Tik Tok 投稿内容のフィルタリングを行うテレパフォーマンス従業員の精神的苦痛が明らかに

世界的な大手コンタクトセンターであるテレパフォーマンスで、Tik Tok動画のモデレーター(投稿内容をフィルタリングする業務)を務めるコロンビアの労働者たちの悲惨な経験と憂慮すべき待遇が、米国のニュース雑誌『タイム』の報道で明らかになった。

労働者が証言したのは、子どもへの性的虐待、殺人、人喰い、極度の動物虐待などの動画にさらされている実態だ。

コロンビアのテレパフォーマンス労働者を組織化するUNI加盟組織UTRACLAROは、今回の調査で判明したような同社の労働条件の改善に向けて取組んでいる。しかしテレパフォーマンスは、反組合的な戦術を繰り返し用いており、組合に対する根拠なき法的異議申し立ても行っている。

ユーリ・ヒグエラUTRACLARO委員長は、「コンテンツ・モデレーターの多くは在宅勤務で孤立した状態にあり、1日に最大で1,000本の動画をチェックしているが、不穏で生々しいコンテンツの動画にさらされることが非常に多い。こうした労働者に対する精神的なサポートは十分でなく、会社に助けを求めても応じてもらえないことがあまりにも多い。テレパフォーマンスは、労働者が必要とする精神的ケアと休息を得られるよう、一層の取組みが必要だ。組合を妨害するために時間や資金、リソースを使うのではなく、組合と対抗するのをやめ、労働者の懸念を解決するため、我々との協力を始めるべきだ」と訴えた。

今月、コロンビアを訪問した米下院歳入委員会の代表は、労働組合員が組織化に際して深刻な脅威に直面しており、「テレパフォーマンスのコールセンターの労働者は、懸念すべき労働条件と、雇用保障がない状況に苦しんでいる」と指摘した。

昨年、OECD多国籍企業行動指針に関するフランス連絡窓口(NCP)は、テレパフォーマンスに対し、グローバルな事業展開における同社の慣行についての是正を求める強い勧告を行った。NCPは、コロンビアでパンデミック時の劣悪な労働環境に抗議してストライキを行った組合指導者が解雇された事案等を指摘した。その結果、NCPは、コロンビアにおけるテレパフォーマンスの行為が「OECDガイドラインが勧告する労働者の結社の自由に反し、反組合行為に相当する」との判断を下した。

テレパフォーマンスのコンテンツ・モデレーターの状況が問題になったのは、今回が初めてではない。『ビジネスインサイダー』は、テレパフォーマンスのメタアカウント向けの担当者が直面するストレスと過酷な状況について、報じたばかりだ。また、今年初めに『フォーブス』のレポートでは、米国のテレパフォーマンスで働くTik Tokのモデレーターが、生々しい性的虐待の動画を使ってトレーニングを受けていることが判明した。2019年には、ギリシャの新聞『カティメリニ』による調査で、FACEBOOKのコンテンツをモデリングするテレパフォーマンス従業員が、暴力的で過激なコンテンツに何度も何度もさらされていることが明らかになっている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「コロンビアをはじめ世界中で、テレパフォーマンスはコンテンツ・モデレーターを精神的にも肉体的にも限界まで追い詰めている。定期的に恐ろしいコンテンツを見なければならないだけでなく、会社の監視システムによって、勤務内にできるだけ多くのコンテンツを見るという強いプレッシャーもかけられている。テレパフォーマンスはもっと努力しなければならないが、同社は従業員の待遇に関する根深い過ちを修正するために、国内およびグローバルレベルで組合と協力することを拒否している。労働者は人間であり、業務で目撃したものに対して、免疫があるわけではない」と語気を強めた。

コンサルティング企業PIRCによる今年3月のレポートによると、テレパフォーマンスは2021年には90.55%という驚異的な離職率を記録し、世界のほぼ全労働力が毎年入れ替わっていることが判明した。4分の3以上の従業員が、1年以内に退職している。