2024年2月下旬、スイス・ニヨンのUNI本部で、UNI世界青年委員会が『持続可能な未来を構築しよう』をテーマに掲げたワークショップを開催し、世界中から約60人の若年労働者と労働組合活動家が集まった。若年労働者の声は、組合が協力して気候危機に取組む方法を形づくる上で、極めて重要な役割を果たしていくことになる。
このワークショップは、教育制度における交流とモビリティ促進を目指すスイスの機関Movetiaの支援を受けて行われた。
31か国、11の異なる部会から43労組が参加し、若者が気候変動とその生活・生計への影響について議論した。
マルタ・オチョアUNI世界青年委員会担当局長は、「労働組合として、我々には団体交渉、スト権、平等権、環境権など、労働者の権利のために闘う責任がある」と述べ、「これはもはや単なる重要な問題のひとつではなく、あらゆるレベルで協調行動を求める絶対的に緊急な問題。このワークショップは、若い労働者に力を与え、持続可能な未来を提唱するためのツールと知識を身につけさせることを目指している」と、今回のワークショップの意義を強調した。
3日間にわたる熱心な討議を通じて、参加者は性別、階級、年齢、国籍に関係なく、気候変動が世界的にどのような影響を及ぼしているかを探った。
ワークショップの初日に参加者は、自然および人間社会のシステムに与える深刻な影響から、気候変動に対する不作為の影響、世界の北と南に存在する格差にいたるまで、気候変動の基礎的な部分について議論した。
2日目には、参加者それぞれの部会における気候変動の具体的な影響に焦点を当て、雇用における課題から、職場における緩和策と適応策の検討までが議論が白熱した。
最終日には、実行可能なステップに関心が向けられた。参加者は、フィラデルフィアで採択されたUNI世界大会の決議に注目し、決議を具体的な実行に移すために、労働組合がどのように対策を効果的に実施できるかを計画した。
フィラデルフィアで開催されたUNI世界大会で、気候変動に関するパネルで司会を務めた後、ワークショップ参加者の一人であるセネガルのママドゥ・ンディアイェ氏は、自国で行動を起こすことを決意した。ダカールでプラスチックごみと汚染の問題に取組むため、フィットネスとエコロジー活動を組み合わせたEcofitの取組みを開始したのだ。
「私の働くICT産業では、多くの汚染を生んでいるということをワークショップで学んだ。私の働いている会社ソナテルにはCSRプログラムがあるが、もっと多くのことが必要(…中略…)地域社会を改善し、変化をもたらすために、すでに行っている小さな行動だけでなく、大局的な行動を推し進める必要がある」と述べ、「セネガルに戻ったら、経営陣との直接、交渉を行っている書記長に会い、気候危機に取組むために、ここで学んだ教訓のいくつかを実行に移すよう、働きかけるていく」と力強く語った。
ワークショップを終えた参加者は、より持続可能なより良い未来のために行動する決意を新たにした。