軍政の国家行政評議会(SAC)地方当局によって連れ去られ、運搬役として、あるいは民主化勢力との戦闘の最前線で使われる可能性があるのだ。

政権が18~35歳の男性と18~27歳の女性を特定するために従業員データを使用するとの報道もあり、従業員データが使用されるのを阻止し、すべてのプロセスを停止させ、ミャンマーに民主主義を取り戻すためには、緊急の行動が必要である。

書簡では次のように記されている。「これまでの国際社会の対応は、十分とは言い難く、軍事政権は実際に引き起こされる影響を恐れることなく、労働者や市民に対する虐待を続けるだろう。この絶望的な状況に終止符を打たねばならず、我々はEUに対し、強制労働に等しい軍事政権による労働者と市民への虐待を止めるよう求める」

EUの緊急行動が必要
署名者であるETUC、UNI欧州、インダストリオール・ヨーロッパ、EPSU、EFBWW、EFJ、EFFAT、ETFは、以下の行動によって「すべてのEU加盟国に対し、軍事政権によるこの最近の行為に全面的に反対し、政権を標的にすることを目的とした緊急行動をとるよう要請」している。
●欧州理事会および欧州対外行動局が、この発表に最も強い言葉で公に反対を示すこと。
●EUは可能な限り早急に、以下の企業への優先制裁を含め、さらなる制裁を課すこと。銀行・保険部門、ジェット燃料、軍事政権の州および地域の首長、軍事政権の幹部とその家族が所有する企業の役員、軍事統制下にある企業の役員で、まだ制裁対象者リストに含まれていないもの、およびMEHLや海運会社のミャンマーファイブスター・ライン等に代わって石油を輸入・販売するグループ会社シュエビャインピュー等の企業。
●カンボジアで決定されたように、深刻な人権侵害を考慮し、EUのEBA 協定(Everything But Arms =武器以外の全て) 協定の下で適用されている特恵貿易関税を撤回すること。
●今なおミャンマーで操業しているEUのブランド企業や工場は、軍事政権と結託せず、従業員の身元を守り、SMART IDスキームを通じて得た情報を共有しないこと。さらに、EUのブランド企業は、従業員が誘拐されたり、深夜に帰宅途中に軍隊に強制連行されたりするリスクを軽減するため、こうした事例が現地で報告されている現在の状況下において、サプライヤーに対しては従業員に残業を課さないよう要求しなければならない。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「EU加盟国は、すでに3年間も軍事政権によるひどい虐待を受けてきたミャンマーの人々のために立ち上がらり、ミャンマーにおける強制徴用を終わらせなければならない」とコメントした。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、「ミャンマーの若い労働者は、強制徴用のために軍や民兵による誘拐や逮捕の危険にさらされている。EU加盟国は、このような慣行を終わらせるため、軍事政権に対して持っている手段を駆使するべき」と訴えた。