UNI欧州ケア部会:介護部門における暴力とハラスメントに取組む

2022年11月下旬、ポーランド・ワルシャワでUNI欧州ケア部会大会が開催され、介護施設や在宅介護の労働者が直面している暴力やハラスメントへの対処が主な議題の一つとして議論された。

介護労働者に対する暴力やハラスメントの増加の要因のひとつに、労働力不足と離職率の高さがある。これは UNI欧州ケア部会の「RETAINプロジェクト」でも明らかになっている。 人手不足はサービス提供の低下につながり、最終的には介護利用者と介護労働者の双方にストレスを与えることになる。そのため、「RETAINプロジェクト」では、UNIケア部会の加盟組織が各国政府にILO第190号条約を批准するよう働きかけることを、提案してきた。

介護労働者の95%が女性であり、その多くが移民や有色人種であるため、組合は労働者の問題に取組む具体的な措置を策定する必要がある。そのため、UNI欧州ケア部会は、EUが資金提供するプロジェクト (VS/2021/0041)の一環として、UNI機会均等局と連携して今大会に臨んだ。

大会の中でアメル・ジェメイルUNI欧州機会均等部長は、EU加盟国全体でのILO第190号条約の批准に向けたUNI欧州のキャンペーンと、EUレベルで指針を策定する必要性について、説明した。

討議の中で、ポーランドの介護施設職員は、施設利用者の間でアルコール依存症が蔓延していることに触れ、酒に酔うと、職員に唾を吐きかけ、侮辱し、身体的に攻撃することさえあると言及した。また、ポーランドのケア部会加盟組織OPZZ-KPのバーバラ・ドール氏は、虐待は身体的・心理的なものであると述べた。

また、欧州各地から集まったケア部会の代表者は、在宅介護労働者が利用者宅でどのような暴力やハラスメントにさらされ、何の保護も受けられないまま放置されているかについて議論し、ある参加者は、移住してきた住み込みの介護士が、夜中に利用者が部屋に入ってくるので、モップでドアを塞がなければならなかった状況を紹介した。

ベルギーのUNIケア部会加盟組織であるSETCA-BBTKは、使用者団体と共同で、介護部門における暴力とハラスメントのモニタリングに特化したICOBAという組織を立ち上げた。SETCA-BTKは、UNIケア部会が使用者、高齢者団体、障がい者団体、その他の利用者団体と協力し、利用者宅での暴力やハラスメントに対処する指針を策定する必要性について強調する動議を提出し、採択された。

エイドリアン・ドゥルチUNI世界ケア部会担当局長は「近年、フェミニスト運動と労働組合が結びつき、女性や移民労働者の暮らしをいかに変えてきたか、我々は見てきた。だが依然として、欧州の数百万人の在宅介護労働者は、労働者として十分な保護を得ていない。UNIケア部会はこの状況を変えるべく、組合の力を使って、介護施設や在宅介護の労働者が恐怖におびえながら働く必要がないよう尽力していく」と強調した。